1. ワインを横にして保存する理由
ワイナリーなどで、ワインが横にされて保存してあるのを見たことはないだろうか。ほかの酒類は瓶を立てて保存しているのに、ワインはなぜ横にして保存するのか気になる人も多いだろう。実はワインを横にして保存するのには明確な理由があるのだ。ここではワインを横にして保存する理由について解説していこう。
コルクを湿らせる
ワインを横にして保存する理由は、樫の木からできているコルクが乾燥して縮んでしまうのを防ぐためである。コルクが乾燥して縮むと、瓶との間に隙間ができて酸素が入り、酸化が早く進んでしまうのだ。そのためコルクが乾燥しないようにワインを横向きに保存し常に湿らせている。また、ワインを横にするのはコルクの場合だけで、プラスチックやスクリューキャップは横向きにしなくても大丈夫だ。
2. ワインを横にして保存しなくてもよいといわれる理由
ワインを横向きにして保存する理由について解説したが、ワインを立てて保存したほうがよいという説を唱える研究者もいるのだ。ここでは、ワインを立てて保存したほうがよいという説を紹介しよう。
立てて保存が良い説
コルク製造会社アモリム研究開発部門の責任者であるMiguelCabral博士は、コルクが未開封のワインを横にして保存しても、コルクを乾燥から防ぐことはできずワイン劣化させる可能性があると指摘している。ワインの液面とコルクの間のスペースは湿度100%であり、コルクが乾くことはないとのこと。また、最新の研究でコルクのフェノール類とワインが反応し、Corklinsと呼ばれる化学物質が作られてワインの色や味に影響を与えていると示している。
3. ワインの消費期限がない理由
ここではワインに消費期限がない理由について解説していこう。
アルコール度数
ワインには消費期限の表示がないのをご存じだろうか。理由としては、ワインはアルコール度数が高いため腐ることがないからだ。しかし、ワインは温度変化などに敏感で保存の方法によっては劣化してしまう場合がある。そのため、開栓後は早めに飲み切るようにしよう。また、近年は醸造技術が発達しており、飲み頃のワインが売られていることが多い。1000円前後の安いデイリーワインは、早めに飲み切るのがよいだろう。(※2)
結論
ワインを横にして保存する理由は、コルクが乾燥して縮むのを防ぐためだ。コルクが縮むと隙間が瓶との間に隙間ができ、ワインが酸素に触れるため酸化が早まってしまう。しかし、コルク製造会社アモリム研究開発部門の責任者であるMiguelCabral博士は、横向きにほぞしてもコルクの乾燥は防げないとしてきしている。また、コルクとワインが触れることでワインの色や味に影響をあたえると示しているのだ。
(参考文献)
※1参照:WORLD FINE WINES「「コルク栓のワインは横にして保存しないほうが良いー研究者」
※2参照:農林水産省「ワインの豆知識」