目次
- 1. 吹き抜けに窓を取り付ける4つのメリット
- 2. 吹き抜けに窓を取り付ける5つのデメリット
- 3. 吹き抜け窓にもカーテンが必要な理由
- 4. 吹き抜け窓におすすめのカーテンとは?
- 5. 吹き抜け窓にカーテンを取り付ける際の注意点
- 6. 吹き抜けに合うのはどんな照明?
- 7. 吹き抜け窓のお手入れ方法も知っておくべき
- 8. 吹き抜けはよく考えないと後悔することも!失敗しがちなポイントとは
1. 吹き抜けに窓を取り付ける4つのメリット

吹き抜けがあるだけでオシャレで広々とした印象を与えることができるが、さらに「窓」をプラスすることにより、次のようなメリットが生まれる。
採光性が増し家の中が明るくなる
吹き抜け上部に窓を取り付けることで採光量がアップする。上の階から日光を採り込むことで、2階から1階まで明るく照らせるというわけだ。住宅が密集している都市部のご家庭の場合、1階部分が隣家の建物や壁で遮られてしまうが、そんなとき吹き抜け窓があれば上から明かりが入ってくるため、十分な明るさを確保しやすい。
吹き抜けからさらに外が見えるため開放感がある
吹き抜けだけでも開放感があるが、窓を取り付けることで外も視界に入ってくるため、その開放感が大幅にアップする。視線が窓の外に誘導されるため、外の景色と日光を感じることができるためだ。空間に広がりが生まれて天井もより高く見える効果があるので、部屋がかなり広く感じられるだろう。狭い面積の部屋でも圧迫感が軽減されて過ごしやすくなるはずだ。
日光により体内時計の調節や日向ぼっこができる
何かと忙しい現代、知らずのうちに生活リズムが狂ってしまうという方も多いだろう。そんなとき吹き抜け窓があれば、朝リビングにいるだけで太陽の光を採り込めるため、乱れた体内時計をリセットしやすい。健康のために欠かせない日光浴も、吹き抜け窓があればご家庭にいながらできるだろう。
開閉式の窓にすれば効率よく換気できる
吹き抜け窓を開閉式にした場合、開けることで風の通り道を作ることができる。「換気がしやすい」「通気性が確保されている」という2点は、快適な家の条件ともいわれている。住宅が密集しているエリアや、リビングの窓を開けると騒音が入ってきたり排気ガスが入ってきたりするといったエリアでも、快適に換気できるようになるだろう。
2. 吹き抜けに窓を取り付ける5つのデメリット

一方、吹き抜け窓にもデメリットはある。むしろこちらを把握しておかないと後悔しかねないため、きちんと理解しておくことが大切だ。デメリットといえば次のようなことである。
空間が広く冷却効果や暖房効果が薄れるおそれがある
窓うんぬんの前に「吹き抜け」があることで空間が広くなる。冷たい空気は下に溜まるため、吹き抜けのほうまで冷房が行き届きにくくなるということだ。しかも冷やしているところ(リビングなどのスペース)に日光が降り注ぐので、余計に効率が低下するおそれもある。
冬は冬で、暖気が上のほうへ溜まるため足元が暖まりにくい。しかも窓など開口部からの熱の出入りは約74%といわれている。せっかく上のほうへ溜まった暖気も、窓から逃げてしまうおそれがあるというわけだ。
太陽や窓の角度、時間帯によっては非常に眩しい
吹き抜け窓を設置する角度にもよるが、西側であれば夕刻などに西陽が差し込んでくるなどして非常に眩しくなることが考えられる。北側に設置するのが基本だが、設計上難しく西側に設置する場合は、カーテンを取り付けるなど工夫しよう。
外から覗ける位置・高さの場合は視線が気になる
こちらも吹き抜け窓の高さや角度などによって変わるが、2階程度の高さだと隣家から丸見えだったり、近所に高層マンションなどがあれば家の中が見えてしまったりすることもある。遮像加工の窓を取り付けるといった工夫が必要になるかもしれない。
手が届きにくいためメンテナンスが大変
吹き抜け窓は高い位置にあるため、腰窓や掃き出し窓のように手が届くことはほとんどない。お手入れやちょっとしたメンテナンスが大変になると思っておこう。吹き抜けに合わせて、エアコンを高い位置に設置した場合も同様に、エアコンのお手入れが大変になる。
建物全体の「強度」の面でやや不安が残ることも
さすがにプロの建築士が設計し建築するため過度に心配する必要はないかもしれないが、吹き抜けを作り、本来壁である部分を窓にした場合、若干強度面で不安が残るという方もいる。建物全体の耐震性を高める、強化ガラスを入れるなどして対策する必要が出てくるかもしれない。
3. 吹き抜け窓にもカーテンが必要な理由

