- 安全面での目安:3日程度
- 味や消化・吸収面での目安:半日~1日程度
- ご飯を炊きたての状態でラップで包むか、保存容器に入れて密閉する
- 粗熱が取れてから冷凍庫に入れる
- 冷蔵庫に入れる場合と同様に、炊きたてのうちに密閉することで水分を保持する
- 庫内の温度を上げないために、必ず粗熱を取ってから冷凍庫に入れる
- 一食分ずつ小分けにして保存する
- 常温:数時間
- 保温(炊飯器):5~6時間
- 冷蔵:半日~1日(最長3日)
- 冷凍:3週間~1ヵ月
1. ご飯は冷蔵庫で何日もつのか
ご飯を冷蔵庫に入れた場合、常温保存と比較すると腐ってしまうリスクは下げられる。炊きたてのうちにラップで包むか保存容器に入れ、水分を保持した状態で保存するのがポイントだ。粗熱が取れてから冷蔵庫に入れよう。
保存できる期間
冷蔵庫に入れたご飯の保存期間は、下記が目安となる。
腐る可能性が低いという意味での保存期間は3日程度とされるが、酸っぱい臭いか変色などの異変が見られたら廃棄しよう。
ご飯は冷蔵保存に不向きな食品
炊きたてのご飯は時間が経つにつれ、デンプンの老化が進む。老化とは、デンプンの間の水分が押し出されデンプン同士が一部再配列することである(※)。老化したご飯は、硬く水分の抜けたパサパサの状態となり、味が悪いだけでなく消化吸収もされにくくなってしまう。
冷蔵庫にご飯を入れると、低温により老化が進みやすくなる。常温保存や保温したご飯より腐りにくくなる反面、老化を促進するというデメリットがあるのだ。冷蔵保存の期間が長引くほど老化は進み、再加熱しても元に戻らなくなってしまう。味や消化の面からは、遅くても次の日までには食べたほうがよいだろう。なお、3日ほど冷蔵保存してパサパサになったご飯は、チャーハンや雑炊などに調理すると美味しく食べられる。
2. ご飯は冷蔵庫よりも冷凍庫がおすすめ
ご飯を冷蔵庫に入れても最大3日程度しか保存できず、老化の促進により味が落ちやすく消化されにくくなるというデメリットもある。ご飯の保存方法としては、老化しにくく保存期間も長い冷凍保存が最もおすすめだ。
冷凍で保存できる期間
適切な方法で冷凍したご飯は、3週間~1ヵ月程度を目安に保存できる。保存方法とコツは下記の通りだ。
冷凍保存の手順
上手に冷凍保存するコツ
また、老化を防ぐにはできるだけ急速冷凍するとよい。ラップで包む場合はご飯を平らにして冷凍すると、短時間で冷凍でき解凍もしやすい。急速冷凍室や金属トレーなどの使用もおすすめだ。
3. ご飯の保存方法で悩んだら
ご飯の保存方法は、冷凍保存が最も長期間保存でき味も落ちにくくおすすめだ。しかし、一時的に保存したい場合や、冷凍保存に不向きな食材を使ったご飯(炊き込みご飯)の場合は、別の方法を選んだほうがよいかもしれない。それぞれの保存期間を踏まえ、最適な方法を判断するとよいだろう。
判断する方法
ご飯の保存期間の目安は、下記のように方法によって大きく異なる。
数時間以内に食べるなら常温か保温、次の日までに食べるなら冷蔵、それ以上になるなら冷凍が最適といえるだろう。
炊き込みご飯の場合
米と具材を一緒に炊き込んだご飯や混ぜご飯も、米の老化については一般的なご飯と同様である。ただし、鶏肉など傷みやすい具材を使っている場合は保存期間が短くなるため、目安よりも早めに食べきろう。
また、冷凍すると食感が変わってしまう食材(こんにゃくなど)を使用したご飯の場合は注意が必要だ。気になる場合は、食べきれる量だけ作る、冷蔵保存して次の日までに食べきる、保存を目的とするならこんにゃくは使わないなどの工夫をするとよい。
結論
ご飯は冷蔵庫に入れておけば3日ほどは腐らない。しかし、デンプンが老化しやすくなるため、保存が長引くにつれ美味しさが損なわれ消化も悪くなってしまう。冷蔵庫に入れたご飯は、半日~1日程度で食べきろう。ご飯を長期間美味しく保存するには、冷蔵ではなく冷凍が適切だ。ご飯の量や食べるタイミングに合わせて、最適な方法を選ぶとよいだろう。
(参考文献)
※出典:農林水産省「消費者の部屋」炊いたご飯をおいしく保存するにはどうしたらいいでしょうか。