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ホヤとは?捌き方から美味しい食べ方までホヤの基本を詳しく解説!

ホヤとは?捌き方から美味しい食べ方までホヤの基本を詳しく解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年6月 8日

パイナップルにそっくりな見た目をしている海産動物の「ホヤ」。ホヤ貝とも呼ばれる貝と思われがちだが、実は貝類ではなくホヤ綱に分類される海産動物のことである。そんなホヤは東北地方や北海道などで古くから食べられており、酒の肴には欠かせないものとなっているようだ。今回はそんなホヤについて詳しく解説する。特徴や美味しい食べ方などをしっかりとチェックしておこう。

  

1. ホヤとは?

ホヤとは、尾索動物亜門ホヤ綱に属する海産動物の総称のことである。世界には2000種以上のホヤがおり、日本近海には約300種のホヤが生息している。このホヤの一部は日本・韓国・フランスなどで食用されていて、特に日本では宮城県や北海道などでよく食べられている。プリプリの食感と独特のニオイなどが特徴のホヤは、刺身・酢の物・焼き物・揚げ物などにして食べることが多い。

ホヤの旬と主な産地

ホヤは通年出回っているが、天然ものの旬は5~8月頃となっている。実際、東京都中央卸売市場の「市場統計情報」を確認すると(※1)、7~8月頃の取引量が最も多くなっている。また、同統計で出荷地を確認すると、2020年で最も多く出荷していたのは宮城県(約401トン)。その他に北海道や岩手県などでも水揚げはあるが、宮城県のシェアは約86%で圧倒的に水揚量が多い。

2. 日本で食べられるホヤの種類

世界には2000種以上のホヤが生息しているが、日本で主に食用とされているのは「マホヤ(真ボヤ)」と「アカホヤ(赤ホヤ)」の2種類である。それぞれの特徴について詳しく確認しておこう。

その1.マボヤ

マボヤ(真ボヤ)は、身が厚く、味が優れていることから「ホヤの王様」と呼ばれることもあるホヤである。また、殻にデコボコとした突起があり、その見た目から「海のパイナップル」と呼ばれることもある。日本では三陸沿岸で養殖が行われており、宮城県産のマボヤは非常に有名。一般的にホヤというと、このマボヤを指すことが多い。

その2.アカホヤ

アカホヤ(赤ホヤ)はマボヤと異なり、殻に突起がなく濃い赤色の見た目をしている。また、身はマボヤよりも大きいが、クセが少ないため比較的食べやすいのが特徴だ。流通しているもののほとんどが天然物であり、主に北海道で漁獲されている。また、北海道内で消費されてしまうことが多い。

3. ホヤの基本的な栄養価

ホヤは、ビタミンEやビタミンB12、亜鉛などの栄養素を多く含むことでも知られている。そこで文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考に(※2)、ホヤ(生)100gあたりの栄養価を確認しておこう。

ホヤ(生)100gあたりの栄養価

  • エネルギー:27kcal
  • たんぱく質:5.0g
  • 脂質:0.8g
  • 炭水化物:0.8g
  • 脂肪酸
     ・飽和脂肪酸:0.14g
     ・一価不飽和脂肪酸:0.11g
     ・多価不飽和脂肪酸:0.23g
  • ビタミン
     ・ビタミンA:0μg
     ・ビタミンD:0μg
     ・ビタミンE:1.2mg
     ・ビタミンK:0μg
     ・ビタミンB1:0.01mg
     ・ビタミンB2:0.13mg
     ・ナイアシン:0.5mg
     ・ビタミンB6:0.02mg
     ・ビタミンB12:3.8μg
     ・葉酸:32μg
     ・パントテン酸:0.33mg
     ・ビタミンC:3mg
  • ミネラル
     ・ナトリウム:1300mg
     ・カリウム:570mg
     ・カルシウム:32mg
     ・マグネシウム:41mg
     ・リン:55mg
     ・鉄:5.7mg
     ・亜鉛:5.3mg
     ・銅:0.19mg
  • 食物繊維:0g

4. ホヤの基本的な食べ方(捌き方)

ホヤの可食部分は、殻の内側にあるオレンジ色の身の部分である。しかし、いきなり包丁で捌こうとするとホヤの中から海水が漏れだすこともある。そこで一度海水を抜いてから調理するとよい。以下にホヤの基本的な捌き方・切り方をまとめておくので参考にしてみよう。

ホヤの捌き方・切り方

  • ホヤの入水口を包丁で切り落とす
    ※入水口は突起の先端が「+」の形をしている
  • ホヤを潰すようにして中の水を抜く
    ※この茶透明な水(ホヤ水)は刺身などに使える
  • もうひとつの突起を切り落とし排泄物を取り除く
  • 突起から突起に向かってホヤを半分に切り分ける
  • 殻と身の間に指を入れて、なぞるようにして身を剥がす
  • 内臓を取り除き、必要に応じて黒いワタも取り除く
  • 流水でキレイにしてから、キッチンペーパーで拭けば完了

5. ホヤの美味しい食べ方3選

新鮮なホヤは、刺身で食べるのがおすすめ。また、酢の物、水物、バター焼き、蒸し物、天ぷら、炊き込みご飯などにして食べられることも多い。ここではそんなさまざまな食べ方の中から、特におすすめの食べ方を3種類紹介しておこう。

食べ方1.ホヤの刺身

ホヤの食べ方で最もポピュラーなのが「刺身」である。前述のとおりホヤを捌いたら、あとは食べやすい大きさにカットしてお皿に盛り付けるだけだ。あとはわさび醤油、ポン酢、ホヤ水などにつけながら美味しく食べるようにしよう。ホヤは5つの味(甘み、塩気、酸味、苦味、うま味)を備えているといわれており、その複雑な味と磯の香りを存分に楽しむことができる。

食べ方2.ホヤの酢の物

ホヤの酢の物は、宮城県の郷土料理として知られている(※3)。細切りにしたホヤを、醤油・みりん・お酢などで作った調味液に漬ける。それから輪切りにしたキュウリと一緒に盛り、調味液をかけて味を調える。そこに生姜・ミョウガ・青シソをトッピングすれば完成だ。酢の物にすることでホヤの甘みをより楽しめるようになる。

食べ方3.ホヤの水物

塩揉みしたホヤを冷たい昆布だしに浸して「水物」にするのもおすすめだ。特に青森県ではミズ(ウワバミソウ)とホヤの水物が郷土料理として知られている(※4)。青森県では夏の定番メニューとして知られており、老若男女を問わず馴染み深い料理となっているそうだ。

結論

東北地方や北海道などでポピュラーのホヤは、味も食感も優れている海産物の一つである。他の地域ではあまり食べられていないが、もし興味があるならオンラインショップなどで探してみるとよいだろう。刺身のほかに、バター焼き・蒸し物・天ぷらなどにしても美味しく食べられる。
【参考文献】
■※1:東京都中央卸売市場「市場統計情報(月報・年報)」
https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/torihiki/geppo/
■※2:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
■※3:農林水産省「ホヤの酢の物 宮城県 | うちの郷土料理 」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/hoyano_sunomono_miyagi.html
■※4:農林水産省「ミズとホヤの水物 青森県 | うちの郷土料理 」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/mizuto_hoyano_mizumono_aomori.html
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  • 公開日:

    2020年1月28日

  • 更新日:

    2021年6月 8日

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