吹き抜け窓にはカーテン(ブラインド/ロールスクリーン)を設置するのがおすすめだ。その理由を解説していこう。
日光を遮ることができる
多くの日差しを採り込めるのが吹き抜け窓の魅力だが、時間帯や季節などによっては非常に眩しく感じることもある。冬なら柔らかい光も、夏は強く日照時間が長い。紫外線による日焼けも心配だろう。カーテンがあれば気になったときすぐに閉められる。材質や開閉具合によって採り込む光の量をコントロールできるのもメリットだ。
目隠しになる
カーテンがない吹き抜け窓は、外から丸見えになるおそれがある。昼間はもちろん、夜は夜で電気をつけたときにかなり目立つ。相手は覗くつもりはなくても、2階の窓やベランダから見えてしまうこともあり、お互い目が合って気まずい思いをするといったケースもあるだろう。カーテンがあれば、必要なときに目隠しができるので安心だ。
暑さや寒さが軽減される
吹き抜け窓は一般的な壁と比べて暑さや寒さを伝えやすい。夏は日光によって熱がこもり、冬は上部に溜まった温かい空気を冷やしてしまう。外からの熱を遮り、中の暖気を逃さないためにはカーテンが有効だ。断熱や防寒など高い機能性をもったものなら、より快適に過ごせるだろう。
4. 吹き抜け窓におすすめのカーテンとは?

吹き抜け窓にカーテンを取り付ける場合、選ぶ基準は一般的な窓と異なる。どのようなカーテンがよいのか詳しく解説しよう。
電動カーテンレール
吹き抜け窓は容易に手が届かない位置にあることがほとんどである。したがって、掃き出し窓と同じようなカーテンを取り付けてしまうと開閉が困難になる。その点、電動カーテンレールを設置したうえでカーテンを取り付ければ、スイッチひとつで開閉できるようになって便利だ。
ただし自分で取り付けるのは難しいため業者に依頼することになるだろう。一般的なカーテンレールやロールスクリーンよりも費用が高くなるため、よく確認しておくことが大切だ。
ロールスクリーン
吹き抜け窓にロールスクリーンを取り付ければ、1階からでも開閉の操作ができる。チェーンの長さやスクリーンのサイズはオーダー可能だ。また生地の選び方次第では、閉めた状態でも適度な明かりを採り込めるだろう。電動カーテンと同じようにスイッチで開閉できるロールスクリーンもある。
ローマンシェード(カーテンシェード)
もうひとつ、吹き抜け窓のオシャレさを損ないにくいローマンシェードもおすすめだ。凝ったデザインのものが多くバリエーションも豊富なので、ご家庭の雰囲気に合わせて選びやすい。レール不要で取り付けできるのもメリットだろう。ただしローマンシェードは小窓に取り付けられることが多い。吹き抜け窓となるとコストが膨らむおそれがあるため気をつけよう。
5. 吹き抜け窓にカーテンを取り付ける際の注意点

吹き抜け窓にカーテンを取り付ければ、吹き抜け窓のさまざまなデメリットが解消または軽減される。ぜひおすすめしたいところだが、1点気をつけてほしいポイントもある。
ウォッシャブルタイプなどお手入れしやすいものを選ぶこと
吹き抜け窓と同様に、カーテンもお手入れがしにくい。ホコリが溜まれば上から降ってくるといったことも考えられる。丸洗いできるウォッシャブルタイプおよび、ホコリがつきにくい素材のものを選ぶとよいだろう。
6. 吹き抜けに合うのはどんな照明?

