目次
1. かぶが腐ると起こる変化

かぶは、本来白くて固い野菜であるが、腐ると、色や感触、臭いに変化が起こる。放っておくと、カビが生えてドロドロの状態になってしまうので注意が必要だ。かぶの腐りはじめのサインを見逃さないようにしよう。
見た目の特徴
まずは、触って固さをチェックする。根の部分を押して、柔らかくなっていたら腐っている可能性大だ。しわしわになった状態のかぶも腐るときの目安になるので注意しよう。また、白い色をしているかぶは、腐りはじめると茶色や黒色に変色する。根と茎の境目や根っこのヒゲ部分は、青カビや白カビも生えやすい。少量のカビであれば、その部分を取り除いて食べられるが、目に見えないカビの胞子が飛散している可能性があるので、違和感があれば食べるのは控えたほうがいいだろう。
臭いや味
もともと、それほど臭いが強い野菜ではないが、かぶが腐ると強烈な異臭を放つ。酸っぱい臭いからはじまり、黒く変色や、ドロドロした状態まで腐敗が進むと、生ごみのような腐敗臭に変化する。こうなると、食べることはできないのですぐに処分が必要だ。
また、かぶが腐ると味にも変化が起こる。食べてみて、本来はしないえぐみや苦みがあれば、すでに新鮮な状態ではないので破棄を検討しよう。
2. かぶが腐る前の状態

水分量が多いことから、かぶはどうしても短期間で腐る。しかし、傷む前に気づくことができれば調理が可能だ。ここでは、かぶが腐る前の状態について紹介する。
根に起こる変化
根や葉の部分がしおれているときは、水分がなくなり鮮度が落ちている状態。原因は、保存状態がよくなかったか、収穫してから日が経ってしまったからだ。また、包丁で切ったときに、スが入っている場合がある。すかすかした中身のかぶは、水分や栄養が足りない状態で育った、熟れすぎてしまったなどの理由によるものだ。けして腐っているわけではないが、早めに食べてしまおう。
3. かぶが腐る前に上手に保存する方法

そもそも、なぜかぶは腐るスピードが速いのか。そのおもな原因は、かぶが暑さや湿度の高い環境に弱い野菜だからである。かぶを保存するときの最適温度は0℃、最適湿度は90~95%だ。したがって、かぶが腐るのを防ぐにはなるべく涼しく乾燥した環境で保存するのがベスト。ここでは、かぶの上手な保存方法といつまで日持ちするのか解説しよう。
冷蔵保存
葉付きのかぶの場合は、切り分けて別々に冷蔵保存する。葉の部分は、霧吹きで水をかけるか、キッチンペーパーを濡らし茎の部分を包んだ状態にして、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存。2~3日ほどの日持ちなので、早めに使い切ってしまおう。
根の部分も生のまま冷蔵保存ができる。鮮度を保つために、霧吹きで水をかけるか、キッチンペーパーに1つずつ包みポリ袋に入れて冷蔵庫での保存が適している。こちらの日持ちは1週間ほど。
冷凍保存
長期保存したいときは、冷凍するのがおすすめだ。まるごと冷凍するときは、かぶを洗いよく拭いて水気を切る。ラップで包んで、ジッパー付きポリ袋に入れて冷凍庫で保存する。または、適当にカットして、塩茹でしてから冷凍する方法もある。この場合、ラップは使わずに直接ジッパー付きポリ袋に入れればOK。冷凍保存する際に先に茹でておくことをブランチングといって、変色を防ぎ、食感が悪くならないようにする効果がある。かぶの葉は生のままで冷凍は不向きなので、ブランチングして、ポリ袋に入れて保存するようにしよう。根も葉も日持ちは1カ月ほどだ。
乾燥保存と漬け保存
かぶは天日干しして、乾燥保存ができる。天日干しすることで、保存期間を延ばし、甘みや栄養価が増すのでおすすめだ。かぶは、5~6mmに輪切りして水けを切る。3日ほどザルに並べて天日干しすればできあがり。1カ月ほど日持ちするのですぐに使わない場合の保存に便利である。
または、かぶを塩や味噌で漬けて保存することもできる。微生物の増殖や食材の酸化を防げるのでおすすめだ。塩漬けの場合は、切ったかぶと、かぶの重さの3~5%の塩を一緒に保存袋に入れて完成。塩麹漬けは、切ったかぶと塩麹を混ぜ合わせて密閉容器に入れて完成。どちらも冷蔵保存で、日持ちは2週間ほどだ。
結論
かぶが腐ると、見た目や臭いなどの変化が起こる。しかし、かぶの特徴を理解して、正しい保存方法をすれば、長く日持ちさせることも可能だ。保存方法によって、日持ちや料理への使い道も変わってくるので、試してみてはどうだろうか。
監修管理栄養士:佐々木倫美
経歴:管理栄養士取得後、介護施設、病院にて給食業務、栄養管理業務に携わる。現在病院にて主に透析患者への栄養指導に携わる傍ら、栄養・健康分野の記事監修を手掛ける。