1. カワハギとは

カワハギといえば、艶がある白身と濃厚な味わいの肝が特徴的だ。おちょぼ口とツノのようなものが付いた顔も独特である。
カワハギの外観
カワハギの体長は、大きなもので30cmほど。横からはひし形に見えるが、正面から見るとかなり側扁している。頭部に伸びるツノのようなものは、背びれの第一棘条が変化したものだ。体色は青灰色、褐色などで縞模様があるものが多い。オスのみ、背びれの最初にある軟条が糸のように伸びている。歯と顎が強く、岩礁域付近の砂底で甲殻類や貝類などをかみ砕いて食べる。
皮を剥いで調理するからカワハギ
カワハギにはウロコがなく、皮は非常に硬くザラザラしている。皮を剥がなければ食べられないが、切込みを入れれば簡単に手で剥くことができる。このように皮を剥いで調理するため、カワハギと呼ばれるようになったそうだ。ほかにも、ハゲやマルハゲ、バクチウオなどと呼ぶ地域もある。
主な産地は九州や四国
カワハギの生息地は、北海道以南から九州までの沿岸各地や台湾・東シナ海などと広範囲に渡る。温暖な水温の地域で多く漁獲されるため、日本では九州・四国地方が主な漁獲地だ。定置網で獲られ、大きいものほど高価で取引される。静岡県や愛媛県などでは養殖も進められている。
2. カワハギの旬の時期はいつ?

カワハギは1年中出回る魚で、釣りも年間通して行われる。味は季節によって劣ることがない。そのため旬の時期の考え方はさまざまで、身と肝がそれぞれ美味しい季節として2回旬があるという考えや、代用魚として活躍する時期が旬という考えなど、地域によって諸説あるようだ。
夏が旬という説
一般的にはカワハギの旬は夏といわれている。この時期は産卵期にあたり、栄養を蓄えている状態のため美味しくなると考えられる。ほかにも、フグやヒラメが出回らない時期のため、カワハギが代用魚として活躍することから夏が旬といわれるようになったとも考えられる。
冬が旬という説
カワハギの肝は秋から冬にかけて大きく育つ。また、鍋の季節ということもありカワハギを肝ごとちり鍋にするのが定番のため、秋から冬が旬と考えられることもある。
秋と冬の2回が旬という説
カワハギの産卵期は5~8月頃だが、産卵を終えた時期である秋から冬に栄養を蓄え始める。栄養を蓄えることにより身は太り、肝も肥大してくる。このことから、まず身が太る秋を1回目の旬とし、肝が大きくなる冬を2回目の旬とする説もある。
いずれの時期においても、カワハギの味は大きく劣ることはない。肝を重視する場合は晩秋から冬にかけてを狙うとよいだろう。
3. カワハギの種類

カワハギの仲間は約24属100種あるといわれている。そのうち一般的に食用とされているのは主にカワハギ・ウマヅラハギ・ウスバハギの3種類だ。
ウマヅラハギ
馬のような顔をしているためこのように名づけられ、漢字では「馬面ハギ」と書く。カワハギよりも口から尾まで縦に長い。日本海側に多く生息する。
ウスバハギ
縦長で薄っぺらい体形が薄い葉のように見えるためこのように名づけられ、漢字では「薄葉ハギ」と書く。
4. カワハギの旬の美味しい食べ方

旬の新鮮なカワハギは、まず刺身で食べるのが一番。肝を醤油に溶かした肝醤油につけると絶品だ。肝のみを茹でてポン酢をかけて食べても美味しい。また、身と肝を一緒に煮付けにしたり、酒蒸しにしたりしてもよい。カワハギは身が淡白なぶん、濃厚な肝との相性が非常によくいくらでも進んでしまうだろう。
結論
カワハギの旬には諸説あり、明確な時期はない。逆に言えばいつても美味しい魚とも言える。フグのような味わいでフグよりも安く手に入れられるのも嬉しいところだ。刺身やちり鍋など、さまざまな食べ方で楽しもう。
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