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【マスカット・ベリーA】とは?世界に誇る日本のブドウを紐解く

【マスカット・ベリーA】とは?世界に誇る日本のブドウを紐解く

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

2020年9月19日

マスカット・ベリーAという品種のブドウをご存知だろうか?日本で開発されたこのブドウは、まさに「大和撫子」といえそうな、柔らかな風味と甘い味わいが特徴だ。本記事ではマスカット・ベリーAを使ったワインを中心に、マスカット・ベリーAの魅力を解説する。

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1. マスカット・ベリーAとは?味わいや香りなどの基本的な特徴を解説

日本のワインを代表するブドウ品種であるマスカット・ベリーAはマスカット・ベーリーAとも呼ばれている。日本ではかなりメジャーなブドウの品種だ。ここでは、マスカット・ベリーAの基本的なプロフィールについて解説しよう。

品種の特徴

マスカット・ベリーAは、マスカット・ベーリーA、マスカット・ベイリーAとも呼ばれる、食用と醸造用の兼用種である。生食の場合は8月下旬以降が旬のブドウだ。少し厚めの皮の下にある甘味と少しの酸味が凝縮された、ジューシーな果肉が特徴である。本来、ワイン用のブドウ品種は種が大きく皮が厚いことが多い。これはワインに必要なタンニンが多く含まれていることの証で、酸味が強く、またワインの色を出すためにも必要な特徴である。逆に生食用のブドウはこれとは正反対の性質を望まれることが多い。そのため、食用にも醸造用にもなるマスカット・ベリーAは珍しい品種なのである。

ワインの味わい

マスカット・ベリーAはワインにすると可憐で上品な味わいになる。綿菓子やいちごあめのような、砂糖を熱した際に感じられる非常に甘い香りがする。また味わいに関してはタンニンが軽く、一方で酸味をしっかりと感じられる。果実味がしっかりとしていて渋味が軽い、滑らかな味わいだ。

マスカット・ベリーAの歴史

マスカット・ベリーAは黒ブドウのベーリー種とマスカットハンブルグ種を掛け合わせて日本で誕生した品種だ。1927年、現在の新潟県上越市で日本ワインの父とも呼ばれる川上善兵衛氏によって交配された。この品種は日本の気候に合わせた耐寒性や耐湿性、耐病性を持つ。2013年には国際ブドウ・ワイン機構に正式に品種登録されたほど、日本を代表する品種の一つとして国際的な知名度のある品種だ。

2. マスカット・ベリーAの主な産地とその特徴

マスカット・ベリーAは日本固有の品種だ。国内にいくつか産地があり、マスカット・ベリーAで醸造するワイナリーも多い。そこで、マスカット・ベリーAの産地を解説し、その特徴とともに紹介しよう。

山梨県

現在のマスカット・ベリーA種のほとんどが山梨県で生育されている。山梨県は降雨量が少なくブドウ生育時期の日照量が長いためブドウ全体が生育しやすい。山梨県のマスカット・ベリーA種は日本で最もメジャーな味わいだといえるだろう。

新潟県

このブドウの故郷である新潟県では、ブドウの生産量こそ少ないものの非常に特徴的な味わいとなるマスカット・ベリーAが栽培されている。日中は暑いが夜は涼しくなる寒暖差の大きな夏の気候と、水はけのいい砂地はブドウの糖度を高くする。そのためワインの総生産量は少ないが、品質が高くほかのものより果実味が強い味わいになる。

岡山県

岡山県もマスカット・ベリーA種の名産地だ。岡山県は「晴れの国」の異名を持つほど年間晴天日が多く日照量が多い。また生育時期の平均気温が20度以上と高く、フルーティな味わいのブドウができる。まろやかな味わいが特徴だ。

3. マスカット・ベリーAは栽培できる?育て方をご紹介

マスカット・ベリーAは日本の気候に適したブドウだ。そのため家庭でも比較的簡単に育てることができる品種である。そこで、日本の家庭でマスカット・ベリーAを育てる方法を解説する。

