目次
1. アルミホイルに裏表はある?

アルミホイルを意識して見てみると両面の「質感」が異なることに気づくはずだ。一方は光沢があり、一方はマットな感じになっているが、果たしてこれは裏表という意味なのだろうか?
アルミホイルに「裏表」はない
アルミホイルには光沢のある面とマットな面があるため、これを裏表と捉えてしまうかもしれない。だが上記の通り、アルミホイルには裏表は存在しない(※1)。ではなぜ、光沢がある面とそうでない面があるのだろうか?
光沢面とマット面があるのはなぜ?
この理由は製造工程にある。アルミホイルを作る際は「圧延機」にかけ、大きなローラーを使ってアルミ板を挟み、引き伸ばしていく。蕎麦を麺棒で伸ばすようなイメージが近いかもしれない。詳しい工程は割愛させていただくが、最後に2枚のアルミホイルを重ねてローラーにかけることで、それぞれのアルミホイルをより薄くするという手法がとられている。
2枚重ねて引き伸ばす工程で、ローラーに接する面は摩擦により滑らかになるが、アルミホイル同士が接している面にはローラーが当たらない。そのため、アルミホイル同士がぶつかったときにできる凹凸が残ったままとなる。結果として、光沢面とマット面というように見た目に違いが表れる。
2枚重ねて引き伸ばす工程で、ローラーに接する面は摩擦により滑らかになるが、アルミホイル同士が接している面にはローラーが当たらない。そのため、アルミホイル同士がぶつかったときにできる凹凸が残ったままとなる。結果として、光沢面とマット面というように見た目に違いが表れる。
光沢面もマット面も機能性は同じ
アルミホイルには光を遮断する、湿気を防止する、電気や熱を通すといった特性があるが、裏表はないのでどちらを使用しても機能性に違いはない。また純度の高いアルミニウムが使用されていることから、衛生面でも優れており薬や食品の包装などにも利用されている。
ただしマット面は凹凸があるため多少ザラついている。表面積が大きく、餅などは光沢面よりもくっつきやすいとされている。そうした食べ物に使うときは光沢面がよいだろう。またオーブンなどで加熱する際も、熱伝導率の関係で光沢面を内側にしたほうがよいという。とはいえ極端な差はないはずなので、そこまで神経質になる必要はないだろう。
ただしマット面は凹凸があるため多少ザラついている。表面積が大きく、餅などは光沢面よりもくっつきやすいとされている。そうした食べ物に使うときは光沢面がよいだろう。またオーブンなどで加熱する際も、熱伝導率の関係で光沢面を内側にしたほうがよいという。とはいえ極端な差はないはずなので、そこまで神経質になる必要はないだろう。
2. アルミホイルの活用術8選!意外な使い方とは?

アルミホイルには裏表がないことが分かったところで、続いてはさまざまな使い方を紹介しよう。食品だけにしか使ったことがない方はぜひ、いろいろな活用術があることを知っておこう。
アルミホイルで急速冷凍
基本的な使い方だが、熱伝導率が高いアルミホイルは急速冷凍に一役買ってくれる。食品をラップで包んだら、その上からさらにアルミホイルで包もう。短時間で凍らせたほうがよい肉や魚などの食材に応用するとよい。
アルミホイルで排水口のヌメリ予防
1〜2cm程度の大きさに丸めたアルミホイルを数個作り、シンクの排水口のゴミ受けに入れておこう。100%とまではいかないが、雑菌の繁殖が抑えられにおいやヌメリを大幅に防止できるはずだ。
アルミホイルでゴボウの皮むき
いったんクシャクシャに丸めたアルミホイルを広げ、ゴボウをこすってみよう。泥と皮を一緒に落としてくれる。生姜や山芋など、皮むきが面倒な食品に応用できる。
アルミホイルを落し蓋の代わりに
アルミホイルを鍋よりもひと回り小さめのサイズにカットし、真ん中に穴をあければあっという間に落し蓋が完成する。光沢面のほうがやや溶けにくいとされているため、マット面を上に向けるとよい。なおアルミホイルの人体への影響についてはこちらを参照してほしい(※2)。
アルミホイルで鍋の焦げつきをキレイに
クシャクシャに丸めたアルミホイルで、鍋の焦げつきやススなどをこすってみよう。普通に洗うよりも簡単に落とせる。ただし、フッ素樹脂(テフロン)加工が施された鍋などは傷ついたり、コーティングが剥がれたりするおそれがあるため控えたほうがよい。
アルミホイルでハサミや包丁の切れ味復活
アルミホイルは砥石のような役割も果たしてくれる。数枚重ねたアルミホイルを、ハサミや包丁などの刃物で何度か切ってみよう。粒子が傷に入り込み、切れ味が復活するというのだ。
アルミホイルで観葉植物のアブラムシ退治
観葉植物にとって害虫となるアブラムシも、アルミホイルが撃退してくれる。根元付近の土の上に、光沢面を上に向けて敷いておくだけでOKだ。光が反射してアブラムシを追い払ってくれる。
アルミホイルはレフ板の代わりにもなる?
太陽光の下で撮影する際、影になって被写体が暗く写ってしまうことがある。これを防ぐために活躍するのがレフ板だ。クシャクシャにしたアルミホイルを引き伸ばし、板などに貼り付けよう。本物のレフ板とまではいかないが、かなり近い効果が得られるはずだ。
3. アルミホイルでおにぎりを包むとおいしく感じる理由

