目次
- ゴルゴンゾーラ:イタリアの代表的チーズで、切り口の美しさも特徴である
- ロックフォール:羊乳で作られたフランス産のチーズで、ピリッとした刺激がある
- スティルトン:イギリス産のチーズで、水分が少なくキレのある味わいをもつ
- エポワス:フランス産の有名なチーズで、「神様の足の臭い」と例えられる臭いをもつ
- マンステール:フランスとドイツの国境の谷で修道士が作り出した、なめらかなチーズ
- ポン・レヴェック:臭いは強いが、初心者でも食べやすいクセの少ない味が特徴
- モンドール:生産・販売期間が限定されたチーズで、厚めの外皮とトロリとした中身が特徴
- ヴァランセ:表面に木炭粉をまぶしたチーズで、さわやかな酸味がある
- サント・モール・ド・トゥレーヌ:個性の強い風味と、中心部に藁が通された円筒形が特徴
- プリニー・サン・ピエール:「エッフェル塔」という相性をもつチーズで、熟成するとクリーミーになる
- カマンベール:日本人にもなじみのあるフランス産のチーズで、トロリとした食感が特徴
- ブリー・ド・ムラン:塩気が強くキレのある味わいで、藁のようなクセの強い香りをもつ
- シャウルス:フランス・ブルゴーニュの修道士により作られた歴史の古いチーズ
- チーズをオーブンシートで包む
- 密閉できる容器に入れる
- 冷蔵庫で保存する
- ※1出典:独立行政法人農畜産業振興機構【トップインタビュー】いろいろな楽しみ方ができるチーズは和食にもピッタリ~11月11日はチーズの日~ https://www.alic.go.jp/koho/kikaku03_000903.html
- ※2、4出典:一般社団法人Jミルク https://www.j-milk.jp/
- ※3、5出典:一般社団法人日本乳業協会 https://www.nyukyou.jp/
1. チーズが臭いのは腐ってるから?

チーズが臭い場合、腐っているかどうか判断するには種類を確認するとよい。チーズには、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2種類がある。それぞれ製法が違うため、臭いの原因も下記のように異なる。
ナチュラルチーズが臭い場合
ナチュラルチーズは生乳を発酵させて作られたチーズである。乳酸菌による発酵と熟成が進むにつれ、臭いが強くなるのが特徴だ。コンテやチェダーなどのハードチーズはとくに強い臭いをもつ。
購入後も発酵・熟成し続けるため、時間が経過するほど独特な臭いへと変化していく。ナチュラルチーズが臭いのは発酵と熟成が原因と考えられるが、アンモニア臭がする場合などは発酵が進みすぎている可能性もある(※1)。
プロセスチーズが臭い場合
プロセスチーズとは、ナチュラルチーズに乳化剤を加えて作られたチーズだ。溶けるチーズや6pチーズ、ベビーチーズなどがプロセスチーズに分類される。ナチュラルチーズと異なり加熱処理を行うため、製造の過程で発酵は止まる。つまり、プロセスチーズが臭い原因は発酵と熟成ではないため、腐っている可能性が高いのだ(※2)。
粉チーズが臭い場合
粉チーズの製法は商品によって異なる。一般的にはパルメザンチーズ(ナチュラルチーズ)を削ったものが用いられることが多いが、加熱処理を行いプロセスチーズとして販売される製品もある。そのため、粉チーズが臭い場合は、どちらの種類なのか表記を確認することが大切だ。
2. 臭いチーズが腐っているかの判断方法

チーズが臭い場合、腐っているか判断するには臭い以外の異変をチェックするとよい。判断方法はチーズの種類によって異なる。それぞれのチェックポイントを見ていこう。
ナチュラルチーズの判断方法
ナチュラルチーズの臭いは発酵と熟成によるものがほとんどだが、鼻をつくようなアンモニア臭がしたら発酵が進みすぎているため、腐敗の可能性もある(※1、3)。臭い以外では、下記のポイントをチェックしよう。
新たなカビや色の違うカビ
カマンベールやブルーチーズなど元々カビの生えたチーズの場合、同じ種類のカビが増えているだけなら食べても問題ない。しかし、色の違うカビが生えている場合は腐敗が原因と考えられる。元々カビがなかったチーズの場合は、新たなカビの発生は腐敗と見られる。(※4)。
強烈な酸味や苦みがないか
熟成により臭いだけでなく味も多少は変化する。しかし、以前にはなかったような強烈な酸味や苦みがある場合は、熟成が進みすぎているため注意が必要だ(※5)。
プロセスチーズの判断方法
発酵が止まっているプロセスチーズ(※2)の場合、購入後に臭いが変化したら腐敗している場合がほとんどだ。アンモニア臭だけでなく、納豆や雑巾のような臭いがする場合も傷んでいる。併せて、下記のポイントをチェックしよう。
カビはすべてNG
ナチュラルチーズと異なり、プロセスチーズはカビが生えたら腐敗していると考えてよい。
水分が出ていないか
水分が浮き出ている、またはぬめりが出ている場合は傷み始めている。
味の変化
発酵が止まっているため、通常なら味は購入時から変化しない。そのため、プロセスチーズの味の変化は腐敗が原因と考えられる。
3. 臭いけど美味しいチーズの種類

