目次
1. ネロ・ダヴォラとは?味わいや香り、言葉の意味などの基本的な特徴を確認

ネロ・ダヴォラはイタリアの南に位置するシチリア島で多く植えられているブドウだ。日本人には少し発音しにくい名前だが意味が分かると覚えやすい。ワイン用ブドウとしての特徴と合わせて、ネロ・ダヴォラがどういったブドウなのかを見ていこう。
ネロ・ダヴォラという名前の意味
イタリア語でネロは黒、ダヴォラはイタリア・シチリア島のアヴォッラという村の名前からきている。つまりネロ・ダヴォラは「アヴォッラの黒(ブドウ)」という意味だ。名前にもある通りイタリアの中でもシチリア産のものが多く出回っている。あまり見かけないがカラブレーゼという別名もあり、カラブリア州などではこちらの名前がよく使われる。
ネロ・ダヴォラの味わいや香り
ネロ・ダヴォラは豊かで凝縮感のある果実味と酸味、しっかりとしたタンニンが特徴のワインを生み出すブドウだ。力強い香りを持ち、ほのかにスパイシーかつ甘味を感じさせる。飲みごたえのあるワインが好きな人に合うブドウといえるだろう。手ごろな価格帯のものから高品質なものまで商品の種類も多いブドウである。
2. ネロ・ダヴォラの原産地は?他の産地や特徴・違いについても紹介

前項でも少し触れたが、ネロ・ダヴォラの原産地は名前の由来にもなっているシチリア島のアヴォッラだ。生産量や日本で出回っている商品数も圧倒的にシチリアのものが多い。しかし見かける頻度は少ないながら、他の地域や国でもネロ・ダヴォラを育てているところがある。それぞれの地域の特徴とともに見ていこう。
シチリア(イタリア)
ネロ・ダヴォラの原産地であるシチリアでは数百年前からこのブドウを栽培しており、つくっているワインも多様だ。カジュアルな価格帯のものが多いが高級路線のネロ・ダヴォラワインも増えてきており、国際的な評価も上がっている。
オーストラリア
その国土の広さと欧州系の移民が多いことから多種多様なブドウが栽培されているオーストラリア。生産量は少ないながらネロ・ダヴォラも栽培されており、その多くがこだわってつくられた個性のあるワインとして注目されている。
アメリカ
アメリカで最も有名なワイン産地のカリフォルニアでも、イタリア系品種の栽培とワインづくりが行われている。樽との相性がよく熟成にも向いたネロ・ダヴォラはカリフォルニアワインのスタイルに合うのだろう。ネロ・ダヴォラが好む温暖なエリアを中心に、アメリカらしいエレガントで力強いワインが生み出されている。
3. ネロ・ダヴォラに合う料理とおすすめの飲み方

ネロ・ダヴォラの果実味は豊かでボリュームがあり、カジュアルなメニューから手の込んだ料理まで幅広く合わせやすい。フルボディのネロ・ダヴォラの場合はビーフシチューなど味の濃い肉料理が合う。ミディアムボディのものであればトマトを使ったパスタやピザから、照り焼きチキンなど甘辛い味付けの料理や和食にも合わせやすい。渋味が強いものでなければ冷やして飲んでも美味しく、特に夏場は少し冷やして飲むのがおすすめだ。
4. ネロ・ダヴォラのおすすめワイン4選

ネロ・ダヴォラと一言にいってもさまざまな味わいと価格帯のワインが出回っている。もともと万人受けしやすいブドウだが、細かい特徴に目を向けてみるとより自分好みの一本に出会いやすいはずだ。どういったタイプのネロ・ダヴォラワインがあるか見てみよう。
ヴェルガ 『イル・ポッジョ ネーロ・ダーヴォラ』
手に取りやすい価格と万人受けするジューシーな味わいで飲食店での取り扱いも多いワインだ。フルーティかつ少しスパイシーで、肉料理やチーズによく合う。肩肘張らずに気軽に飲めるカジュアルなワイン。
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カルーソ・エ・ミニーニ 『パルヴァ・レス・ネロ・ダーヴォラ』
スパイシーな香りと濃縮感のある力強い味わいで、シチリアらしい豊かな果実味を楽しめるワイン。飲みごたえがあるワインが好きで、かつ渋味の強すぎない赤ワインを探している人におすすめしたい。
カンティーナ・チェラーロ 『ルーマ ネロ ダーヴォラ』
シチリアのワイン生産者組合が手がけるワインで、ブドウづくりからワイン醸造、ラベルデザインに出荷まで自社で行っている。2018年には日本人女性審査員によるワインコンペティション・サクラワインアワードで最高賞を受賞したこともある女性受けのよいワインだ(2016ヴィンテージが受賞)。リッチな果実感に穏やかな酸味とタンニンを備えたまろやかな味わいで、女性人気の高さにも納得がいく一本。
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サンタ・テレザ 『プラート ネロ・ダヴォラ オーガニック』
1000円台前半という手ごろな価格帯では珍しいオーガニックワインだ。フルーティで少し甘酸っぱさのあるワインで冷やしても美味しく飲むことができる。商品名の「プラート」はイタリア語でピュアという意味をさす。名前に合ったナチュラルな味わいで、優しい味のワインを探している人におすすめしたい。
5. ネロ・ダヴォラに詳しくなってワインをより楽しもう

ネロ・ダヴォラはいくつかの産地でつくられるが、普段よく見かけるものはシチリア産のものが多い。とはいえシチリアは広く島内でも気候や味わいの差があり、原産地呼称を名乗れる地域が17もある。早飲みのものから樽熟成を経て円熟味が増したもの、有機農法で栽培されたものなどバラエティ豊かだ。価格帯が低めのブドウなので、同じブドウでその他の条件が違うワインと比較しやすい。ネロ・ダヴォラは自分好みのワインを深く探るのによいブドウ品種だといえる。
結論
ネロ・ダヴォラというブドウ品種について紹介した。カベルネソーヴィニョンなど他の品種に比べると耳慣れないブドウだが、とても身近に存在しているワインだ。比較的価格が抑えめで味わいも万人受けするタイプなので、ワイン売り場で見かけたときはぜひ手に取ってみてほしい。