目次
- ※1出典:内閣府食品安全委員会「寄生虫による食中毒にご注意ください | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する」 https://www.fsc.go.jp/sonota/kiseichu_foodpoisoning2.html
1. 生ハムは冷凍できるか?賞味期限はどう?

結論からいうと、食感や味はやや劣るが生ハムを冷凍で保存することは可能だ。開封してしまうと日持ちが1週間程度になってしまうため、生ハムを冷凍できるのはうれしいことだろう。冷凍した場合の賞味期限は、開封済みのものでおよそ3ヶ月、未開封で1年程度とされる。とはいえ乾燥しやすい食品であるため、心配な方は冷凍後2週間程度を目安にすると安心して食べられるだろう。
生ハムを素手で触ってしまうと雑菌がつきやすいため、冷凍するときはビニール手袋を使うなど衛生面に注意しよう。しかし冷凍するときに注意したものの、雑菌がついてしまったというケースも考えられる。そのため冷凍した生ハムを食べるときには、においや味が変ではないか、糸を引いていないか、水っぽくないかなどに気を付けなければならない。異変を感じたらすぐに食べることを止め、処分しよう。
2. 生ハムの冷凍保存方法

次に、生ハムを冷凍保存する方法について見ていく。
未開封ならそのまま冷凍
カルディなどで売られているような真空パックされている未開封状態の生ハムであれば、そのまま冷凍しても問題ない。よりよい保存状態にしたいと考えているなら、アルミホイルを巻くのがおすすめだ。急速に冷やせるため、より鮮度がよい状態で保存することができる。
ラップで小分けにして冷凍
開封後の生ハムを冷凍保存したい場合には、ラップで小分けにして冷凍するようにしよう。ラップで包むときには空気が入らないように注意する必要がある。冷凍庫に入れるときには、未開封のときと同様アルミホイルを巻いたうえで冷凍保存用の袋に入れると乾燥を防ぎやすい。
原木はブロックにして冷凍
コストコなどでも手に入る量の多い原木生ハムは、常温でも3ヶ月~1年程度保存できるとされる。しかし、原木から切り離した状態では味が劣化しやすいため、ブロックにして冷凍保存する必要があるのだ。開封後の生ハムと同様、ラップをしてアルミホイルを巻き、冷凍保存用の袋に入れて冷凍しよう。
3. 冷凍した生ハムの解凍方法

水っぽくなってしまうため、冷凍した生ハムをレンジで解凍したり常温解凍したりするのは避けたいところ。それでは、どのような解凍方法なら冷凍した生ハムを美味しく解凍できるのだろうか?
冷蔵庫で解凍する
生ハムの美味しさを保つためには、低温でゆっくりと解凍するのがポイント。食べるまでに時間があるのであれば、冷蔵庫に入れて数時間置いておけば冷蔵解凍できる。多少長く放置しても腐りにくいため、冷凍した生ハムの解凍におすすめの方法だ。
流水解凍する
「すぐに生ハムを使いたい」というときには、流水での解凍がよいだろう。30分程度流水に当てておけば、解凍できる。紹介したどちらの方法を使用する場合でも、未開封であればパッケージに入れたまま、小分けにしたものであれば保存袋に入れて密閉したままの状態で解凍しよう。
4. 冷凍した生ハムのおすすめの食べ方

冷凍した生ハムは、普通の生ハムと同様に食べることができる。そのまま食べておつまみにするのはもちろん、パスタやマリネに使ったり、おにぎりに巻き付けたりとアレンジも幅広い。少し加熱しても、食感や味わいが変化するのでおすすめだ。
生ハムが食卓に並ぶだけでパッと華やかになるため、冷凍した生ハムを常備しておくと重宝するだろう。冷凍の生ハムでも簡単に作れる生ハムを使用したレシピは、以下の記事で紹介している。
この記事もCheck!
5. 生ハムを冷凍したら妊娠中でも食べられる?

生ハムを含む、加熱が十分でない肉などに含まれる寄生虫を経口摂取することで起こるトキソプラズマ症。妊娠中に初めて感染してしまうと流産や早産、子どもの発育不全などを引き起こすとされる(※1)。
トキソプラズマは冷凍すると死滅するとされている(※1)ため、「冷凍した生ハムなら妊娠中でも食べられるのでは?」と考える人もいるはずだ。しかし、中心が-12℃になるまで冷凍することが寄生虫死滅に有効とされる(※1)ため、必ずその温度を下回っているという確証がない限りは口にしないのが無難といえる。
生ハムを販売するメーカーに「生ハムは妊娠中でも食べてよいか」と聞いたところ、「原材料が冷凍した肉だから妊娠中でも問題なく食べられる」「医師に相談のうえ食べるように」などの回答が得られたそうだ。メーカーによって見解はわかれているようなので、少しでも不安だと思うのであれば避けておこう。
また冷凍した生ハムは、冷凍するまでの過程で雑菌が入っている可能性もあるため、どうしても食べたい場合には焼くなど加熱処理をして食べるのが安全だ。なお、寄生虫死滅のためには55℃で5分以上加熱し、中心が67℃になる加熱が有効(※1)だとされている。
結論
生ハムは冷凍可能であることがわかった。食卓にあと1品プラスしたい、ちょっとおつまみがほしいといったときに冷凍した生ハムがあると、サッと用意できる。正しい手順で冷凍や解凍をして、生ハムを食卓に取り入れよう。
(参考文献)