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ブロッコリーは生でも食べられる?メリットや注意点、食べ方も解説!

ブロッコリーは生でも食べられる?メリットや注意点、食べ方も解説!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年9月14日

ブロッコリーを食べる際には、茹でる、蒸すなど加熱するのが一般的だ。日本では生で食べる習慣がないが、実際のところブロッコリーの生食は可能なのだろうか。本記事では、ブロッコリーを生で食べるメリットや方法について解説する。また、便利なブロッコリーの冷凍保存についても併せて紹介しよう。

  

1. ブロッコリーは生でも食べられる?

ブロッコリーは海外から伝わった野菜である。日本での食べ方は加熱調理が一般的だが、アメリカやヨーロッパでは異なるようだ。

ブロッコリーは生でも食べられる

海外では、生のブロッコリーがサラダにして食べられている。花蕾の部分だけでなく、葉や茎もすべて生食できるのだ。ただ、日本では加熱して食べる習慣が定着しているため、生のブロッコリーは硬くて食べにくい可能性がある。茎の部分は厚めに皮をむいて食べるとよいだろう。また、生で食べる場合はとくに、新鮮なブロッコリーを選ぶことも大切だ。

新鮮なブロッコリーの見分け方は?

花蕾(つぼみ)が密集し、房がこんもりと盛り上がった形をしているブロッコリーが新鮮だ。黄色っぽいもの、茶色や黒に変色しているものは避け、濃く深い緑色でずっしりと重いものを選ぼう。また、茎の切り口にス(亀裂)が入っているものは、成長しすぎにより硬く筋っぽい。茎の外皮につやがあり、切り口がみずみずしいものがよい。

2. 生と茹でのブロッコリーの栄養を比較

ブロッコリーは美味しさや彩りだけでなく、栄養摂取も目的に食べられる野菜である。生と茹でたものでは栄養面でどのような違いが出るのだろうか。「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※1、2)をもとに、ブロッコリー100gあたりの主要な栄養素の含有量を比較してみよう。また、とくに多く含まれる栄養素の特徴も併せて紹介する。

生と茹でのブロッコリーの栄養の違い

  • ビタミンC:生140mg、茹で55mg
  • ビタミンE:生3.4mg、茹で3.1mg
  • β‐カロテン:生900μg、茹で830μg
  • 葉酸:生220μg、茹で120μg
  • 食物繊維:生5.1g、茹で4.3g
  • カリウム:生460mg、茹で210mg
  • カルシウム:生50mg、茹で41mg
  • マグネシウム:生29mg、茹で17mg

ビタミンC

生のブロッコリーには、茹でたものの約2.5倍ものビタミンCが含まれる。ビタミンCは抗酸化ビタミンの一種で、活性酸素の働きや発生を抑える抗酸化作用をもつ。活性酸素には過酸化脂質の生成など健康を害するような働きがあるが、抗酸化ビタミンの摂取により抑制することができる。(※3)

食物繊維

食物繊維も生のブロッコリーのほうが多いが、差は0.8gと大きくない。食物繊維には消化吸収されにくい性質があり、大腸まで達しさまざまな働きをする。主に便の体積を増やす役割や腸内の善玉菌のエサとなる役割をもち、腸内環境を整え便通を促すために役立つ栄養素だ。(※4)

カリウム

ミネラル類のなかでブロッコリーに最も多く含まれる。生で食べることにより、茹での約2倍量を摂取できる。細胞内液の浸透圧やpHバランスの調整などが主な働きだ。ナトリウムの排出を促す作用もある。また、神経の興奮性や筋肉の収縮にも関わる栄養素で、不足すると脱力感や食欲不振などの症状につながる。(※5)

3. ブロッコリーを生で食べる効果とは

ブロッコリーを茹でて食べることに慣れていると、生食には抵抗があるかもしれない。しかし、ブロッコリーの生食には次のようなメリットがある。

栄養を逃さず摂取できる

ブロッコリーを生で食べる最大のメリットは、栄養を余すことなく摂取できる点だ。先ほど比較した通り、生のブロッコリーは茹でたものよりもさまざまな栄養素の含有量が多い。栄養素のなかには茹でることにより流出したり、加熱により壊れたりするものもある。そのため、茹でたブロッコリーは栄養素が少なくなってしまうのである。しかし、生で食べればブロッコリーの栄養を損なうことなく、まるごと取り入れることができるのだ。

