1. 寿司の人気ネタ・コハダの旬の時期はいつ?
古くは江戸時代から現代まで、光りもの寿司ネタとして愛され続けているコハダだが、その旬がいつで、水揚げされる産地はどこなのかなど、知っておきたいポイントを説明しよう。
コハダは、7~10cm程度の大きさのものを指し、旬は8~9月の夏から初秋とされている。産地は、九州地方の有明海や、中四国地方の瀬戸内周辺、愛知県の三河湾、三重県の伊勢湾、静岡県の駿河湾などが有名だ。コハダは、内湾や汽水域(海水と淡水が混ざっているところ)などに生息している。一般の人も堤防からさびき釣りで、楽しむことができる身近な魚である。コハダが旬の時期に、親子で一緒に釣りを楽しむのもよいだろう。
2. コハダは出世魚!コノシロやシンコの旬の違い
成長するごとに名前が変わる出世魚として知られているコハダだが、ここでは、呼び名が変わる基準や、それぞれの旬について説明しよう。
シンコ
コハダよりも小さな5cm程度の大きさのものをシンコといい、旬は6~8月だ。漢字で、新しい子と書いて「新子(シンコ)」と読む。コハダよりも皮や身が柔らかく美味しいうえに旬が短いことから、高値で取引されている。
コハダ
コハダは、7~10cm程度の大きさのものを指し、旬は8~9月頃。少し小骨が増えてくるが、旨みがつよく寿司ネタとして重宝される。
ナカズミ
コハダからコノシロの大きさになる間の時期にとれるのがナカズミだ。大きさは13cm程度のものを指す。小骨がさらに増えてきて、市場での価格も下がりはじめてしまう。
コノシロ
コノシロは、15cm以上に成長した成魚のことをいう。通年水揚げされているが、11~2月はあぶらがのっており旬を迎える。小骨が増えて皮が固くなり、価格も一番安価になるが、旨みは増しているので、焼き魚や煮付けにして食べるのがおすすめだ。
出世魚であるにもかかわらず、大きくなるごとに価格が安くなるとは意外だったのではないだろうか。水揚げされたときの魚の大きさによって味わいが違うので、それぞれの旬で食べ比べるのも面白そうだ。
3. 旬のコハダの美味しい食べ方
せっかく旬のコハダを食べるなら、鮮度がよく美味しいものを選びたいものだ。コハダを選ぶときは、全体が銀色で光っていて、身に張りがあり触ると固いものがよい。また目が黒々としていて赤くなっていないのも、鮮度がよい証拠だ。コハダが旬の時期に手に入れば、酢で締めて寿司にするのもよいが、ほかにもおすすめの食べ方があるので紹介しよう。
コハダの粟漬け
正月のおせち料理のひとつである粟漬けの作り方を説明しよう。まず、鍋にクチナシの実と水を入れ、黄色い煮汁を作る。しばらく水につけた粟をザルにあげ、先ほどの煮汁と塩を加えて炊こう。粟が黄色くもっちりと炊き上がったら粗熱を取り、輪切りにしたトウガラシを混ぜ合わせる。コハダは、開きか3枚におろして甘酢に漬け、トウガラシを入れた粟をまんべんなくまぶして漬け込めば完成だ。
コハダの唐揚げ
生のコハダだと子どもがあまり食べないという場合には、唐揚げがおすすめである。まずコハダは、鱗と内臓を取りキレイに洗い3枚におろす。小骨を切るため、身の部分に細かく切れ込みを入れよう。ボウルにしょう油・酒・砂糖・すりおろした生姜とにんにくを入れてよく混ぜ、コハダを加えよくもみ込んで漬ける。コハダに味がしみれば、水分をキッチンペーパーでふき取る。小麦粉をまぶしたあとに油で揚げれば、コハダの唐揚げのできあがりだ。旬のコハダに出合ったときには、ぜひ手に入れて料理にチャレンジしてみてほしい。
結論
今回は、旬や産地に食べ方など、コハダの魅力について説明してきたが、興味をもっていただけたのではないだろうか。出世魚なのに大きくなるほど価格が手ごろになるという、なんとも憎めない魚である。普段コハダをあまり食べないという人も、コハダの寿司や酢漬けなどはスーパーで手軽に購入することができるので、今晩の一品に加えてみてほしい。
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