1. そもそも赤飯とは?

おめでたい日やお祝い事に欠かせない食事である赤飯。赤飯とは、一般的にはもち米に「小豆(あずき)」や「大角豆(ささげ豆)」を入れて蒸しあげたごはんであるが、実は地域によって特色がある。ここでは、なぜおめでたい時に赤飯が食べられるようになったか、各地の特色ある赤飯を紹介しよう。
赤飯の歴史
赤飯のルーツは、古代米といわれる赤米を蒸したものであったといわれている。赤米は縄文時代に中国大陸から伝えられたお米で、神様へのお供え物とされたり、お祝い事などに食べられていたと考えられている。赤米は、現在食べられている白米とは違い、赤飯のような赤い色で炊きあがる。
江戸時代に入ると、庶民にも白米を食べる習慣が浸透したが、神様に赤色のごはんを供える風習は残っていたため、白米に小豆を入れて色付けしたものが広まったと考えられている。
江戸時代に入ると、庶民にも白米を食べる習慣が浸透したが、神様に赤色のごはんを供える風習は残っていたため、白米に小豆を入れて色付けしたものが広まったと考えられている。
地域ごとに特色がある赤飯
赤飯と一言でいっても、地域によって違いがあるのをご存知だろうか。赤飯には普通、豆が入っているが、この豆が地域によって特色があるのである。全国的には、赤飯に小豆を入れる地域が多いが、関東地方ではささげ豆を入れるのが一般的である。これは、皮の薄い小豆では、蒸す時に豆が割れてしまうことがあり、これが「切腹」を連想させることから、江戸時代から皮が厚く割れにくいささげ豆が使われているのだ。また、いずれも県内すべてではなく一部の地域ではあるが、長野県では「花豆」、千葉県では「落花生」などその地の特産の豆が使われている。
少し変わったところでは、北海道や東北の一部では、甘納豆を使った赤飯が食べられている。また、福井県の一部では豆ではなく「さといも」を使っていたり、新潟県の長岡市では金時豆を入れ醤油で味と色を付けた赤飯であったりと、各地に特色のある赤飯文化があるようだ。
2. 昔ながらの蒸す方法

最近の炊飯器には、おこわやもち米を炊く機能が付いているものがあり赤飯も炊くことができるが、昔ながらの赤飯の作り方は、蒸し器や蒸篭で蒸す方法である。基本的な赤飯のレシピ(4人分)を紹介しよう。
昔ながらの赤飯の基本レシピ
- 小豆(またはささげ豆)1/2カップは、軽く洗い2カップの水を加えて鍋に入れ、1~2分茹でる。
- 小豆をザルにあげ、さっと洗い再び鍋に入れ6カップの水を加えて火にかける。
- 煮立ったら弱火にして15~20分ほど茹でる。
- 茹でた小豆と煮汁に分ける。煮汁は冷まして1カップを取りおく。
- 研いだもち米(2カップ)を水切りして、残りの煮汁に一晩つけておく。
- もち米をザルに上げて小豆と混ぜ合わせる。
- 小豆と合わせたもち米を、蒸し器や蒸篭で15~20分ほど蒸しあげる。
- 取りおきした煮汁1カップに塩小さじ1/2を加え、打ち水としてもち米にふりかける。
- 全体的に混ぜ合わせ、さらに15~20分ほど蒸して完成。
3. 炊飯器で炊く方法

蒸し器などで蒸すのが本当の作り方とはいえ、忙しい時には炊飯器で炊く方が時間も手間もかからず便利である。炊飯器で簡単に赤飯を作る方法(4人分)を紹介しよう。
炊飯器で簡単に作る赤飯のレシピ
- 小豆(またはささげ豆)1/2カップは、軽く洗い2カップの水を加えて鍋に入れ、1~2分茹でる。
- 小豆をザルにあげ、さっと洗い再び鍋に入れ6カップの水を加えて火にかける。
- 煮立ったら弱火にして15~20分ほど茹でる。
- 茹でた小豆と煮汁に分ける。
- 炊飯器の内釜に、炊く30分前に洗って水気をきっておいたもち米(2カップ)を入れる。
- 冷ました煮汁を内釜の目盛り(おこわ用)まで注ぐ。足りなければ水を足す。
- 塩を入れて混ぜ、茹でた小豆をもち米の上にのせ、炊飯器をおこわモード(なければ普通の炊飯モード)で炊く。
結論
おめでたい日やお祝いの席には欠かせない料理である赤飯。最近ではコンビニで赤飯のおにぎりが販売されるなど、ハレの日だけでなく普通の日でも食べたいものである。炊飯器を利用すれば意外に簡単に炊けるので、日常の食卓でも楽しんでみてはいかがだろうか。
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