1. 注目されるカロテノイドってどんなもの?

カロテノイドという言葉を耳にする機会は多い。健康効果があると謳われることもあるが、実際にどのような効果が期待されているのだろうか。ここではカロテノイドとはどのような成分なのか、詳しくみていきたい。
カロテノイドとは、植物性の黄色または赤色の色素のことを指している。強い抗酸化作用をもち、体内の活性酸素の発生を抑えたり除去したりするのに役立つ成分だ。カロテノイドは脂溶性で水に溶けにくいという性質が特徴である。カロテノイドといっても2種類あり、それぞれ次のような働きをもつ。
カロテン類
β-カロテン、リコピンが分類される。β-カロテンは体内でビタミンAに変わるプロビタミンAであり、リコピンはトマトに多く含まれる有効成分として有名だ。
キサントフィル類
黄色の天然色素であるルテインや、強い抗酸化力をもつ赤い色素のアスタキサンチンが挙げられる。アスタキサンチンは美容面でも効果が期待されており、化粧品への利用も目立つ。
カロテンとキサントフィルの違いは構造にある。カロテンは炭素と水素のみからできているものであり、それ以外のものを含むカロテノイドはキサントフィルに分類される。どちらも共通して抗酸化作用という働きをもつため、役割的には大きな違いはない。
2. カロテンとキサントフィルがそれぞれ含まれる食品はなに?

カロテノイドはカロテンとキサントフィルに分けられているが、これらはさらに細かく分類できる。また、含まれる食品も異なるため、どのような食品にどのカロテノイドが含まれているのかを知ることは健康づくりに役立つかもしれない。
カロテン
カロテンは4つのカロテンとリコピンに分けられる。もっとも有名なカロテンはβ-カロテンであり、にんじんやカボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれる。とくにβ-カロテンは、身体のなかに入ると効率的にビタミンAに変換される。
リコピンはトマトや柿、グミの実に多く含まれる。カロテノイドの中でも抗酸化力が強く、抗酸化作用をもつビタミンEの100倍ともいわれている。脂溶性のため油と一緒に摂るとよく、イタリア料理のオリーブオイルを使ったトマト料理などは理に適った健康的な料理だといえるだろう。
キサントフィル
キサントフィルにはルテイン、アスタキサンチンのほかにゼアキサンチン、β-クリプトキサンチン、カンタキサンチンなどの種類がある。ルテインは卵黄や緑黄色野菜、アスタキサンチンはカニやエビの甲羅に多く含まれる。
β-クリプトキサンチンはみかんやオレンジに多く含まれるカロテノイドだ。ゼアキサンチンはほうれん草やマンゴー、とうもとこしなどに含まれ、カンタキサンチンは甲殻類や魚類などから検出される。
カロテノイドといっても2種類のものが存在し、それぞれが多く含まれる食品は異なっている。どれも抗酸化作用をもつのがカロテノイドの特徴であるが、その強さには差が見られるようだ。強い抗酸化力を求めるのであれば、トマトに含まれるリコピンや、鮭に含まれるアスタキサンチンを意識して選んでみるとよいだろう。
3. カロテノイドの上手なとり入れ方

カロテノイドに最も期待される効果は抗酸化作用である。抗酸化作用とは、老化などの原因となる「活性酸素」の発生を抑えたり除去したりする働きのこと。抗酸化作用をもつ成分はほかにもあるが、カロテノイドはその中の1つとして知られる。残念ながらカロテノイド全体のとり方についての効果的な方法は述べられていることが少なく、β-カロテンに関してはとり方のコツについて紹介されているものが多い。
まず、β-カロテンは生の大きな固体状で食べるよりも、加熱をする、小さく刻むことで吸収されやすくなるとの報告がある。同じ量を摂取していても身体に吸収されなくては意味がなく、吸収されやすい形でとり入れることが重要だ。また、トマトに多く含まれるリコピンは、朝に吸収率が高いことが報告されている。どのくらい摂るか、なにから摂るかだけではなく、いつ摂るかというタイミングについても重要だといわれているのだ。β-カロテンやリコピンを摂取するときには是非参考にしてみてほしい。
結論
カロテノイドは赤や黄色の色素のことを指し、緑黄色野菜に多く含まれている。構造の違いによってカロテンとキサントフィルに分けられるが、抗酸化作用をもつという点では共通している。リコピンやアスタキサンチンなど、強い抗酸化作用が期待されているカロテノイドを効率よくとり入れて、健康づくりに活かしていこう。
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