4. ブロッコリーを生で食べる際の注意点

ブロッコリーの生食にはメリットがある反面、気を付けなければならないこともある。実際に食べる前に、必ずおさえておきたい注意点を紹介しよう。

虫や汚れ

小さな花蕾が密集し房が入り組んだ形状のため、ブロッコリーには虫や汚れが付きやすく落ちにくい。小さくて見つけにくい虫が入り込んでいることもある。茹でて食べる場合は虫や汚れが取り切れなくても熱湯で消毒・死滅させることができるが、生食の場合は難しい。食べる前にしっかりと洗浄する必要があるのだ。

残留農薬

ブロッコリーは虫が付きやすい野菜のため、栽培の際には農薬散布による害虫対策が行われるのが一般的だ。虫や汚れだけでなく、残留農薬にも注意が必要なのである。とくに房の分岐部分や花蕾のすきまなどに農薬が残りやすく、サッと水洗いするだけでは不十分だ。農薬野菜専用の洗剤を使用するか、次に紹介する洗い方を実践し、しっかりと洗い流そう。

生のブロッコリーの洗い方も知っておこう

ボウルに水を張り、ブロッコリーの花蕾を下にして入れ20分ほど放置する。そのあと茎を持って水のなかでゆすると、虫や汚れが浮き出てくる。急ぐ場合は、水に少量の重曹を混ぜたものに30秒ほど浸し、流水で洗う方法もある。
ブロッコリーが浮いてうまく浸せない場合は、水を入れたビニール袋にブロッコリーを逆さに入れ、口を軽く閉じるとよい。

5. 生のブロッコリーの食べ方は?おすすめレシピ3選

キレイに洗ったブロッコリーは、サラダにして好みのドレッシングで和えて食べよう。また、サラダ以外の生ブロッコリーの美味しい食べ方もある。おすすめのレシピを3つ紹介しよう。

ナムル

  • 洗ったブロッコリーを食べやすい大きさに切り分け、ボウルに入れる
  • 塩もみして30分ほど置く
  • ごま油、醤油、白ごまを加えてよく和える
  • 冷蔵庫で一晩寝かせたら完成
ブロッコリーを和える際に、鷹の爪やチリペッパーなどを加えて辛みを足しても美味しい。

ピクルス

  • 洗って切り分けたブロッコリーに塩をまぶす
  • すし酢、醤油、カレー粉、ローリエ、にんにくの薄切りを鍋に入れ煮立たせる
  • 消毒した瓶にブロッコリーと2のピクルス液を入れ密閉する
  • 粗熱が取れたら冷蔵庫に入れ、半日~2日ほど漬けたら完成

スムージー

  • 洗ったブロッコリーとバナナをミキサーに入る大きさに切る
  • ブロッコリー、バナナ、豆乳、ヨーグルト、蜂蜜、レモン汁をミキサーに入れてスイッチを押す
  • ブロッコリーが粉砕され全体がしっかり混ざったら完成
豆乳の代わりに牛乳を使用したり、リンゴやオレンジなど好みの果物を加えたりしてもよい。甘みの強い果物を使えば、蜂蜜を入れなくても美味しく飲める。

6. ブロッコリーの冷凍保存は生?茹で?

ブロッコリーは、そのまま冷蔵庫で保存しておくと1週間ほどで傷んでしまう。より長く保存したい場合は、冷凍するのがおすすめだ。冷凍保存する場合、生のままがよいのか茹でたほうがよいのか、それぞれの特徴と方法について紹介する。

生のまま冷凍保存する方法

生のままで冷凍すると解凍したあとも水っぽくならず、ブロッコリーの食感をそのまま楽しめるのが特徴だ。ブロッコリーの茎を切り落とし小房に分けてから水で洗い、水気をよくふいてから冷凍用の保存袋に入れて冷凍保存しよう。この方法だと約1ヶ月は保存可能だ。

茹でてから冷凍保存する方法

茹でてからブロッコリーを冷凍保存する場合は、小房に分けてから塩を入れて沸かした湯で茎から順に茹でていく。風味を残すために、小房の部分を加えて再沸騰したら火を止めよう。茹であがったブロッコリーはザルにあげて冷まし、小房同士がくっつかないよう金属トレーに並べて冷凍する。その後保存袋に移して冷凍保存しておくと、使う際に取り出しやすい。茹でたブロッコリーも生の状態と同じく約1ヶ月保存可能だ。

