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銅鍋の魅力と使い方、お手入れ方法まで徹底解説!銅中毒のリスクは?

銅鍋の魅力と使い方、お手入れ方法まで徹底解説!銅中毒のリスクは?

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2021年7月 1日

プロの料理人にも愛される「銅鍋」。ステンレスやアルミ、鉄、テフロン加工された鍋など、さまざまな種類の鍋があるなか、銅鍋が愛されるその理由はどこにあるのか。当記事では銅鍋の魅力に迫りつつ、使い方やお手入れ方法も徹底解説していく。銅鍋を使ってみたい、気になっているという方はぜひ参考にしてほしい。

  

1. 銅鍋の魅力とは?

銅鍋は値段が高く、お手入れも難しいイメージがあるかもしれない。しかし、プロの料理人たちが長年愛用するだけの魅力があるはずだ。まずは銅鍋の魅力に迫っていこう。

熱伝導率に優れている

銅は、ほかの金属と比べて熱伝導率が高い。鉄に比べておよそ5倍、ステンレスと比べるとおよそ24倍早く熱が伝わる。熱が早く伝わるため、調理時間を短縮するだけでなく、光熱費を抑えられるのだ。さらに、熱伝導率が高いと食材に熱を均一に伝えることができ、きれいな仕上がりになる。熱伝導率が高いという特性には、調理器具として大きなメリットがあるのだ。

高い抗菌性も注目されている

銅には、少しの金属量で高い抗菌作用があることを示す「微量金属作用」があり、さまざまな細菌を死滅させることがわかっている。銅鍋から出る銅イオンが細菌の繁殖を抑えるといわれており、その高い抗菌性が注目されているのだ。

蓄熱性が高く料理が冷めにくい

銅鍋は蓄熱性が高いため、鍋底を一定の温度に保つことができる。たとえば、火加減が難しい卵焼きも、銅鍋を使い弱火でさっと調理することで、ふんわりと、焦げ目をつけずに美しく仕上がるはずだ。

使い込むほど味わいが出る

銅鍋は磨くうちに美しい光沢を放ち、使い込むほどに味わいが出るため、愛着を持って大切にしたくなるはずだ。

きちんとお手入れをすれば一生モノにもなる

銅鍋はしっかりとメンテナンスをすることで、一生ものとして長く使える。愛用の銅鍋を子どもや孫の代まで受け継げば、家族の大事な歴史が刻まれた宝物になることだろう。
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2. 銅鍋を使う上での注意点とは?

銅鍋を使う上で、注意しておくべきポイントがある。長く使うためにもしっかりと把握しておこう。

調理後は料理を入れっぱなしにしない

銅は塩素や酸に弱い特性があるため、調理のあとは料理を長く入れっぱなしにせず、できるだけ速やかに皿や容器に移し替えることが大事だ。また、調理したあとは、なるべく早く鍋を洗うようにしたい。

硬いスポンジやたわしで洗うのは基本的にNG

銅鍋は、硬いスポンジや金属たわしなどで洗うことはNGだ。硬いスポンジ類や粒子が粗いクレンザーで洗うと、銅を傷つけて緑青の原因になるので避けてほしい。どうしても汚れが落ちない場合は、柔らかいスポンジを使い、中性洗剤で洗うとよい。
中性洗剤で洗浄したあとは、ぬるま湯で洗剤をしっかりと洗い流しておこう。最後に銅鍋を火にかけて水分を完全に飛ばし、油を薄く塗ってから保管するとよい。

長期間使用しないときはきちんと収納する

銅は水分に弱く、空気に触れると少しずつ変色する性質がある。できるだけ空気に触れない状態で保管する方法が基本となるので、長期間出しっぱなしにしないようにしたい。銅鍋を長期間使わない場合は、新聞紙などに包み、袋に入れて保管することが大事である。

使い始める前に必ず皮膜(ラッカー)を剥がす

銅は、空気に触れているだけで徐々に酸化する金属だ。売り場に並んでいる間にも、空気に触れることで酸化し、変色してしまう。そのような事態を防ぐために、一般的に売り場に陳列される銅鍋には、酸化防止のラッカーが塗布されている。

ラッカーは、酸化防止には高い効果を発揮するが、その皮膜を取り除かずに銅鍋を使い始めると黒く焦げ付いてしまう。一度、黒く焦げ付くと削り落とすことも難しく、無理に削ると鍋の表面に傷を残してしまうため、注意が必要となる。そのような事態を防ぐためにも、銅鍋は使い始めの手入れが肝心だ。

3. 銅鍋で中毒を起こす危険がある?

銅中毒をご存知だろうか。銅鍋でも中毒を起こす危険性があるのかについて解説していこう。

銅中毒とは?

銅は人間の身体に必要な成分だが、過剰摂取すると中毒を起こす。これが銅中毒だ。急性中毒を起こすと、吐き気や嘔吐、下痢に低血圧といった症状が出ることで知られている。(※1)

緑青は有毒?

