1. 国産レモンの特徴

レモンは、果物のなかでも輸入品が多いことで知られている。2016年度の農林水産省の統計によると、その年に輸入されたレモンは、およそ49,290トン。対して、国内におけるレモンの収穫は8,389トン。流通しているレモンのうち、およそ83%が輸入であることがわかる。輸入先は、アメリカとチリがそのほとんどを占めている。国産レモンは各地で収穫されているが、広島県がダントツで多く、全体の62%程度を占めている。次いで、愛媛、和歌山などが多い。
国産レモンと輸入レモンの違い
輸入レモンは、防カビ剤の問題がよく取り沙汰される。これは、収穫後に散布されるポストハーベスト農薬の1種。長い間、船便で運搬される作物に用いられることが多く、通常畑で散布される農薬よりも濃度が非常に高いこと、そして残留農薬の面から危険視されている。特に注意したいのは、直接散布される皮の部分。水洗いではもちろん、野菜用の洗剤を使用したとしても、すべてを除去するのは難しいと考えられている。日本では、ポストハーベスト農薬は禁止されているので、国産レモンにおいてはその危険性はない。ただこれはすなわち農薬不使用ということではないので、これからご紹介するレモンカードやレモンオイルのように、皮を使用する料理には、無農薬の国産レモンを選ぶことをおすすめする。
2. 国産レモンで作りたいレモンカード

レモンカードとは、言わばレモン味のカスタードクリームのようなもの。レモンタルトの中身とも言い換えることができる。レモンの皮と果汁に、たっぷりのバターと卵、砂糖を使って作るので、無農薬で作られた安全な国産レモンが手に入った際に、ぜひトライしてもらいたいレシピなのだ。
レモンカードの作り方
およそレモン1個で1瓶と考えて、量を調節するとよい。用意するのはレモンのほか、バター・卵・砂糖。レモンは皮を削り、果汁を絞っておく。ちなみに皮の白い部分は苦味が強いので、外側の黄色い部分のみを削ること。チーズおろしを使ってもよいだろう。こした溶き卵と、ほかのすべての材料を入れて、湯せんにかけながら溶かしていくだけ。とろみがついたら完成だ。湯煎の温度は、だいたい80度くらい。できあがったら冷まして、煮沸した清潔な瓶に詰めて保存しよう。
レモンカードの使い方
レモンカードは、普通のジャムの感覚で使えばOK。パンやヨーグルトにトッピングするとよい。我が家では、白カビチーズなどに合わせて食べることも多い。もちろん、これをベースにケーキなどにアレンジしてもよいだろう。
3. 国産レモンで作りたいレモンオイル

レモンオイルは、レモンの風味をうつしたオリーブオイルのこと。使うのは国産レモンの皮だけなので、別の料理に果汁を使った場合にもぴったりだ。国産レモンは、輸入レモンに比べて割高。レモンオイルを作って、余すことなく使い切ろう。
レモンオイルの作り方
まずは国産レモンの皮を、ナイフなどで削ぎ落とす。皮はそのまま使うのではなく、少々乾かす、または天日干しにするとよいだろう。これを、エキストバージンオリーブオイルに漬けるだけで完成だ。こちらもレモンカード同様、清潔な瓶に入れること。皮は1週間ほどで取り出すと、苦くならない。
レモンオイルの使い方
レモンオイルの使い方として、おすすめはドレッシング。少々の砂糖と塩、胡椒を混ぜ合わせれば、爽やかな香りが漂うドレッシングが完成する。カルパッチョや、フルーツを加えたサラダと相性がよい。また、バスタのベース、ソテーオイルに使ってもよいだろう。
結論
近頃では輸入レモンだけでなく、国産レモンを置くスーパーや食料品店も増えてきている。今回紹介したレモンカードやレモンオイル以外にも、塩レモンやレモネードなどは、ぜひ輸入レモンではなく、安心な無農薬の国産レモンを使って作ろう。皮まで余すことなく使い切れば、少々値段が高いことも気にならないはず。
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