目次
1. ヤマメとはどんな魚?

ヤマメは「山女」「山女魚」と書く。これはその美しい姿から名付けられた名前だとされている。北海道や東北地方などでは「ヤマべ」と呼ばれることもあるそうだ。紅色に染まった側線が美しく、イワナとの見分けるときもこの特徴が用いられる。まずはヤマメの基礎知識を学んでいこう。
ヤマメの特徴
ヤマメはサケ目サケ科サケ属の魚の一種である。その名の通り、サケの仲間である。北海道以南、関東以北、また九州などに生息しているが、放流の関係でその分布は正確にはわかっていない。体長は20cm前後のものが多いが、大きいものは40cmになるものもある。
ヤマメと同じ種とされているのがサクラマスだ。ヤマメが河川残留型であるのに対し、サクラマスは海に渡る。このため、サクラマスはヤマメの降海型と呼ばれることもある。側線は淡い紅色で、その上に楕円形のパーマークと呼ばれる斑紋が並んでいるのが特徴だ。
ヤマメの味
ヤマメは川魚のなかでも1,2を争う味わいだとされている。甘みがあり、身がホクホクとしている。定番の塩焼きにするとその美味しさがより引き立つ。また香りが高いのも特徴だ。新鮮なものを刺身で食べる人もいるらしい。
2. ヤマメはサクラマス?イワナやアマゴ・ニジマスとの違い

ヤマメが川魚の代名詞的な存在であるのと同時に、イワナやアマゴ、ニジマスなどもよく知られている川魚である。一般的なスーパーに並んでいることがあまりないこともあり、見分けるのはなかなか難しい。ここではヤマメとの違いについて解説していこう。
ヤマメとサクラマスの違い
ヤマメとサクラマスは、前述の通り、同じ種である。ただし生活圏と大きさ、見た目に違いがある。サクラマスの多くは成長とともに海に降り、産卵時に川に戻る。大きさは30~70cmにもなる。一方、ヤマメは一生を川で過ごし、サクラマスほど大きくはならない。サクラマスは海での成長の過程で、パーマークが消えて全身が銀色になる。
ヤマメとイワナの違い
ヤマメと混同されることも多いのがイワナだ。イワナもヤマメもそもそもは、海で暮らしていたものが何らかの影響で川に留まったといわれている。イワナの海降型はアメマスだ。
ヤマメ属のヤマメとイワナ属のイワナは、同じサケ科の仲間でありながら、分類が異なる。イワナは全体に灰色がかった色合いで、白い斑点模様が浮き上がっている。淡い紅色のヤマメとは異なるので、見分けるのは意外に簡単だ。
ヤマメとアマゴの違い
アマゴもまた川魚として知られる存在。アマゴの海降型はサツキマスと呼ばれている。ヤマメとアマゴの大きな違いは、その見た目にある。アマゴは脇腹に赤い特徴的な斑点を有している。
ヤマメとニジマスの違い
ヤマメとニジマスは、ぱっと見は似ていて見分けがつきにくい。見分けるポイントは、背鰭と尾鰭だ。ニジマスは背鰭にも尾鰭にも小さな黒い斑点がある。対してヤマメにはこれがない。
3. ヤマメのおすすめ料理

ヤマメが手に入ったら、どんな料理にすると美味しく食べることができるのだろう?ここではヤマメのおすすめ料理についてリサーチしていこう。
ヤマメの塩焼き
川魚といえば、やはり塩焼きであろう。塩をふって焼くだけなので、とても簡単に食べることができる。皮目をパリッと焼くと特有の香りを楽しめる。
ヤマメの刺身
ヤマメは、実は刺身にすることもできる。ただし、これは神経締めして適切な下処理がなされているものや、刺身にできるように養殖されているものだけに限る。たとえば、1998年に開発された「奥多摩やまめ」はそのひとつだ。一般的なヤマメよりも大きく、40cmほどに成長する。肉質が安定しており、安心して刺身として食べることができる。
この記事もCheck!
4. ヤマメの釣り方のコツ

ヤマメは釣り人にとっても人気の魚である。ヤマメが釣れるのは、大きく分けて川と釣り堀のふたつ。ここではその釣り方のコツについて解説をしていこう。
渓流振りの場合
渓流釣りはとてもシンプルなところが特徴である。5.3~7.1mほどの延べ竿に竿と同じくらいの長さの糸を張り、あとは錘とハリをつけるだけである。エサは食いつきの悪い場合を考えていくつか用意するほうがベターだ。川虫を採取してもいい。流れの中心部である流心やヨレと呼ばれる流れの筋が混じり合う場所、大きな意思により流れが反転している場所、岸際の茂みの中などが狙うポイントだ。
渓流釣りは基本的に水に入って釣りをするので、ウエーダーやウエーディングシューズを着用すること。また川に流される危険性もあるので、ライフジャケットの着用も忘れてはならない。
産卵期間に応じて、禁漁期間が設けられているので、その点も必ずチェックをしてから訪れたい。そのほか、購入した遊魚券は見えやすいところに貼り付けておく必要がある。
釣り堀の場合
釣り堀は渓流釣りよりもぐっとハードルが下がる。初心者はスタッフが釣り方を教えてくれるスポットを選ぶとより安心だ。釣った魚をその場で食べられる施設も多い。
釣り堀独自のルールが存在する場合もあるので、その辺りはしっかりと把握しておきたい。釣った魚を傷つけずにキャッチできるラバー製のネットや、魚を触らずにリリースできるグッズなどを持っていると便利である。
5. ヤマメの飼育方法

ヤマメは渓流の女王と呼ばれるだけあって、とても美しい。このため鑑賞魚としても実は人気がある。
ヤマメを鑑賞やペットとして飼う場合は、野生種ではなく、購入するほうが無難である。というのも釣ってきた野生種は、人口餌を食べない、寄生虫がいるなど、飼育に向かない場合も多い。
ヤマメは20℃くらいの水温を好むので、夏場はクーラー、冬場はヒーターなどを駆使して、水温を一定に保つ必要がある。また、縄張り意識も強めなので単独で飼うのがおすすめだ。
結論
ヤマメは見た目も美しく、味わいも一級品とされる渓流の女王である。サケの仲間で一生を川で過ごす。海に降りていくものはヤマメよりも大きくなり、サクラマスの名で知られている。渓流釣りのターゲットとしても人気であるので、自分で釣って食べるというのもおすすめだ。