植樹・植え替え

初心者は苗木を買うと簡単だ。マスカット・ベリーAの植樹の時期は11月〜3月が適している。まずは10号ほどの大きさの鉢やプランターを用意しよう。鉢底石を底が見えなくなるまで入れたら果樹用の腐葉土を入れ、根をちぎらないように広げながら植えていく。果樹は接木のものがほとんどなので、接ぎ目は土に埋まらないようにする。地植えの場合は地面の土:果樹用腐葉土:赤玉土を5:3:2の割合で混ぜる。また土の酸性度、pHは7程度に保つとよい。ブドウの場合は土のpHが6.5〜7.5で生育に適し生産力が高まる「好適pH」であるからだ。

水やり・肥料

基本的にブドウは耐乾性で、水をやり過ぎると根腐れを起こすことがある。マスカット・ベリーAを鉢植えで育てる場合の水やりは、天候にもよるが1日1回で十分だ。地植えの水やりの場合、雨の多い季節には少なめで十分といえる。また2月・6月・9月の3回に分けて追肥をする。

その他のコツ

ブドウは支柱がないと地面をはってしまう。そのため、フェンスや支柱を立ててはわせるのがよい。最初は支柱をまっすぐ立て、主枝が立てなくなってきたら支柱に螺旋状に巻きつける。病気にはなりにくいものの、病気の葉を見つけたら早めに取り除いたり、苗木時代は害虫防止に細いビニール袋で覆うことが大切だ。

4. マスカット・ベリーAに合う料理やおすすめの飲み方

マスカット・ベリーAは非常に飲みやすいワインだ。その甘い香りは、可憐な花のような印象まで人々に与える。そんなマスカット・ベリーAを使ったワインを味わうには料理にもこだわりたい。そこで、ここからはこのワインに合う料理を解説する。

日本ワインに合う料理

日本で育ったブドウを使ったワインは、基本的に和食との相性がバツグンだ。たとえば、甲州という品種のブドウでできた白ワインはおでんや刺身との相性がいい。またマスカット・ベリーAは醤油を使った料理との相性がいい。このように日本ワインはうまみを存分に引き出すのに適しているのである。

マスカット・ベリーAに合うおつまみ

黒ブドウであるマスカット・ベリーAからは主に赤ワインが作られるので、肉料理とも合う。しかしそれは醤油ベースのものが望ましく、たとえば焼き鳥などがより適している。また肉じゃがや赤身の刺身、豚のしゃぶしゃぶなどとの相性もいい。洋食であればトマト系パスタやアクアパッツァなどと合わせると、さっぱりした洋食のうまみを引き出してくれる。

マスカット・ベリーAに合わせる簡単レシピ

最後に、家でも簡単に作ることのできるおつまみレシピを紹介する。準備するものは鶏胸肉1枚、山芋100g程度、塩小さじ1/2と塩麹20g、白味噌40g、蜂蜜15g、みりん小さじ1を混ぜ合わせたもの、そしてごま油だ。作り方は、まず皮を取り除いた鶏胸肉に塩をふって15分ほどなじませる。また山芋は皮をむいておき、縦半分に切っておく。塩麹や白味噌を合わせたものを2:1の割合で2つの袋に分け、多い方に鶏胸肉を、少ない方に山芋を入れて一晩置く。鶏胸肉はごま油を塗って予熱なし・140度のオーブンで40分焼き、冷めたら切って山芋とともに盛り付ける。ロゼでいただく場合は七味を、赤ワインの場合は山椒をふって完成だ。

5. マスカット・ベリーAのおすすめワイン

マスカット・ベリーAのワインで乾杯するシーンは、カジュアルからお祝い、自分へのご褒美などさまざまだろう。そんなTPOに合った、ライトボディ、ロゼ、ロゼ・スパークリングの3つを紹介しよう。

