目次
- 冷暗所
- 低湿度の場所
- 密閉容器内
- ※1:財団法人食品分析開発センター「腐敗と発酵、腐敗と食中毒はどう違うのか?」 http://www.mac.or.jp/mail/100701/02.shtml
- ※2:独立行政法人国民生活センター「電気じゃー炊飯器での保温によりご飯から腐敗臭が発生」 https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180614_3.pdf
- ※3:j-stage「好熱性細菌」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsueisei1957/21/4/21_4_130/_pdf
1. 米も腐る?状態と見分け方

スーパーでも常温に置かれている米には、安全に美味しく食べられる期限=消費期限や賞味期限が記載されていない。このことから米は腐敗しないと勘違いしている人が多いらしい。しかし、腐りにくいというだけで腐る可能性はある。ここでは米が腐る状況の見分け方について学んでいこう。
生米はカビと虫
そもそも腐敗、腐るとは微生物が増殖して、食品成分を分解し、人間に好ましくない状況になることをいう。微生物が増殖する鍵となるのが、水とある程度の温度である。(※1)米は乾燥しているので、ほとんど水分は含まれていない。この環境では微生物は増殖しにくい。このため、生の米が微生物によって腐敗する可能性は低い。ただしある環境下にあるとカビが生える、さらには虫がわく危険性がある。
生米の腐敗の見極めポイントはカビと虫なので、目視で確認できるということになる。
炊いた米は臭いから
前述の通り、水分や温度が高い炊いた米は、生の米に比べて腐敗の可能性が高い。とくに炊いた後、そのまま電気ジャーで保存した場合などは注意が必要である。実際に24時間以上保存すると異常な臭いを感じるという。異常な臭いは、微生物の増殖による可能性が高い。また腐敗が進むと色が変わることもある。
炊いた米の腐敗の見極めポイントは、臭いということになる。
2. 米が腐る原因

米は生であれ、炊いた状態であれ腐ることがわかった。ここではその原因を深掘りしていこう。
生米の場合
赤、緑、黒、灰色など、さまざまな種類のカビがあるが、どの場合においても好きなのは高温多湿な環境。とくに梅雨などはカビが生えやすい。目で見てカビが生えているときは食べるのをやめる方が無難だ。
虫も高温多湿の環境でとくにわきやすい。虫は米にわく虫として知られているのが、コクゾウムシとコクガ。前者は黒いゴマのような虫で、後者は2mmほどのウジムシで米粒を繋ぐ糸を出す。成虫は蛾である。優しく洗ったり、手で摘んだりして取り除くこともできるが、大量にわいている場合は、なかなか難しいかもしれない。
炊飯した米の場合
炊飯した米が腐る大きな要因として考えられるのが、好熱性細菌の増殖である。65~75℃が生育最高温度のため、電気ジャーの保存温度とぴったりと合致することになる。このため、電気ジャーの中に何らかの理由で好熱性細菌が存在していた場合、増殖の危険性がある。1日すると異臭、3日も経つと黄変し、完全な腐敗状態になる。(※2、3)
3. 米が腐るのを防ぐ方法

生であれ、炊いたものであれ環境が悪ければ腐る可能性のあることがわかった米。ここでは腐らないように保存する方法をご紹介していきたい。
保存方法や対策について
米は精米した瞬間から、日々水分が少しずつ抜け、劣化する。食品なのでなるべく早く食べることが美味しく食べる秘訣である。
生米の場合
お米の最適な保存環境は以下である。
保存容器に入れて野菜室に保存するのもおすすめである。
炊飯した米の場合
炊飯した米は、なるべく早く放熱して、冷凍するのがベストである。保温機能を使いがちだが、とくに梅雨から夏場は炊き上がって食べる分を取り除いたら、すぐに冷凍保存できるよう準備を進めることをおすすめしたい。
結論
米はなまものである。このため、環境が悪いと腐ったり、カビが生えたり、虫がわくなどして食べられなくなってしまう。とくに梅雨から夏場にかけては危険性が高まるので要注意だ。また炊いた米に関しては、食べない分はできる限り早く、放熱して冷凍、食べるときに電子レンジか蒸し器で温めることをおすすめしたい。
(参考文献)