ナチュラルチーズには元々臭いものも多い。「臭いやつが好み」というチーズ好きにおすすめな、とくに強い臭いをもつ種類を紹介しよう。
ブルーチーズ
青カビを繁殖させて作る、臭いチーズの代表的な種類だ。刺激のある強烈なにおいと濃厚な風味をもち、塩気も強い。下記の3つは、世界三大ブルーチーズとされている。
ウォッシュタイプのチーズ
外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させるチーズだ。表面に付着する菌により強烈な臭いが発生するため、完成したチーズも臭いが味はマイルドである。
ヤギのチーズ
シェーブル(ヤギ)タイプのチーズともいい、原産のフランスでは牛乳のチーズよりも古い歴史をもつ。ヤギ乳特有の個性的な臭いや風味が特徴で、熟成するまでの段階により異なる味わいがある。
白カビチーズ
表面に白カビを繁殖させて熟成させるチーズだ。カビのついた外皮は熟成が進むほど臭いが、中身はクセが少なく熟成とともに柔らかくなり、とろける食感を楽しめる。
4. 臭いの強いチーズの美味しい食べ方

そのまま食べると臭いが強烈なチーズでも、食べ方を工夫すれば気にならなくなる場合も多い。そこで、臭いチーズを美味しく食べるコツやおすすめの調理法を紹介する。
外皮をはがして食べる
ウォッシュタイプや白カビタイプのチーズは、外皮は臭いが中身はクセがない場合も多い。臭いを完全に消すことはできないが、クセの強い外皮を取り除けばかなり食べやすくなる。
隠し味に使う
ハードチーズの場合、すりおろしてスープや煮込み料理に加える、ソースの材料にするという使い方もおすすめだ。臭いチーズでも少量なら料理のほどよいアクセントとなる。
スパイスやハーブとともに食べる
胡椒などのスパイスやバジルなどのハーブは、チーズとの相性がよく臭いを和らげてくれる。チーズを加熱しない場合は、スパイスやハーブを添えて食べることで臭いが気になりにくくなる。
はちみつやジャムで甘みを加える
青カビタイプのゴルゴンゾーラなどは、はちみつとの相性がよい。臭いチーズに甘みを加えると、意外にも食べやすくなることが多いのだ。
5. 臭いが気になるチーズの保存方法

保存中も熟成が進むナチュラルチーズの場合、熟成しやすい環境を整えながら保存することが大切だ。しかし、臭い移りも気がかりである。基本的には、下記の手順で冷蔵保存するとよい。
カマンベールなど白カビタイプのチーズは、野菜室に入れると熟成が進む。ゴルゴンゾーラなどのブルーチーズは、チルド室に入れ水分(乳清)をふき取りながら保存しよう。乾燥しやすいウォッシュタイプやハードタイプのチーズは、オーブンシートのうえからラップで包み、密閉容器に入れるとよい。この場合、3日に一度程度はチーズを空気に触れさせ、蒸れを防ぐ必要がある。いずれの場合も、密閉するため冷蔵庫内での臭い移りの心配はない。
チーズの保存期間
開封したチーズの保存期間は、ハードタイプで1~2週間程度、ソフトタイプで1週間程度が目安となる。冷凍保存は、加熱して食べる場合のみOKだ。
結論
チーズが臭いのは、ナチュラルチーズの場合は発酵と熟成が原因の場合が多く、食べても問題ない。一方、プロセスチーズの場合は発酵は止まっているため、臭いのは腐敗が原因の可能性が高い。ナチュラルチーズには元々臭いものも多く、耳の裏や手の爪などにたとえられることもある。臭いが苦手な場合は、食べ方を工夫して美味しくいただこう。
(参考文献)