7. 冷凍保存したブロッコリーの解凍方法

生のまま冷凍した場合と茹でてから冷凍した場合では、ブロッコリーの解凍方法や料理に使う際の扱い方が変わってくる。それぞれに適した方法を見ていこう。

生のまま冷凍した場合の解凍方法

生のまま冷凍したブロッコリーは、凍ったまま料理に使うことができる。炒め物などの場合は、そのままほかの材料とともに炒めよう。さらにレンジで加熱してホットサラダにするのもおすすめだ。

茹でてから冷凍した場合の解凍方法

茹でてから冷凍したブロッコリーも、生のブロッコリーと同じく凍ったまま、さまざまな料理に加えて使うことができる。茹でてあるため、サッと火を通すくらいで使えるのも便利だ。彩りとしてカレーやシチューなどに使用する場合は、最後に加えるとよいだろう。

8. 冷凍ブロッコリーを使ったアイデアおかず

冷凍ブロッコリーは、料理に彩りがほしいときなどにとても便利だ。ブロッコリーが料理に加わるだけで、見た目も食感も楽しめるワンランク上の料理になるだろう。また、冷凍ブロッコリーは離乳食にも最適である。おすすめの食べ方を紹介しよう。

ブロッコリーと海老のトマトパスタ

赤いトマトソースのパスタに緑色のブロッコリーを加えることで、彩りがよくなる。さらにブロッコリーのホクホクとした食感はパスタのアクセントになり、彩りだけでなく食感も楽しめる。

ブロッコリーのおかか和え

冷凍ブロッコリーをレンジで解凍し、醤油、かつお節を合わせるだけの簡単レシピだ。ブロッコリーは彩りもよいため、弁当のおかずとしても重宝する。簡単に作れるので、忙しい朝の弁当作りにおすすめだ。

離乳食にもおすすめ

冷凍ブロッコリーの穂先を刻んで耐熱容器に入れ、少量の水を加えて電子レンジで温めすりつぶせば、簡単に離乳食が完成する。ブロッコリーの穂先は食べやすく、離乳食に野菜を加えたいときにも重宝するのだ。

9. 冷凍ブロッコリーの栄養は?

冷凍すると、ブロッコリーの栄養価が落ちてしまわないか気になるところだ。家庭用の冷凍庫でブロッコリーを冷凍する場合は急速冷凍ができないため、栄養価が低くなることは避けられない。
しかし、市販の冷凍ブロッコリーは組織が壊れて品質が変化しないように、急速冷凍されている。そのため、栄養の損失を最小限にとどめることができるのだ。ただし、冷凍野菜は冷凍前に加熱処理される場合が多いため、生のブロッコリーと同等の栄養価を保つことは難しい。
-18℃以下をキープすることで、冷凍保存中に栄養価が落ちていってしまうことは防げるため、家庭でも冷凍庫の温度が上がらないように気を付けるとよいだろう。

10. ブロッコリーは生でも食べられる!よく洗って栄養をしっかりいただこう

ブロッコリーを生で食べると、栄養価が最も高い状態で身体に取り入れることができる。ただし、虫や汚れ、農薬などが残ったまま口に入るリスクもある。そのため、生で食べる場合はとくに念入りに洗う必要があるのだ。コリコリとした食感は、サラダのほかナムルやピクルスなど、さまざまな料理に生かせる。スムージーにしてしまえば硬さも気にならないだろう。

結論

ブロッコリーは加熱しなくても、しっかり洗えば生で食べることができる。茹でると栄養素の流出や破壊は避けられないため、栄養面を重視するなら生で食べる方法を知っておくといいだろう。鮮度のよいものを選び、ぜひブロッコリーの生食に挑戦してみよう。
(参考文献)
※1、2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※1:野菜類/ブロッコリー/花序/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06263_7
※2:野菜類/ブロッコリー/花序/ゆで
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06264_7
※3、4、5出典:厚生労働省e-ヘルスネット
※3:抗酸化ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
※4:食物繊維の必要性と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
※5:カリウム
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
※6出典:農林水産省aff21年7月号「おいしさの秘密を探る! 冷凍食品豆知識と製造工場レポート」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2107/spe1_01.html
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  • 公開日:

    2020年9月21日

  • 更新日:

    2021年9月14日

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