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刺身のつまの意味や種類って知ってる?リメイクや作り方も伝授!

刺身のつまの意味や種類って知ってる?リメイクや作り方も伝授!

投稿者:ライター 佐々木このみ(ささきこのみ)

監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

鉛筆アイコン 2021年8月27日

スーパーや鮮魚店などで刺身を買うと、必ずといっていいほど大根で作られたつまが添えてある。真っ白で刺身の見た目を引き立てるつまだが、実は刺身とともに盛られる理由があるのだ。つまと刺身がセットで盛り付けられる理由やつまの種類、リメイクや切り方を紹介する。

  

1. 刺身のつまの「つま」の意味や由来

刺身に当然のように添えられているつまだが、そもそもどのような意味があるのだろうか。まずは、発祥や語源などを含め、つまの由来について探ってみよう。

刺身のつまとは

刺身に添えられた大根の千切りなどが、一般的につまと呼ばれている。しかし、本来の名称はつまではなく「あしらい」というのだ。あしらいには「取り合わせ」という意味があり、料理を引き立たせる目的で添えられるものの総称である。刺身のつまはあしらいの一種なのだ。生魚を食べる文化は古くからあったが、つまなどのあしらいを添えて刺身を食べるようになったのは、江戸時代中期以降、醤油が普及するようになってからという。切り身の食べ方が進化し、刺身や造りの盛り付け方が変わったことで、あしらいが添えられるようになったそうだ。

刺身のつまの語源

「つま」の語源には2種類の説がある。漢字で表すと、ひとつめは「妻」、もうひとつは「褄」だ。妻はご存知の通り「奥さん」のこと。主役となる刺身を支える脇役となるものを表す。国語辞典によると、もともと妻という言葉には「主となるものに添えるもの」という意味がある。男女平等の世界において「主役=夫」という方式には問題がありそうだが、「主役を輝かせる影の主役」というわけだ。ふたつめの褄は、「端」を意味する言葉である。料理(刺身)の端に置かれることから褄と呼ばれるようになったという説だ。

2. 刺身のつまをリメイクして美味しく食べる方法

刺身のつまを食べきれず、いつも廃棄してしまうという人や、もったいないから無理やり食べているという人もいるのではないだろうか。刺身と一緒に食べきるのが理想的だが、実際は量も多くなかなか難しいところだ。そこで、余ってしまった刺身のつまを料理にリメイクしてはいかがだろう。料理に活用すればさまざまな食べ方ができるため、最後まで美味しく食べきれる。ここからは、刺身のつま(大根)を使ったリメイクについて紹介する。

サラダにアレンジして再利用

鮮度のよいつまなら、サラダにリメイクするのがおすすめだ。まずはつまを水洗いして、魚臭さを取り除こう。ほかの野菜や好みの食材と組み合わせ、ドレッシングで和えるだけで美味しく食べられる。刺身が残っていれば海鮮サラダにしても美味しい。もちろん、つまだけを使い海苔やごま、和風ドレッシングで大根サラダに仕上げてもよいだろう。

味噌汁などほかの料理にリメイク

サラダ以外にも、刺身のつまはさまざまな料理に使える。味噌汁の具材やナムルをはじめ、一日干してから切り干し大根の煮物に使うのもおすすめだ。また、短く切ったつまと片栗粉、塩こしょうを混ぜ合わせたものをフライパンで焼けば大根餅ができる。素揚げしてチップスにしてもよいだろう。生のままと加熱したものとでは食感も味も変わるため、意外とリメイクによってさまざまな食べ方を楽しむことができるのだ。

3. 見た目だけじゃない!刺身のつまの役割とは

では、なぜ刺身にはつまが添えられるのだろうか。もちろん、刺身を美味しそうに見せる効果もある。また、トレーにちょこっと盛られた小さな刺身をボリューミーに見せる効果もある。「500円でこの量か...」と思わせないためのスーパーの策略だ。しかし、本来は食中毒を防ぐ、口の中をスッキリとリセットするなどさまざまな効果がある。

殺菌や防腐が目的だった

冷蔵・冷凍技術の向上した現在では食中毒の心配はそれほどないが、昔は殺菌効果のためにつまを添えたといわれている。大根は殺菌作用の強い野菜なのだ。また、刺身の味を口から消し、次の料理を美味しく食べるためにもつまは効果的である。刺身から出る水分を吸収し、刺身がベトベトになることも防ぐ。目立たないつまだが、実はいろいろな働きをしているのだ。つまを食べない派も多いが、刺身につまが添えられる理由を知れば食べたくなるのではないだろうか。