吹き抜け窓やカーテンについて解説してきたが、もうひとつ考えたいことがある。照明だ。吹き抜けに設置するということは、照明も高い位置に設置することになる。どういったタイプの照明が合うだろうか?
手軽なのはペンダントタイプの照明
いわゆる、天井から吊り下げるタイプの照明だ。探してみると意外と種類が多いことに気づくだろう。長短や大小を組み合わせたり、いろいろな形のものを取り付けたりなど、組み合わせ次第でいくらでも空間を変えられる楽しみもある。
オシャレさ重視なら間接照明もよい
まだ太陽が沈みきっていない時間帯や、メインの照明がほかにあり部屋全体を明るくする必要がない場合などは、間接照明もおすすめだ。一気にムーディーにできる。こちらもペンダントタイプの照明と同様にさまざまな商品が販売されている。お好みのもので選んでいこう。なお壁や天井などの近くに取り付ける場合は、発熱量が少ないLEDにするとよいだろう。
シーリングファンもおすすめ
空気を循環させるためのファンに、照明器具が取り付けられているものがシーリングファンだ。ご家庭の吹き抜けにファンを取り付けるのであれば、いっそシーリングファンにしてしまうというのはいかがだろうか?オシャレな雰囲気も出せるし、別途設置場所を確保する必要もない。
7. 吹き抜け窓のお手入れ方法も知っておくべき

高い位置にある吹き抜け窓は掃除が大変だが、だからといって掃除しないわけにもいかない。どういったやり方があるのかも確認しておこう。
吹き抜け窓の掃除方法
吹き抜け窓に溜まるホコリや結露には、柄が長い掃除用ワイパーを使おう。窓掃除専用のワイパーが便利だが、フローリング用でも代用できる。シートの代わりに濡れた雑巾を取り付けることで水拭きが可能だ。掃除したあとは床にホコリが落ちるので、掃除機でキレイに吸い取ろう。
業者に依頼するのも手
吹き抜け窓の場所が高すぎると市販のワイパーでは届かないことがある。カビが生えれば水拭きだけで落とすことは困難になる。高い脚立に昇って掃除する方法もあるが、足場が不安定で作業がしにくいうえ、無理をすれば転倒や落下といった事故にもつながるおそれがある。
吹き抜け窓を安全に掃除するのであればハウスクリーニング業者の利用も検討しよう。素人では掃除が難しい、細かい汚れやカビまでピカピカにしてくれるはずだ。
8. 吹き抜けはよく考えないと後悔することも!失敗しがちなポイントとは

最後に、これから吹き抜けをつくろうと思っている方に向けて、失敗しないためのポイントをお伝えする。「絶対にNG」というものではないが、こうした吹き抜けは意外と後悔することがあるため熟考したほうがよいだろう。
窓の対面の壁との距離が近すぎて、窓のメリットを十分享受できなかった
窓の対面の壁がすぐ近くにあると、開放感がメリットである吹き抜けの意味が半減してしまうおそれがある。採光も不十分になるかもしれないと思っておこう。
ただ単に狭く、思っていたほどの開放感やオシャレ感は得られなかった
狭いのも同様に、開放感を味わえない場合がある。せっかくの太陽の光も、リビングに届く前に壁に当たってしまえば明るさを十分に感じられない。奥行きは広くとることが大切だ。
窓の角度が悪く、ほしい時間帯に太陽の光が入り込んでこなかった
吹き抜け窓の位置が悪いと、せっかくの日差しがうまく採り込めないことがある。お昼どきに日光が部屋ではなく壁に当たってしまうなどすれば非常にもったいない。吹き抜け窓は角度も重要なので覚えておこう。
玄関に設置したため、玄関の明るさはあるがリビングに開放感がない
玄関上の吹き抜けだが、こちらは玄関での滞在時間が短いため、せっかくの良さを感じられないおそれがある。それに、玄関は明るくて快適かもしれないが、長い時間を過ごすリビングなどでその開放感を味わえない。やはり熟考が必要だろう。
結論
吹き抜け窓があるだけで、部屋が明るくなったり開放感が増したりといろいろなメリットがある。強い日差しや視線などの問題は、カーテンやロールスクリーンで解消しよう。高い位置にある吹き抜け窓には、電動カーテンレールがおすすめだ。設置したら、定期的に掃除してキレイに保つことも忘れないようにしよう。
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