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【わらびの保存方法】塩漬け・冷凍・乾燥から保存食まで伝授

【わらびの保存方法】塩漬け・冷凍・乾燥から保存食まで伝授

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2021年7月29日

春の山菜の代表であるわらび。期間限定の美味だけに、正しい保存方法で美味しく食べきりたい食材である。わらびの保存法には、冷蔵や冷凍だけではなく塩漬けや乾燥といったやり方も存在する。本記事では、わらびのさまざまな保存方法について詳しく紹介する。

  

1. わらびの保存方法:塩漬け

わらびは時間が経つにつれて段々硬くなってしまうため、どんな保存方法をとったとしてもなるべく早く処理することをおすすめしたい。わらびの保存の仕方の1つ、塩漬けについてここでは触れていく。

わらびの塩漬け保存方法

入手したわらびはまず、重曹とともに沸騰した湯に入れてアク抜きをすることからはじめる。わらびを塩漬けするには、清潔な容器に十分な量の塩とわらびを交互に敷き詰めればいい。一番上が塩になるように敷き詰めてその上に重石を置き、1日経って余分な水分が出ていることを確認したら、重石の重さを軽くする。ここで注意したいことは塩の量が少なすぎないようにすることと、塩漬けしているわらびから茶色の水分が出てきた場合は水を捨てることだ。塩漬けしたわらびは、1年ほどもつ。

塩抜き方法と調理例

塩漬けわらびを使う時には塩抜きを行おう。鍋に塩漬けのわらびと水を入れて火にかけ、沸騰する前に火を止めてわらびを裏返し、冷めるまで待つ。わらびに塩気が残っている場合は、何度か水を入れ替えて塩を抜くだけで完成する。火にかけるのは1回だけのため手軽だ。処理後のわらびはアク抜きも必要なく、煮物やナムルにさっと加えることができる。

2. わらびの保存方法:冷凍

わらびは、ふきやたけのこと同じく春に採れる山菜だ。常温保存は適さず、鮮度が落ちるのが非常に早い。冷蔵庫で保存すると1週間程度日持ちするが、冷凍保存することでさらに長く保存することができる。大量に採れたときなど、急いで消費しなくてもよいのでおすすめだ。また、わらびはアクが強く、毒性があるため(※1)、アク抜きをしてえぐみを取り、有害物質を取り除く必要がある。アク抜きをしてから冷凍することで、調理の際にアク抜きの手間を省くメリットもある。

わらびのアク抜きや冷凍方法

わらびは採ってしばらくするとどんどん身が硬くなるため、アク抜きなどの下処理をしてから冷凍する必要がある。まず、容器にわらびを平らになるように並べ、重曹をふりかける。そこに、全体が浸かるように熱湯を注ぐ。わらび全体が浸かるように重しをして、半日から一晩置くと、アクが出て水が茶色になる。水が透明になるまで流水で洗えば、アク抜きの完成だ。調理のとき便利なように、好みのサイズにカットして保存しよう。冷凍するときは、水などに浸けて保存する方法と、水をきって保存する方法がある。水の代わりに、出汁やめんつゆに浸けて保存すれば、味付けも兼ねることができる。

冷凍わらびの賞味期限

アク抜きして冷凍したわらびは、冷凍庫で2~3ヶ月ほど保存できる。わらびは鮮度が落ちると硬くなるため、生の状態では日持ちしない。すぐに使わない場合でも、採ったその日にアク抜きをして、保存や調理をすることがポイントだ。

冷凍保存したわらびの解凍方法と使い方

冷凍保存したわらびは、冷凍のまま加熱調理することをおすすめする。わらびは解凍すると柔らかくなるため、くたりとした食感が気にならない汁物や煮物に活用するとよい。出汁やめんつゆと一緒に保存したわらびなら、そのまま鍋に入れて調理しても、煮汁が薄まることがなく、わらびにもしっかりと味が付いているので調理しやすい。
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3. わらびの保存方法:乾燥

あまりメジャーではないかもしれないが、わらびを乾燥させて保存するという方法もある。原始的な方法ではあるが、わらびをより長く自然な形で保存するという点においてヘルシーである。わらびの乾燥を自宅で行う場合の手順を見てみよう。

わらびの乾燥保存法

わらびの乾燥の仕方はこうである。まずは沸いたお湯に重曹を入れ、火を止めたあとの鍋にわらびを1時間~半日ほど浸けて置きアク抜きをしておこう。処理後のわらびをザルなどに広げ、天日干しにする。その際に完全にわらびの水分を乾燥させるようにすることが重要だ。完全に乾燥させたわらびは、湿気を避けて保存容器や袋に入れておくことで1年ほどもつ。

