1. シャビシュー・デュ・ポワトゥの歴史

日本では牛乳から作られたチーズが一般的だが、ヨーロッパを中心としたチーズ生産国では山羊や羊の乳からもチーズを作っている。シャビシュー・デュ・ポワトゥも山羊の乳から作られたチーズだ。山羊の乳から作られるチーズは、総称して「シェーブルチーズ」と呼ばれる。シェーブルチーズはサイズが小さく、シャビシュー・デュ・ポワトゥも直径6cm、高さ5cmぐらいのものが多い。小さいチーズばかり作られるのは、山羊の乳が固まりにくいからだ。牛乳でチーズを作るときと同様に凝乳酵素(乳中のたんぱく質を固める酵素)を加えて作られるのだが、固まる力が弱いため小さく成型される。
チーズの歴史は古く、シャビシュー・デュ・ポワトゥの誕生も8世紀までさかのぼる。シャビシュー・デュ・ポワトゥはフランスのポワトゥ・シャラント地方で誕生したのだが、8世紀ごろのこの地は、サラセン軍(アラビアからやってきたとされる人たち)とフランス軍の衝突地帯であった。フランス軍の勝利という形で幕を閉じた戦いだったが、サラセン軍が食べていたチーズがこの地に根付き、現在のシャビシュー・デュ・ポワトゥになったとされている。その名残は名前からも分かることができ、「シャビ」はアラビア語から由来しており、「山羊」の意味もつとされている。
チーズの歴史は古く、シャビシュー・デュ・ポワトゥの誕生も8世紀までさかのぼる。シャビシュー・デュ・ポワトゥはフランスのポワトゥ・シャラント地方で誕生したのだが、8世紀ごろのこの地は、サラセン軍(アラビアからやってきたとされる人たち)とフランス軍の衝突地帯であった。フランス軍の勝利という形で幕を閉じた戦いだったが、サラセン軍が食べていたチーズがこの地に根付き、現在のシャビシュー・デュ・ポワトゥになったとされている。その名残は名前からも分かることができ、「シャビ」はアラビア語から由来しており、「山羊」の意味もつとされている。
2. シャビシュー・デュ・ポワトゥの味わいと食べごろ

シェーブルチーズは酸味が特徴的なチーズだ。シャビシュー・デュ・ポワトゥも同様に酸味を感じるチーズなのだが、ほどよい酸味とともに甘みも感じられる。また、ほかのシェーブルチーズと比べると辛みが強いのも特徴的だ。山羊の乳独特の香りがするため、最初は抵抗感があるかもしれないが、味わいはさっぱりしている。
AOCを取得している
ヨーロッパでは地域ごとに個性的なチーズが作られているのだが、物流が活発化している現代では古くからあるチーズの存在感が薄れつつある。チーズなどの歴史ある食品を保護するためにフランスで生まれた認定制度をAOCといい、伝統的製法で作られていたり、品質が維持されていたりといった細かい規定をクリアした製品に認証が与えられる。シャビシュー・デュ・ポワトゥも歴史や品質が認められ、1990年にAOCを取得している。A.O.C取得の際に、それまでバラバラだった形や大きさが統一され、樽のような形に統一された経緯がある。
食べごろ
シャビシュー・デュ・ポワトゥは1年中市場に出回るが、春から夏に出回るものがとくに美味しいといわれている。その理由は原材料となる乳の品質に隠されている。春と夏は山羊の餌となる牧草が生い茂る季節であり、それらを食べた山羊から出る乳の品質はほかの季節のものに比べると非常によいのだ。シャビシュー・デュ・ポワトゥが必要とする熟成期間は最低10日間と短いため、品質のよい乳から作られたチーズは同シーズン中には市場にでまわるため、春から夏のものが美味しいといわれるのだ。
3. シャビシュー・デュ・ポワトゥの食べ方

小さい樽型のシャビシュー・デュ・ポワトゥはかわいらしく存在感もあるため、チーズプラトーには最適だ。チーズプラトーとは、チーズの盛り合わせのことである。プレートの上にさまざまなチーズをのせて楽しめるため、パーティーなどでもおしゃれな一品となる。チーズを食卓に出すときはカットした状態で出すことが多いが、チーズプラトーの場合は各々でカッティングしながら食べることもできるため、個性的な形のチーズをそのまま食卓に出せる。また、牛乳から作られるチーズとの風味の違いも比較しながら楽しめる。
カットはバランスよく
小ぶりなシャビシュー・デュ・ポワトゥだが、食べる際にカットは必須だ。チーズは外側と内側の熟成度が同じになることはない。そのため、カットせずに食べてしまうと熟成している部分としていない部分を偏って食べてしまうことになる。チーズを美味しく食べるためには両方の部分をバランスよく配分する必要があるのだ。シャビシュー・デュ・ポワトゥのような樽型のチーズの場合は、中心部から放射線状にカットすると、バランスよく配分できる。
ワインとの組み合わせ
フランスではチーズと同じくらいワインの生産も盛んで、チーズとワインを一緒に楽しむことが多い。シャビシュー・デュ・ポワトゥには辛口の白ワインがおすすめだ。シャビシュー・デュ・ポワトゥの味わいを打ち消すことなく楽しめる。もし、白ワイン選びで迷ってしまうなら、同じくポワトゥ・シャラント地方で作られたワインを選ぶようにしよう。
結論
アラビアからやってきた人たちがフランスに残していったチーズがシャビシュー・デュ・ポワトゥだ。山羊の乳独特の香りを苦手と感じる人も多いのだが、味わいはさっぱりしている。新しい味わいに挑戦したいときにはぴったりのチーズだ。
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