1. オレンジワインとワイン

特筆すべきはその包容力
前述の通り、赤ワインと白ワインの中間を行くようなオレンジワインは、複雑そして奥行きのある味わいが自慢。赤と白をいいとこ取りした風味、味わいになっている。
ワインってどうやって作るの?
まずどんな酒でも精製の基本は、発酵だと言われている。酵母菌が糖分を餌にして、活動し、その過程で二酸化炭素やアルコールが発生するのだ。ワインの場合は、皮に多く付着した酵母菌がブドウの糖分を餌に発酵し、アルコールを発生させる。
赤ワインと白ワインの大きな違い
赤ワインと白ワインの違いは、まずブドウの種類にある。赤ワインは、黒ブドウと呼ばれる品種、白ワインは白ブドウやグリブドウと呼ばれる品種が主に使われる。製造過程にも決定的な違いがある。赤ワインは、皮もタネも丸ごと一緒に潰して、発酵させてから、プレスするのに対し、白ワインはまずプレスして、果汁のみで発酵させるのだ。
赤と白のいいとこ取り
オレンジワインは、白ワインと同様のブドウを赤ワインと同様の製法で作る。まさにハイブリットなワイン。白ブドウやグリブドウを皮や種ごと使い、果汁と一緒に発酵させる。この工程を果皮浸漬=マセラシオン、スキンコンタクトと呼ぶ。皮の風味や色が抽出されるので、あのオレンジ色になるのだ。また酸化防止剤なども使わないため、熟成した自然のままのオレンジ色となる。
2. オレンジワインの今昔

ワインの生まれ故郷
ワインは、8000年ほど前、現在のジョージアで誕生したという説が有力。産業化される前は、オレンジワインの様な作り方は一般的だったと言われている。ちなみにジョージアでは、現在もこの製法が当たり前に行われている。国内に輸入されているオレンジワインにもジョージア産のものが多く見られるのはこのため。
原点回帰
時代とともに産業化されたワインの世界から、オレンジワインは長く遠ざかっていたが、この20数年間で変化が訪れる。自然派ワインを志す醸造家たちの思いもあり、原点回帰の流れが生まれたのだ。その熱い想いに後押しされ、世界を圧巻するまでに人気になった。
世界各国にわたる生産地
ジョージアを始め、イタリア、フランス、スロベニアなど、ヨーロッパ諸国はもちろん、ニュージーランド、チリにわたるまで、現在では幅広い地域で生産されている。実は日本にもオレンジワインを生産するワイナリーが誕生している。自然派ワインの取扱いが盛んな酒屋を訪れると出逢える可能性が高い。
3. オレンジワインとマリアージュ

特筆すべきはその包容力
なぜ、ここまでオレンジワインが人気を集めているのか。それは珍しさゆえのことではない。前述の通り、赤ワインと白ワインの中間を行くようなオレンジワインは、複雑そして奥行きのある味わいが自慢。赤と白をいいとこ取りした味は、肉にも魚にもそっと寄り添う包容力があるのだ。
他にはない旨み
赤ワインにも白ワインにもない、どこか出汁感のある旨味が感じられるのもオレンジワインの醍醐味。ジュワッと、ジューシーな味わいは、癖になる。ただ、オレンジワインといえど、個性はそれぞれ。酸味のあるものから、ドライフルーツの様な深みを感じるものまで幅広くあるので、エキスパートに相談しながら、購入するといい。
見た目の華やかさも◎
オレンジワインは、見た目の華やかさも魅力。さらに美しい琥珀色は、驚きと話題性をもたらしてくれるので、おもたせにピッタリ。前述の通り、肉や魚を選ばないばかりか、中華料理や鍋、和食などと合わせやすいところも優秀。
結論
オレンジワイン、実はワインの元祖と呼ばれる存在。その美味しさ、ポテンシャルは抜群に高いが、まずはあまり考えずにトライしてみよう。個性的なワインがお好きな方であれば、きっと気にいるはず。