乾燥わらびの戻し方

乾燥したわらびを戻す際には水に浸けるだけでも構わないが、さらに茹でて火を通すと食感がよくなるのでおすすめしたい。戻したわらびは、煮物などにするとその滋味を堪能できるだろう。

4. わらびの保存方法:保存食

古来保存食として日本で食されてきたわらび。少し濃いめの味付けをして、保存食として楽しむのも乙かもしれない。白いごはんに合う一品になり、弁当の一隅に入れるのにも便利である。わらびを保存食として食べるための方法を見てみよう。

めんつゆや醤油に漬けてわらびを保存

わらびは鮮度が落ちるのが早い食材だ。できるだけ早くわらびのアク抜きをし、下味を付けたり、保存食として調理を行っておいたりすると長く楽しめるのでおすすめしたい。出汁やめんつゆと一緒に保存したわらびなら、そのまま鍋に入れて調理しても、煮汁が薄まることがなく、わらびにもしっかりと味が付いているので調理しやすい。また、醤油や昆布を使って醤油漬けにしても応用がきく。混ぜごはんに入れたりたたきにするなど、献立の一助となるだろう。

佃煮にしてわらびを保存

わらびの保存食としては王道ともいえるのが佃煮である。アク抜きの処理を行ったわらびを好みの大きさに切り、2:2:1の割合の醤油、みりん、酒とともに水分がほぼなくなるまで煮たら完成だ。味の濃い佃煮は、冷蔵しておけば1ヶ月ほどもつ。

5. わらびの保存方法:水煮

わらびを入手して短期間で消費するという場合には、冷蔵保存が向いている。また、瓶に詰めて水煮で保存するという方法も有効である。鮮度や美味を保持しつつわらびを美味しく食べきるにはどうしたらよいか。冷蔵や水煮で正しく保存する方法を見てみよう。

冷蔵庫でわらびを保存

アク抜き処理を行ったわらびを冷蔵庫内で保存するときには、できるだけ空気に触れさせないことが重要だ。そのためわらびを水と一緒に保存容器に入れるか、塩水に浸けてできるだけ空気を抜いた状態で保存用の袋に入れておくといい。いずれも水をこまめに入れ替えることで1週間ほどもつが、できるだけ早いうちに使うようにしよう。

瓶詰めでわらびを保存

水煮にして瓶詰にしておくと、わらびは保存が可能である。アク抜きしたわらびを、煮沸した瓶に入れてひたひたの水に浸ける。軽くふたをし、瓶ごと湯煎するのである。30分ほど火を通したのち、しっかりとふたをしてさらに30分湯煎し、ふたの部分を下にして置き、冷めたら冷暗所で保存する。数ヶ月単位での保存が可能となる。開封した場合は1週間以内に食べきろう。

6. 保存したわらびの美味しい食べ方例

正しく保存をした美味しいわらびを使って、どんな料理が楽しめるだろうか。手間をかけずに山菜の風味を加えて、バリエーション豊かに楽しんでみてほしい。

わらびの煮物

鍋に油を熱し、わらびを投入する。そこに、糸こんにゃく、千切りにした人参と油揚げを加える。出汁と醤油、酒、砂糖を入れ、煮汁がなくなるまで煮含めたら完成だ。常備菜としておかずや弁当に重宝する。具材をちくわや厚揚げに替えても美味しいので、試してほしい。

わらびそば

鍋に沸かしためんつゆにわらびを加え、ひと煮立ちさせる。そばは、表示通りに茹でて湯をきり、ザルにあげて水気をきる。そばを器に盛り、めんつゆとわらびをかければ完成だ。夏は、めんつゆを冷やし、ザルにあげたそばを氷水で冷やしておけば、冷やしそばとしてさっぱりと食べられる。なめこやねぎなどを加えて食べてもよい。

わらびとたけのこの炊き込みごはん

炊飯器に米を入れ、出汁と塩を加える。わらびと人参やたけのこなどの具材を投入する。そのまま炊飯器で炊けば完成だ。具材に肉を足したり、最後におかかをふりかけたりしても、また違った風味が味わえるのでおすすめだ。

結論

春の喜びを伝えてくれる山菜わらび。その味わいは、どこか懐かしさを感じさせてくれる。本来ならばわらびは鮮度が落ちないうちに食べてしまうのが一番だが、うまく保存すれば日々の料理に簡単に季節感を添えられるようになるためおすすめだ。わらびを大量に手に入れたらぜひ家族で一緒に楽しみながら試してみてほしい。
(参考文献)
※1 公益社団法人大阪府獣医師会 動物豆知識
https://www.osakafuju.or.jp/knowledge/illness_poisning_poisning.html
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  • 公開日:

    2021年3月22日

  • 更新日:

    2021年7月29日

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