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コハダとは?コノシロの出世魚の基本やコハダの特徴・栄養価を紹介!

コハダとは?コノシロの出世魚の基本やコハダの特徴・栄養価を紹介!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年4月28日

江戸前寿司には欠かすことのできない「コハダ」。そんなコハダとコノシロが同じ魚であることはご存じだろうか。今回はコハダとコノシロの関係や新鮮なコハダの選び方、コハダを美味しく食べる方法などを紹介する。漁獲時期が短いため普段見かけることは少ないが、見つけたときに美味しく調理できるようになっておこう。

  

1. コハダとは?

コハダ(小鰭)とは、ニシン科コノシロ属の魚で、コノシロの若魚(7~10cm程度のもの)を指す。コノシロはいわゆる「出世魚」で、成長具合に応じてシンコ、コハダ、ナカズミ、コノシロ(成魚)の順に名前が変わる。コノシロは4~6月頃に産卵を迎え、コハダになるのは9月頃。それを過ぎるとナカズミ(12~14cm程度のもの)になってしまう。主な産地には静岡県の浜名湖などがある。

コノシロとは?

コノシロ(鰶)とはニシン科コノシロ属に区分されている、全長25cm程度の魚である。体形は左右に平たい側扁形であり、背部に青色の黒点がキレイに並んでいるのが特徴だ。一般的に20cm以上を超えたものは安価に取引されているが、コハダにはない「うま味」を楽しむことができる。また、コノシロは寿司ネタの代表的な光りものであるほか、塩焼き、煮付け、揚げ物などにしても美味しい。

2. コハダ(コノシロ)の栄養価

コハダはたんぱく質、ビタミンB2・B12・D、ミネラル類が多いとされている。しかし、コハダの栄養価は文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」に掲載されていない。そこで成魚であるコノシロ(生)の100gあたりの栄養価を見つつ、コハダの栄養面の特徴を確認しよう(※1)。

コノシロ100gあたりの栄養価

  • エネルギー:160kcal
  • たんぱく質:19.0g
  • 脂質:8.3g
  • 炭水化物:0.4g
  • 脂肪酸
     ・飽和脂肪酸:2.29g
     ・一価不飽和脂肪酸:2.51g
     ・多価不飽和脂肪酸:1.95g
  • ビタミン
     ・ビタミンD:9.0μg
     ・ビタミンE:2.5mg
     ・ビタミンB2:0.17mg
     ・ナイアシン:2.1mg
     ・ビタミンB12:10.2mg
     ・葉酸:8μg
  • ミネラル
     ・ナトリウム:160mg
     ・カリウム:370mg
     ・カルシウム:190mg
     ・マグネシウム:27mg
     ・リン:230mg
     ・鉄:1.3mg
     ・亜鉛:0.7mg
     ・銅:0.16mg

3. 美味しくて新鮮なコハダの選び方

コハダは寿司屋で多く扱われているイメージがあるが、普通のスーパーや魚屋さんなどに並ぶこともある。美味しいコハダを見分けるポイントは「目の色」と「腹の色」にあり、それぞれ銀色に輝いているものを選ぶのがよい。鮮度が落ちてくると目が赤色になったり、腹が黒ずんできたりする。目や腹の色を見てできるだけ新鮮で美味しいコハダを選ぶようにしよう。

4. コハダの美味しい食べ方3選

コハダは寿司にしても美味しいが、家庭で食べるなら酢じめ、粟漬け、天ぷら、塩焼き、味噌焼きなどにするのもおすすめだ。ここでは人気の酢じめ・粟漬け・天ぷらの3つを紹介する。

食べ方1.コハダの酢じめ

コハダ本来のうま味を思いっきり楽しみたいなら、酢じめがおすすめだ。さばいたコハダに塩をふってから、酢に30分程度漬け込む。その後、一口大にカットすれば「コハダの酢じめ」が完成する。あまり長く漬け込みすぎると身が硬くなってしまうので、時間を調整しながら行うのがポイントだ。

食べ方2.コハダの粟漬け

おせち料理としても有名なコハダの粟漬け。酢じめにしたコハダに、炊き上げて冷ました粟をまんべんなくまぶしていき、2~3日程度置いておくというもの。これでコハダの粟漬けが完成する。上品な見た目とさっぱりとした味付けがよくて、コハダをおいしく食べることができる。

食べ方3.コハダの天ぷら

カラッと揚げたコハダの天ぷらも非常に美味しい。さばいたコハダを一口大に切っておき、衣をつけて揚げれば絶品天ぷらの完成だ。特に、コハダのふっくらした身と衣のサクサク感の相性が非常によい。塩や天つゆにつけて食べるのがおすすめだ。

5. コハダのよくある疑問を解説!

ここまでコハダの基本について説明してきたが、まだ疑問に思っていることもあるだろう。そこでここではコハダに関するよくある疑問・質問について回答しておく。

Q1.成長するにつれて価値が下がる?

多くの出世魚は成長するにつれて価値が上がっていくが、コハダ(コノシロ)は若魚のほうが価値は高い。7~8月頃に出回るシンコがもっとも価値が高く、静岡県・浜名湖産(舞阪産)の初物になると1kgあたり数万円の値段が付くこともあるそうだ。その次にコハダが高く、ナカズミになると値段はかなり落ち着き、コノシロになると非常に安い値段で取引されている。

Q2.成長するにつれて食感が悪くなる?

成魚のコノシロよりも若魚のシンコやコハダの値段が高い理由には、その美味しさも関係している。シンコの頃は皮が柔らかく、身がふっくらしており、その味は絶品といわれている。しかし、コノシロサイズになると皮は硬くなり、小骨も多くなってしまうそうだ。ただし、成魚のほうがコノシロ本来のうま味は増すため、寿司以外の酢漬け・焼き魚・煮つけなどにすると美味しく食べられる。

Q3.コハダと江戸前寿司の関係とは?

コハダは、寿司ネタとしては「光りもの」で有名だ。皮が青光りする魚のことを光りものと呼ぶのだが、中でもコハダは「光りものの中の光りもの」と評価されるほどである。それゆえ江戸前の寿司屋では威厳をかけて初物のコハダを競り落とすそうだ。特にコハダよりも一回り小さいシンコは、さばいたり酢加減が大変だったりするため、江戸前の職人たちの腕の見せ所だといわれている。

Q4.コノシロとコハダの名前の由来は何?

コノシロは古くは「都奈之(ツナシ)」と呼ばれていた。しかし、大量に獲れることからご飯の代わりになるとして「飯代魚(コノシロ)」になったとされている。また、祭りでも多く食べられることから「鰶」という漢字も使われるようになったという。一方、コハダの名前の由来は諸説あるが、子どもの肌から「小肌(コハダ)」「小鰭(コハダ)」になったといわれている。

結論

コハダといえば寿司ネタとして有名だが、実は酢じめや天ぷら、塩焼きなどにしても美味しく食べることができる。地域によってはあまり出回らないこともあるが、もし見つけたらぜひ購入してみるといいだろう。また、成魚であるコノシロもうま味が詰まっており非常に美味しい。塩焼きや煮付けなどにして、コノシロ本来の味を楽しむといいだろう。
【参考文献】
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  • 公開日:

    2019年6月 5日

  • 更新日:

    2021年4月28日

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