- 包丁で芯をくり抜く:芯のまわりに切り込みを入れ、包丁を奥まで刺してぐるっと回す
- 芯の抜けた部分に、湿らせたキッチンペーパーを詰める
- ポリ袋に入れ、呼吸できる程度に軽く口を開けておく
- 芯の部分を下にして冷蔵庫に入れる
- キャベツを金属製トレーなどに広げて急速冷凍する
- 冷凍したキャベツを保存袋に入れて空気を抜き密封する
- 再度冷凍庫に入れて保存する
- キャベツの漬物(塩もみ):3~4日程度
- キャベツの酢漬け:3~4日程度
- コールスロー:1~3日程度
- ロールキャベツ:2~3日程度
- ※出典:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜の最適貯蔵条件 https://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/optimalstorage/index.html
1. キャベツを日持ちさせるポイント
キャベツを正しく保存しできるだけ日持ちさせるには、保存特性を知っておくことが大切だ。キャベツの特徴や貯蔵条件についておさえておこう。
野菜の特徴
キャベツの保存に適した温度は、0~5℃といわれている。また、乾燥に弱い野菜のため保湿することも大切だ。涼しい時期は冷暗所での常温保存も可能だが、その場合も新聞紙で包むなど乾燥を防ぐようにしよう。
エチレンの感受性が高い
野菜はエチレンという植物ホルモンを生成する。エチレンは追熟に役立つ一方、野菜の傷みを早めてしまうデメリットもある。エチレンの生成量は野菜の種類によって異なる。キャベツの場合、生成量は少ないが、ほかの野菜から出るエチレンを吸収しやすい。とくにエチレン生成量の多い野菜(トマトやメロン)と一緒に保存すると、日持ちしなくなってしまう。そのため、同じ場所で保存しないようにするか、袋で覆うなどエチレンの影響を受けないよう工夫する必要がある。(※)
キャベツの食べ方
キャベツは生食にも加熱調理にも向く野菜だ。とくに葉のやわらかい春玉(春キャベツ)は生のままサラダなどに使うのがおすすめだ。葉の硬い寒玉(冬キャベツ)は、加熱すると甘みが出るため煮込み料理に向く。色鮮やかな紫キャベツは、酢漬けやサラダの彩りに最適である。種類によって特徴が異なるため、食べ方も選び分けるとよい。さまざまな食べ方でキャベツを消費することで、日持ちする期間内に食べきることができる。
2. キャベツを日持ちさせる保存方法
キャベツは冷蔵保存が基本だが、さらに日持ちさせたいなら冷凍保存もできる。とくに冷蔵保存の場合、まるごとの状態とカットされた状態で保存方法も保存期間も異なる。それぞれの保存方法について詳しく見ていこう。
冷蔵庫で保存する方法
まるごとのキャベツの場合
・保存の手順
保存期間の目安は、2週間~1ヵ月程度である。日持ちさせるには、芯の部分に詰めたキッチンペーパーをときどき交換しながら保存しよう。
カットされたキャベツの場合
・1/2カットや1/4カットの場合
購入時に包まれていたラップを外し、ポリ袋に入れてから冷蔵保存しよう。保存期間の目安は、1週間程度である。
・ざく切りや千切りの場合
保存容器に水を張り少量の酢(またはレモン汁)を加え、切ったキャベツを入れる。密閉し、水を毎日取り替えながら冷蔵保存しよう。保存期間の目安は、2~3日程度である。
冷凍庫で保存する方法
使いきれないキャベツは、冷凍保存すればより日持ちさせることができる。生のまま冷凍する場合は使いやすい大きさに切り、冷水にさらして水分をきっておこう。サッと茹でてから冷凍する場合もザルにあげて水分をきってから冷凍する。手順は下記のとおりだ。
手順
保存期間の目安は1ヵ月程度である。冷凍したキャベツは凍ったまま加熱調理で食べよう。生食も可能だが解凍すると食感が変わるため、サラダではなく和え物や漬物などに使うとよい。
3. キャベツ料理の日持ち目安
調理したキャベツの場合は、どのくらい日持ちするだろうか。保存期間は料理の種類によっても大きく異なる。代表的な料理の日持ちの目安を見ていこう。
保存の目安
冷蔵保存した場合、下記の期間が保存の目安となる。
キャベツ料理の日持ちに関しては、同じ料理でも材料や作り方、保存環境により変化する。手作りの料理は長期保存に向かないため、早めに食べきったほうがよい。また、日にちが経ったものは食べる前に変色や異変などがないかチェックしよう。ロールキャベツなどの煮込み料理は、冷凍保存もできる。
結論
キャベツを日持ちさせたい場合は、エチレンや乾燥に気を付けながら冷蔵保存しよう。まるごと保存する場合は芯をくり抜くのがポイントだ。キャベツはカットすると日持ちが悪くなるため、食べきれない場合は冷凍保存に切り替えるとよい。鮮度のよいうちに適切な方法で保存することが、キャベツの日持ちをよくするコツである。
(参考文献)