おにぎりを包むときにラップを使う方も多いが、アルミホイルのほうがおいしく感じる方もいる。実際のところどうなのだろうか?
おにぎりをアルミホイルで包む効果とは?
ラップでおにぎりを包んだ場合、おにぎりから出る水蒸気が時間とともに溜まる。包みを解くと汗のような水滴が付着していることがわかるだろう。一方アルミホイルで包んだ場合、アルミホイルのシワのおかげでおにぎりとの間に隙間が発生し、シワの中に水蒸気が溜まる。そのため、おにぎりがベタつきにくくなりおいしく感じるというわけだ。なお包むときはアルミホイルを米に密着させるのではなく、軽くシワをつけてからふわっと覆ったほうがおいしさを維持しやすい。
アルミホイルをくっつきにくくするには
裏表問わず、アルミホイルの表面はツルツルしているため基本的にはくっつきにくい。だが調理中に油などが固まると、くっついてしまうことがある。アルミホイルを使用する前に手でクシャっとしたシワをつけ、食材とアルミホイルの間に隙間を作っておくと食材がくっつきにくくなる。
そもそもくっつきにくい製品もある
アルミホイルに食材がくっつきにくいよう、シリコン樹脂で表面に加工を施した製品も販売されている。片面のみに加工が施されている場合は裏表が存在するようだ。裏表があるものは、加工されていてツヤがない面を表とすることが多い。
4. アルミホイルを電子レンジで使わないほうがよい理由

アルミホイルは料理のさまざまな場面で使えるが、電子レンジとは相性がよくない。アルミホイルと調理器具の関係を確認してみよう。
電子レンジでの使用を避けたほうがよい理由
アルミホイルを電子レンジで使うことはできるが、なるべくなら避けたほうがよい。電子レンジはマイクロ波を食材に照射し、食材内の水分を震わせることで加熱する。アルミホイルはそのマイクロ波を反射してしまうため、中の食材が温まりにくくなる。
また電子レンジの壁にアルミホイルが触れていると、放電の危険性もある。どうしても使わなければならないときは、電子レンジから目を離さないようにしよう。基本的に電子レンジにはラップを使い、オーブンにはアルミホイルを使うとようにするととよい。
また電子レンジの壁にアルミホイルが触れていると、放電の危険性もある。どうしても使わなければならないときは、電子レンジから目を離さないようにしよう。基本的に電子レンジにはラップを使い、オーブンにはアルミホイルを使うとようにするととよい。
オーブンとアルミホイルは相性バツグン
お菓子作りやホイル焼きなど、オーブンを使った料理でアルミホイルを活用する機会は多い。アルミホイルは熱伝導性や耐熱性に優れていることから、オーブンとの相性がよい。
トースターやグリルなどにもおすすめ
アルミホイルはトースターや魚焼きグリルなど、オーブン以外の調理器具で使うこともできる。食材から出た油や水分などをアルミホイルが受け止めてくれるので、洗い物も簡単に行える。食材の上からアルミホイルをかぶせれば表面の焦げすぎを防げるので、温度調整にも活用しよう。
5. アルミホイルに裏表はない!幅広い用途があることを覚えておこう

アルミホイルには光沢面とマット面があるが、裏表は存在しない。どちらの面を使っても機能性は同じなので神経質になる必要はないだろう。紹介したようにアルミホイルは意外と用途が幅広く、さまざまな使い方ができる。知らなかった方はぜひこれを機に、日常生活のいろいろな場面でアルミホイルを活用してみてほしい。
結論
アルミホイルに食材がくっついてしまうのを防ぐには、軽くシワをつけてから使用するとよい。完全に防ぐことはできないまでも、あの煩わしさやストレスを軽減できるだろう。またお伝えしたように、電子レンジでの使用は絶対NGというわけではないものの、できる限り避けることをおすすめする。
(参考文献)
- 1:一般社団法人 日本アルミニウム協会「社会に貢献する アルミ箔の世界:よくあるご質問」
https://www.aluminum.or.jp/haku/faq/index.html - 2:一般社団法人 日本アルミニウム協会「アルミニウムと健康」連絡協議会
https://www.aluminum.or.jp/aluminum-hc/p_4/index.html
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