緑青は人体に無害であり、中毒性はないという見解が厚生労働省から発表されているが、口に入れるのはやはりあまり気持ちのいいものではないだろう。使うほどに味わい深くなる銅鍋を大切に、長く使うために、緑青が少しでも発生したらすぐにクレンザーで磨くようにしよう。

銅鍋は正しく取り扱うことが重要

上述のとおり、銅の過剰摂取は銅中毒を起こしてしまうおそれがある。食品衛生法により、食品に触れる部分はメッキ加工しなければならないと定められている。しかし、重要なのは、中毒を防ぐために銅製品の特性をしっかりと理解して、正しく取り扱うことだ。(※2)

4. 銅鍋のお手入れ方法|使い始める前

銅鍋は使い始める前のお手入れも重要だ。しっかりお手入れをしてから使い始めよう。

皮膜(ラッカー)を剥がす方法

銅鍋の手入れで必要な被膜の除去は、それほど難しくない。使い始める前に、銅鍋を煮沸するだけだ。銅鍋が十分に浸るくらいの鍋、あれば寸胴鍋のようなものにお湯をたっぷりと沸かし、そこに銅鍋を入れ、15分程度煮沸しよう。このときに、重曹を入れるとより効果的だ。

皮膜(ラッカー)を剥がす理由とは?

銅鍋に塗られている皮膜をはがさずに火にかけて使い始めると、焦げ付いてしまう。一度焦げてしまうと簡単には落ちず、無理に落とそうとして強くこすると、銅鍋に傷がついてしまうおそれがあるのだ。
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5. 銅鍋のお手入れ方法|使ったあと

銅鍋を使ったあとも、お手入れが必要になる。メンテナンスは欠かさないようにしよう。

使用後のお手入れ方法

銅鍋を使用したら、中性洗剤と、柔らかいスポンジや布を使って洗い流し、そのあと、しっかり水分を飛ばして保管しよう。このとき、銅鍋に洗剤が残らないよう、丁寧に洗い流すことが重要である。

6. 銅鍋のお手入れ方法|焦げ付いてしまったとき

銅鍋を使っていると、焦げ付いてしまうこともあるかもしれない。焦げ付いてしまった銅鍋のお手入れ方法を解説していく。

銅鍋の焦げを落とすお手入れ方法

1.銅鍋に水を入れて火にかける。しばらく焦げを煮立たせてふやかす。
2.お湯を捨て、柔らかいスポンジで焦げを落とす。
3.水洗いし、よく乾燥させる。

黒くなってしまったら、カットしたレモンで優しく磨いてみよう。そうすることで、光沢が出る。

7. 銅鍋のお手入れ方法|緑青(ろくしょう)が出たとき

続いて、銅鍋に緑青ができる原因と、できてしまった場合のお手入れ方法について解説していこう。

緑青ができる原因

銅は空気に触れると次第に酸化していき、緑青と呼ばれる緑色のサビを発生させる。そのほかにも、硬いスポンジ類や粒子が粗いクレンザーで洗うと、銅を傷つけて緑青の原因になるので避けてほしい。

緑青が出たときのお手入れ方法

緑青ができたときは、柔らかめのスポンジにクリームまたはクレンザーをつけて、力を入れてこすれば取れる。上述のとおり、硬いスポンジや粒子の粗いクレンザーは、さらに緑青ができる原因になるため注意してほしい。

そのほかにも、酢と塩を使うと簡単に落とすことができる。まず、銅鍋の汚れをサッと洗い流す。酢と塩を1:1の割合で混ぜて作った液をスポンジもしくは布にしみこませ、サビがある部分を強めにこする。中性洗剤で銅鍋を洗って水で洗剤をすすぎ、よく乾燥させれば完了だ。
上記の方法でも落ちないサビは、爪楊枝でこそぎ落とし、布で拭くことで取れることもある。力を入れすぎて銅鍋を傷つけることがないように注意しよう。

8. 銅鍋の保管方法は?

銅鍋を使い、洗ったあとの保管方法も知っておこう。

よく乾燥させて風通しのよい場所に保管する

銅鍋に水分が残っているとサビの原因になってしまうので、風通しのよい場所でしっかり乾燥させるようにしよう。

長期間使わないときは新聞紙に包む

既述のとおり、銅は水分に弱く、空気に触れると少しずつ変色する性質がある。長期間使用しないときは銅鍋を新聞紙で包み、ビニール袋に入れて湿気の少ない場所で保管する。

9. 銅鍋はIHクッキングヒーターで使ってもよい?

銅鍋は基本的にIHクッキングヒーターでは使えない。ただし、近年では、銅鍋やアルミ製の鍋などに対応しているIHクッキングヒーターも販売されている。そういった銅鍋に対応したIHクッキングヒーターであれば使用可能だ。
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10. 銅鍋はジャム作りにもおすすめ

銅鍋はジャム作りに最適な鍋だといわれている。その理由は、銅鍋の高い熱伝導性によって短時間で均一に熱を加えることができ、フルーツのフレッシュな味や風味をしっかりと閉じ込められるからだという。さらに、銅イオンによって鮮やかな色にも仕上がる。ジャム作りには、銅鍋を使ってみよう。

11. 銅鍋は料理男子ならぜひ使いこなしたいアイテム

銅鍋はメンテナンスや扱う上で注意すべきポイントがあるが、メリットも多い。アルミやステンレス、ホーローなど、さまざまな種類の鍋があるが、銅鍋には銅鍋ならではのよさがあるのだ。料理男子なら、銅鍋はぜひ使いこなしたいアイテムといえる。

結論

料理のプロに愛される調理機器のひとつである銅鍋。値段が高く、お手入れが難しそうなイメージがあるかもしれないが、しっかりとポイントを抑えて使えば問題はない。いつもの料理に、ぜひ銅鍋を使ってみよう。使い方やお手入れなど、銅鍋について知りたいときは当記事を活用してほしい。
(参考文献)
※1:東京都福祉保健局「平成22年度 収集情報」
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin////hyouka/files/22/22jyoho2-shiryo2.pdf
※2:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
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  • 公開日:

    2019年7月 4日

  • 更新日:

    2021年7月 1日

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