1. シャコとは

シャコは体長15cmほどの甲殻類。エビやカニなどが十脚目に分類されるのに対し、シャコは口脚目(シャコ目)という異なる種族である。見ためはエビに似ているが、エビは頭部が大きいのに対し、シャコは頭部が小さく腹部が太く長いのが特徴だ。
シャコはカマキリエビ?
シャコの英名はJapanese mantis shrimpである。mantisはカマキリという意味だ。シャコの捕脚がカマキリのカマに似ているため、そのように名付けられた。シャコは力強い捕脚でゴカイなどの多毛類や貝を攻撃し捕らえる肉食性の生き物なのである。甲殻類のボスといわれるのも納得だ。その一方でシャコという日本名は、茹でるとシャクナゲのような美しい色に変わることが由来という説があり、生態のイメージとは大きく異なるのも興味深い。
主な産地は
シャコの漁獲量は1980年代を境に減少し、2000年頃には休漁する産地が出るほどに激減した。現在も漁獲量は少なく、解禁と禁漁を繰り返し資源回復に取り組みながら漁獲している産地も多い。主に愛知県(伊勢湾・三河湾)や岡山県(瀬戸内海)、北海道小樽で獲れる。
2. シャコの旬の時期はいつ?

量こそ少ないが、通年漁獲されるシャコにも旬があることをおさえておきたい。シャコの旬は年に2回訪れ、それぞれの時期によって異なる特徴がある。
春から初夏にかけて
一度目の旬は、3~5月頃。シャコが産卵期を控え卵巣が発達する時期だ。この卵巣は「カツブシ」と呼ばれ非常に美味である。春から初夏は、子持ちのコクがあるシャコを食べられる旬の時期と覚えておこう。
秋から初冬にかけて
二度目の旬は、10~12月頃。産卵後脱皮を繰り返し、シャコ自体が栄養を蓄え太る時期である。そのため身が詰まっており美味しく食べごたえもあるのだ。
3. シャコの種類

シャコにはさまざまな種類が存在することはあまり知られていない。見ための色合いや捕脚の形状も種類によって大きく異なるのだ。
日本で食用とされているのは2種類
日本では、シャコとアナジャコが一般的に食べられている。見ためも特徴もよく似ているが、アナジャコはエビの仲間の十脚目に分類され、砂に潜るという習性があり、この点がシャコとは異なる。また、寿司ネタとして使われるのはアナジャコではなくシャコのほうだ。
カラフルなシャコもいる
日本で食べられているシャコは、茶色っぽい殻に包まれいかにも甲殻類という見ため。しかし、シャコには青や赤、グリーンなどの色鮮やかな美しいものもいる。モンハナシャコという種類で、観賞用としても人気なのだ。また、黄色と黒の縞模様が特徴的なトラフシャコも有名である。
4. シャコの旬の美味しい食べ方

シャコは鮮度が命といわれる。生の状態ではすぐに傷んでしまうため、生きたままの新鮮なうちに茹でてしまうのが鉄則だ。
生きたまま茹でる
旬のシャコを生きたまま入手できた場合は、できるだけ早く塩茹でにして殻をむいてかぶりつくのが最も美味しい食べ方といわれている。沸騰したお湯で10分ほど茹でれば殻もむきやすくなる。
茹でてから調理してもよい
旬の鮮度のよいシャコは茹でただけで十分美味しいが、殻をむいて寿司にしたり、天ぷらにしたりするのもおすすめだ。
結論
一度新鮮なシャコを食べたらやみつきになってしまったという声も多い。一年に二度訪れる旬の、それぞれの時期によっても違った味わいを楽しめるのもシャコの魅力だ。見た目から敬遠する人もいるかもしれないが、勇気を出して試してみてはいかがだろうか。
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