- 1. 漏電ブレーカーとは?仕組みと役割を解説
- 2. 漏電ブレーカーが作動する・落ちる仕組みとは?
- 3. 漏電ブレーカーに付いているテストボタンの仕組みと役割とは?
- 4. 「漏電」の危険性についても再確認しておこう
- 漏電ブレーカーがONであることを確認する
- テストボタンを押す
- 漏電ブレーカーがOFFになり、電化製品の電源が落ちたことを確認する
- 漏電ブレーカーをONにして終了
1. 漏電ブレーカーとは?仕組みと役割を解説
そもそも「漏電ブレーカー」とは何なのか、ごく基本的なところをおさらいしておこう。
漏電ブレーカーとは
漏電ブレーカーは、ご家庭などの分電盤に取り付けられている。詳細な位置などはメーカーや型番で異なるが、スイッチの横にテストボタンや漏電表示ボタンなどが付いている。確認のためにもぜひ一度、ご家庭の分電盤を見ていただきたい。
漏電ブレーカーの仕組み
漏電ブレーカーは、常に電流の行きと帰り(出入り)を監視している。正常時は出ていく電流と入ってくる電流が「同じ」であるため、漏電ブレーカーは作動しない。だが絶縁が劣化したり感電したりして、行きと帰りの電流に差が生じた場合、漏電ブレーカーの中で「漏電信号」が発生する。
電子回路で、その信号が「遮断すべきレベルかどうか」を判定し、必要に応じて遮断するという仕組みだ。
漏電ブレーカーの役割
通常起こり得ないレベルの漏電が発生した際、瞬時に送電をストップして漏電による火災や感電といったトラブルを最小限に食いとどめてくれる。つまり安全装置である。漏電ブレーカーが監視していることで目に見えない電気も安心して使えるというわけだ。
2. 漏電ブレーカーが作動する・落ちる仕組みとは?
漏電ブレーカーが作動する、すなわち「落ちる」仕組みについてもう少し詳しく掘り下げていこう。
漏電ブレーカーが作動する仕組みとは
上述のように、漏電ブレーカーは電流の行き帰りの差を監視する仕組みを持つ。正常な状態であれば出た電流と帰ってきた電流値には差がない。ところが何らかの原因で漏電が発生した場合、行き帰りの電流値に差が出る。電流値に一定以上の差がうまれたときに漏電ブレーカーが作動し、回路が自動的に遮断されるという仕組みだ。
漏電ブレーカーの仕組みが正常に作動するためにはアースも必要
漏電ブレーカーが「漏電が発生していること」を検知するには、漏電した電流がアースから地面に放出されている必要がある。アースが漏電した電流を地面へ流すことで「帰ってくる電流が少ない(小さい)=漏電が発生している」という判断になるためだ。
したがって、漏電ブレーカーの仕組みが正常に作動し漏電を検出するためには、アースが必要不可欠ということになる。漏電ブレーカーさえついていれば安心というわけではないので覚えておこう。
3. 漏電ブレーカーに付いているテストボタンの仕組みと役割とは?
冒頭でも軽く触れたが、漏電ブレーカーの近くにはテストボタンがある。このテストボタンの仕組みや役割についても確認しておこう。
漏電ブレーカーのテストボタンの仕組みと役割
漏電ブレーカーの仕組みが正常に作動しているかどうかを確認するためのボタンがテストボタンである。漏電は頻繁に起こるものではないが、いざ発生したときに漏電ブレーカーが作動しなかったとしたら、命に関わる重大な事故につながるおそれがある。
漏電ブレーカーがONだとしても安心はできないということだ。漏電ブレーカーの仕組みが正常に作動しているかどうかをチェックするためにも、月1回程度はテストボタンを押して確認しておくと安心だ。
漏電ブレーカーのテストボタンの使用方法
以上が、漏電ブレーカーの仕組みが正常に作動しているかどうかを確かめるための方法だ。家電の電源が落ちるので、事前に準備をしたり家族に周知したりすることも忘れないようにしよう。
なおテストボタンを押しても漏電ブレーカーがOFFにならない場合、漏電ブレーカーあるいはテストボタンに不具合が発生しているおそれがある。できるだけ早く電力会社などに連絡し、調査をしよう。
4. 「漏電」の危険性についても再確認しておこう
最後に漏電について説明する。そもそもどのような状態なのか、どんなリスクや危険性をはらんでいるのかといったことを再確認するとともに、正しく怖がるための知識を周りの方々へも伝えておこう。
そもそも「漏電」とはなにか?
電気は、正しい通り道を作ってやらなければ電圧の高いところから低いところへ勝手に流れる性質がある。そのため電線や充電部分を塩化ビニルといった絶縁で覆い、正しい方向へ導く仕組みを作らなければならない。ところが肝心の絶縁が経年劣化したり傷ついたりすると、電気がその正しい通り道から外れ、電気製品の金属部分などにも伝わって(漏れて)しまう。これが漏電だ。
漏電によるリスク・危険性
漏電により懸念されるリスクとして「感電」や「火災」が挙げられる。たとえば電子レンジの枠や扉などに漏電していることに気づかず、うっかり触れてしまえば身体を通って電圧ゼロの地面へ流れていく。感電だ。大きな電流が身体を通ることで、筋肉がしびれるだけでなく命の危険もある。
また漏電している付近に燃えやすいものがあると、火花が引火して火災が発生するおそれがある。火の気のない「まさか」という場所でも発生するため、初期消火が遅れ大火災になる危険性もはらんでいる。目に見えない電気だからこそ、正しい知識を身につけて正しく怖がることが大切だ。
結論
漏電ブレーカーは、漏電による感電や火災などのリスクを最小限に留めるためにも欠かせない安全装置だ。仕組みはシンプルで、行き帰りの電流値の差で漏電を判断し、基準値を上回れば自動的に遮断するというものである。だがその漏電ブレーカーが正しく作動しなければ意味がない。定期的にテストボタンを押して、漏電ブレーカーの仕組みが正常かどうかを確認しよう。
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