栄養バランスもよくなる

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(※1)によると、刺身のつま(大根)100g当たりに含まれる栄養素は、水分が94.6gとほとんどを占める。残り5.4gのうち4.1gが炭水化物で、そのうち1.3gが食物繊維だ。たんぱく質は0.4g、脂質は0.1gといずれも微量で、残りは0.6gのミネラルと微量のビタミン類でできている。約95%が水分でできているためカロリーも100g当たり15kcalしかない。
一方、刺身のカロリーは魚によっても異なるが、脂の乗っているまぐろの大トロ(くろまぐろ脂身、※2)の場合、100g当たり308kcalである。主要な栄養素に関してはたんぱく質が20.1gと多いが、脂質は27.5gも含む。このような脂質の多い刺身を食べるときは、とくにつまを合わせることでカロリーや脂質の摂り過ぎを抑えたいところだ。また、大根にはジアスターゼという酵素が含まれ、胸やけや胃もたれを防ぐ効果が期待できる(※3)。食べ合わせの面でも、刺身につまが添えられているのは合理的なのである。

4. 大根だけじゃない!さまざまな刺身のつまの種類

つまが単なる飾りではないことがわかった。では、ここからはつまの種類について解説する。「つまの種類?」と思った人も多いだろう。そう、「つま=大根を細長く切ったもの」ではないのだ。大根などの野菜だけでなく、紫や赤い色をした海藻のようなものや花が添えられているのを見たことがあるのではないだろうか。「そういえば、緑のやつもあったな」と思い出す人もいるかもしれない。つまとは「つま・けん・辛み(からみ)」の総称で、元々はあしらいの一種として各名称で呼ばれていたが、近年区別がなくなり総じてつまと呼ばれている。それぞれ代表的なものを見ていこう。

つま

つまは、本来刺身の横に添えられるものの総称で、ミョウガや大葉などの野菜類や、ワカメなどの海藻類を指す。現在は大根がつまと呼ばれているが、刺身の下に敷き詰められている大根の細切りは元々は「敷きづま」という名称だった。つまと呼ばれるあしらいには、次のようなものがある。
  • ワカメ
  • イギス
  • ミョウガ
  • 浜防風
  • 大根
  • 大葉
  • 人参
  • 菊の花
  • きゅうり

けん

つまのなかでも、千切りなど細く尖った形状のものが立てた状態で添えられている場合、けん(剣)と呼ばれる。大根の細切りが刺身の下に敷かれている場合はつまだが、刺身の横に立てて添えられている場合はけんというように、呼び名が変わるのだ。つまり、上記のつまに分類されているほかの野菜でも、立てて添えられていればけんということになる。
  • 大根
  • ミョウガ
  • 人参
  • きゅうり

辛み

刺身の美味しさを引き立てるために添えられている、ピリッとした辛みのある香り物の食材を指す。
  • わさび
  • しょうが

5. コツを覚えて簡単!刺身のつまの作り方

では、最後につまの切り方を紹介しよう。先に「つまとは大根の細切りのみを指すわけではない」と述べたが、ここでは大根のつまの切り方を説明する。桂むきが得意であれば、特別難しい工程はなくすんなりとつまを切ることができるだろう。使用する包丁は、薄刃包丁が望ましい。

大根の切り方や透明にするコツ

  • 大根を切る(皮をむきやすい長さに、上下を平行に切ること)
  • 皮をむく(全体が同じ太さになるように、厚めにむく)
  • 桂むきをする(包丁の刃を大根の中心に当て、刃を滑らせながら薄くむいていく。向こう側が透けて見えるくらいの薄さが理想)
  • 細切りにする(千切りよりもさらに細く)
  • しばらく水につける
シャキシャキ感のあるつまに仕上げたい場合には、切り終えたら冷水をたっぷり入れたボウルにつまを入れ、もむように洗う。水を替えて何度も繰り返し洗って1時間ほど水につけておくと、透き通るようなキレイなつまができあがる。人参やきゅうりのつまを作りたい場合にも、同じ方法でOKだ。

スライサーを使った刺身のつまの作り方

さらに、簡単につまを作りたい場合におすすめなのが、スライサーを使った方法だ。皮を厚めにむいた大根の断面をスライサーに当ててスライスしていく。その後、薄切りになった大根を重ねて包丁で端から細切りにしていけばよい。
また、桂むきが苦手な場合には、大根の皮をむき、ピーラーを使ってスライスしてから細切りするという方法もある。通常は大根の繊維に沿ってスライスするが、スライサーを使う方法と同様に、繊維を断つ方向にスライスするとつまを長くすることができる。

結論

刺身に添えられるつまの役割と種類、そしてリメイクや上手な作り方のコツについて解説してきた。刺身を食べる際には、つまの存在意義も少し意識してみるとよいだろう。つまとともに味わうことで、刺身の美味しさがより一層引き立つはずだ。
(参考文献)
※1出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」野菜類/(だいこん類)/だいこん/根/皮なし/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06134_7
※2出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」魚介類/<魚類>/(まぐろ類)/くろまぐろ/天然/脂身/生
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=10_10254_7
※3出典:農林水産省「今月の園芸特産作物: 10月 だいこん」
https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201610.html
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  • 公開日:

    2017年9月10日

  • 更新日:

    2021年8月27日

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