1. ぼんじりとは?

ぼんじりとは鶏肉の部位の一種で、しっぽの付け根部分のことである。鶏肉の中でも特に脂肪が多く付いている一方で、よく動かすため筋肉が引き締まっているのが特徴だ。また、鶏肉一羽からごく少量しか取れないため、鶏ムネ肉や鶏モモ肉などに比べると希少部位として扱われることも多い。一般的には焼き鳥(ぼんじり串)にして食べられることが多いが、炒め物などにもしても美味しい。
ぼんじりの名前の由来
ぼんじりは、その部位がひな祭りのときに飾る「ぼんぼり」に似ているから、ぼんぼりとお尻を組み合わせて「ぼんじり」と名付けられたとされている。また、地域によっては「さんかく」や「ぼんぼち」などと呼ぶこともある。なお、肉類の中でお尻の部位を「ぼんじり」と呼ぶのは鶏肉だけである。
2. ぼんじりの基本的な栄養価

文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には、ぼんじりの栄養価は収録されていない(※1)。そこでアメリカ合衆国農務省のデータベースを参考に、100gあたりのぼんじり(Chicken tail)の主な栄養価を確認しよう(※2)。
ぼんじりの100gあたりの栄養価
- エネルギー:454kcal
- たんぱく質:20.36g
- 脂質:40.68g
- 炭水化物:0g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:11.42g
・一価不飽和脂肪酸:17.03g
・多価不飽和脂肪酸:8.57g - ビタミン
・ビタミンA:78μg
・ビタミンD:0.2μg
・ビタミンE:0.4mg
・ビタミンK:2.4μg
・ビタミンB1:0.036mg
・ビタミンB2:0.127mg
・ナイアシン:5.581mg
・ビタミンB6:0.1mg
・ビタミンB12:0.2μg
・葉酸:2μg
・パントテン酸:mg
・ビタミンC:0mg - ミネラル
・ナトリウム:65mg
・カリウム:136mg
・カルシウム:14mg
・マグネシウム:15mg
・リン:125mg
・鉄:1.51mg
・亜鉛:1.23mg
・銅:0.064mg - 食物繊維:0g
3. ぼんじりの下処理・下ごしらえのやり方

ぼんじりを調理する際には、毛羽・中骨・油壷(あぶらつぼ)などを外す下処理が必要になる。これらを取り除かないと食べにくかったり、嫌な臭みがあったりする。実際には以下のような手順でぼんじりの下ごしらえを行うようにしよう。
- ピンセット(毛抜き)で毛羽を取り除く
- 中骨を押さえながら黄色い脂肪部分(油壺)を千切る
※包丁で油壺を切り落としてもよい - 中骨に沿うように包丁を左右から当てて中骨を取り除く
- 臭みを抜くために料理酒大さじ1をかけておく
4. ぼんじりの美味しい食べ方3選

ぼんじりを使った料理の定番といえば焼き鳥だ。また、焼き鳥以外にも炒め物や酢の物などにしても美味しい。ご飯のおかずとしてだけでなく、お酒のおつまみにも合う料理をいくつ紹介しておこう。
その1.ぼんじりの焼き鳥
下処理したぼんじりを竹串に刺してから、魚焼きグリルやオーブントースターなどで焼こう。魚焼きグリルなら中火で10分程度、トースターなら12~15分程度でアツアツのぼんじり串を作ることができる。味付けはサッパリと塩コショウでもいいし、醤油・みりん・砂糖で作ったタレでも美味しい。
その2.ぼんじりの炒め物
ぼんじり串を作るのが難しいなら、ぼんじりを使った炒め物にするのもおすすめだ。長ネギと一緒に炒めて焼き鳥風にしたり、ニンニクと炒めてガーリックチキンソテーにしたりしても美味しい。おすすめはサッパリした味付けの炒め物で、柚子胡椒炒めやおろしポン酢醤油なども人気がある。
その3.ぼんじりの唐揚げ
ぼんじりを使った唐揚げも人気がある料理の一つだ。鶏ムネ肉や鶏モモ肉などを使った唐揚げと異なり、プリッとしたジューシーな食感を楽しむことができる。醤油・料理酒・砂糖・おろしニンニクなどで下味をつけたぼんじりに衣をつけて、カラッと揚げるだけで作れる。おつまみとの相性も抜群だ。
5. ぼんじりの入手方法と保存方法

最後にぼんじりの主な入手方法(購入方法)と保存方法についても確認しておこう。
ぼんじりの主な購入方法
ぼんじりは、普通のスーパーでは販売されていることが少ない。そのため、ぼんじりを購入したいなら、ECモールやオンラインショップなどを利用して購入するのがおすすめだ。流通量こそ多くなく希少部位とされているが、意外にリーズナブルな値段で購入できるケースが多くなっている。
ぼんじりの主な保存方法
ぼんじりは、基本的に冷蔵庫で保管しよう。真空パックに入っているものはそのまま保存することが可能だが、食品トレーに入っているものは一度取り出してキッチンペーパーで水分を拭き取ってからラップに包んで保存する。食品トレーに入ったままだと劣化が早くなってしまうので注意しよう。
結論
ぼんじりとは、鶏肉のしっぽの付け根にある部位のことである。居酒屋などではよく目にするが、スーパーなどではあまり目にしないので食べたい場合はネット通販を利用するのがおすすめだ。焼き鳥だけでなく、炒め物・揚げ物・酢の物などさまざまな料理でぼんじりを楽しむことができる。
【参考文献】
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm - ※2:U.S. DEPARTMENT OF AGRICULTURE「FoodData Central」
https://fdc.nal.usda.gov/fdc-app.html#/food-details/1098572/nutrients
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