ライトボディ

京都の北方にある丹波地方にあるワイナリー・丹波ワインで作られた「マスカット・ベーリーA 樽熟成 2016 720ml」を紹介する。このワイナリーは京都という特徴を生かし、特に和食に合わせやすいワインを醸造している。紹介するワイン、「マスカット・ベーリーA 樽熟成 2016 720ml」は、テーブルワインとしても、少し豪華なディナーの席にもぴったりのワインだ。このワインで使用されているマスカット・ベリーAは山梨県産で、樽熟成されているため酸味が落ち着いてまろやかだ。ライトボディで辛口の味わいは料理の味を引き立て和食にぴったりでもある。ラベルも京都らしく、はんなりとした雰囲気を感じられる一本となっている。公式オンラインショップで購入が可能だ。

ロゼ

マスカット・ベリーAはロゼワインも多く作られている。次に紹介する、「日本の地ワイン 国中マスカット・ベーリーA ロゼ」はそんなロゼワインの中でもほのかに甘く、優しい味わいだ。シャトー・メルシャンというブランドが山梨県国中地区のブドウを使用して醸造したワインで、色合いがかわいらしく、華やかで優雅な味わいがある。唐揚げなどのコクのある料理との相性がバツグンで、果実らしい甘さとほんのりとした酸味が味わえる。シャトー・メルシャン公式オンラインショップなどで購入可能だ。
商品情報
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ロゼ・スパークリング

最後はマスカット・ベリーAの生まれ故郷、新潟県で作られたロゼ・スパークリングワインを紹介しよう。「岩の原スパークリングワイン ロゼ マスカット・ベーリーA 750ml」は川上善兵衛氏のブドウ園をもとに発達した岩の原葡萄園というワイナリーが手掛けている。味わいは辛口で、ほのかに甘い香りとさわやかな酸味が楽しめる。シャンパーニュと同じ製法で作られたきめ細かい泡のスパークリングワインで、値段は一本4000円台となっている。新潟県産マスカット・ベリーAの果実味を存分に味わえるこのスパークリングワインは、岩の原ワインオンラインショップなどで購入できる。

6. マスカット・ベリーAに詳しくなってより深くワインを楽しもう

マスカット・ベリーAをはじめとする日本生まれのブドウを使ったワインは、近年海外からも高い評価を受けている。従来日本のワインは、ワイン伝統国であるフランスなどヨーロッパ諸国産のワインの品質や味わいに追いつくことを目標としていたが、最近では日本らしさを追求するワイナリーが徐々に増えている。近年では、日本ワインを代表する種として「甲州」が有名だ。甲州は世界的な賞を2年連続で受賞するなど、世界でも非常に高い評価を得ている。そんな中でマスカット・ベリーAも着実に名声を上げており、ビンテージワインが受賞することも多く、また国際的な賞を受賞することも増えてきた。たとえばシャトー・メルシャンの「穂坂マスカット・ベーリーA」の2015ビンテージは、2018年香港で開かれた香港インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション2018にてワインアワード銀賞とクン・パオ・チキン賞を受賞している。このように、マスカット・ベリーAの名前は今後さらに知られていく可能性が高いので、実際に飲んでみたりほかのワインと比較してみることをおすすめする。さらにワインについての知識が深まり、楽しむことできるようになるだろう。

結論

マスカット・ベリーAは、日本が世界に誇るワイン用ブドウの品種だ。日本で生育しやすいように川上善兵衛氏が品種改良を重ねた結果、生食が可能でかつワインにも向くという珍しい種類となった。このブドウで作られたワインの特徴は甘い香りとさわやかな果実味だ。赤ワインとしても、ロゼやロゼ・スパークリングとしても楽しめ、国際的に品種登録もされている。日本固有のさっぱりとして穏やかな、大和撫子のような味わいを楽しんでみてはいかがだろうか。
  

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