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メルローとは?特徴や主な産地を解説!おすすめのワインや料理も紹介

メルローとは?特徴や主な産地を解説!おすすめのワインや料理も紹介

投稿者:ソムリエ 垣内悠里(かきうちゆり)

鉛筆アイコン 2020年10月 4日

メルローは世界中で栽培されている人気の高い黒ブドウだ。高級ワインからデイリーワインまでさまざまなワインが造られている。ふくよかな果実味で親しみやすく、若いうちから楽しめるのもメルローの特徴だ。今回はおすすめのワインや合わせたい料理も紹介するのでぜひ参考にしてほしい。

  

1. メルローとは?味わいや香り・歴史などの基本的な特徴を解説

メルローは世界中で栽培されているワイン用の黒ブドウだ。フランスでは最大の栽培面積を誇っている。カベルネ・ソーヴィニヨンより早熟で、涼しい気候でも完熟し、多産であることが特徴だ。果実に関しては、カベルネ・ソーヴィニヨンよりも果皮が薄く果粒は大きい。そのため、ワインになるとタンニンが控えめで糖度が高く仕上がる。「メドック・ノワール」「セミヨン・ルージュ」「プティ・メルル」など別名(シノニム)は多数存在するが、「メルロー」という名前で広く認知されている。英語やフランス語での表記は「Merlot」だ。黒ブドウなので赤ワイン用のブドウというイメージが強いかもしれないが、ロゼや白ワインも生産されている。

メルローのワインの香り・味わい

メルローはブラックチェリーやプルーンなどの果実やコーヒー、チョコレートの香りをもち、熟成すると土っぽさも現れる。カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランがもつ植物のような青い香りは、メルローにはあまりない。味の方はというと、メルロー単体のワインは凝縮感たっぷりの果実味と、やわらかな酸味やタンニンで親しみやすい味わいだ。カベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされると、タンニンや酸味が穏やかでバランスのとれたワインに仕上がる。

メルローの歴史

メルローは、カベルネ・フランとマドレーヌ・ノワール・デ・シャラントというブドウの交配で誕生した。そのため、カベルネ・フランを親にもつカベルネ・ソーヴィニヨンとカルメネール、マドレーヌ・ノワール・デ・シャラントを親にもつマルベックとは兄弟種にあたる。メルローという名前はフランス語で「クロウタドリ」を意味する「merle」が語源という説が有力だ。現存するメルロー最古の記録は、1784年のボルドー地方のワインラベルに記載されていた名前だ。当初は二流の品種とみなされていたが、現在では高級ワインからテーブルワインまで幅広く生産され、高い人気を誇っている。

2. メルローの主な産地は?産地ごとの違いや特徴についてご紹介

メルローは栽培しやすい国際品種というイメージが定着しているが、実際のところメルロー栽培にぴったりな産地は限られているという。ここではこれまでに高い評価を受けてきた代表的な産地を紹介する。

フランス

フランスのボルドー地方はメルローの原産地であり、現在もメルローの銘醸地として上質なワインを生み出している。とくに、カベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインにまろやかさを補う目的でブレンドされることが多い。一方、ドルドーニュ川右岸のサンテミリオンやポムロールではメルロー主体のワインが造られている。「シャトー・ペトリュス」「シャトー・ル・パン」「シャトー・シュヴァル・ブラン」といった最高級ワインを生む産地だ。ボルドーの熟成したワインには、果実味に加えて枯れ葉やキノコなどのニュアンスも現れるといわれている。

イタリア

イタリアは土着品種の生産量が多いが、国際品種ではメルローが最も多く栽培されている。北イタリアを中心に国土のほぼ全域で栽培され、カジュアルなテーブルワインの生産が多いが、高品質なワインも存在する。スーパータスカンで脚光を浴びたトスカーナ地方のボルゲリでは、メルロー主体で力強くも上品な味わいのワインを生み出している。

日本

日本の気候は高温多湿なため、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールの栽培が難しい。一方、メルローは日本の気候条件に順応し、長野県、山梨県、北海道などでメルローのワインが造られている。なかでも長野県の「シャトー・メルシャン 信州桔梗ヶ原メルロー1985」は国際ワインコンクールで大金賞を受賞し、日本のワインの実力が広く知られるきっかけとなった。現在も長野県塩尻市周辺はメルローの銘醸地として知られており、国際的に高い評価を得ている。

3. メルローに合う料理は?おすすめの飲み方と合わせて確認

メルローは、タンニンと酸味が穏やかで味わいにまるみがあるので、まろやかな煮込み料理との相性がよいとされている。また、すき焼きやしゃぶしゃぶ、肉じゃが、焼き鳥などの和食と合わせやすいのも大きな特徴だ。

ワインは産地によっても味わいに違いが出る。サンテミリオンやポムロールのワインはよりエレガントに仕上がるので、シンプルな味つけで素材を味わえるローストビーフや赤身肉のステーキに合わせるのがおすすめだ。イタリアのテーブルワインは、ハンバーグやミートソースのパスタなどと気軽に楽しもう。チーズではカマンベールやゴーダのほかに、エポワスなどウォッシュタイプのチーズとも相性がよい。

メルローの香りや味わいをバランスよく楽しめる飲みごろの温度は、16~18℃とされる。グラスはボルドー型やチューリップ型とよばれる縦長の卵型のグラスを選ぶとよいだろう。

4. メルローで造られたおすすめワインは?

メルローは高級ワインからテーブルワインまで世界中で幅広く造られており、産地や造り手によって味わいもさまざまだ。今回紹介するワインはどれもネット通販で購入できるので、気になったワインはチェックしてみよう。

シャトー・プピーユ「シャトー・プピーユ」

「シャトー・プピーユ」は、ブラインド・テイスティングのコンテストで、かの有名な「シャトー・ペトリュス」と張り合った奇跡のワイン「プピーユ」のセカンドワインだ。手頃な価格だが、有機栽培の上質なメルローを100%用いて、樽選びから醸造までこだわって造られている。味わいは、熟した果実の香りやフレッシュな酸味、なめらかなタンニンが絶妙なバランスを保ち、フルボディながら上品で繊細だ。ボルドーらしいエレガントなメルローのワインを探している人や、自然派ワインが好きな人にもおすすめできる1本だろう。
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レッチャイア「レッチャイア メルロ」

トスカーナのモンタルチーノで「お値打ちな極上ワイン造り」をモットーにしている造り手がレッチャイアだ。モンタルチーノは、イタリア3大ワインのひとつとも称される「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」を生む銘醸地。レッチャイアは上質なブドウのよさを最大限に生かしたシンプルな醸造工程で、伝統的であり自然体なワインを生み出す。ブラックベリーやスパイスの豊かなアロマに、果実味やきれいな酸味、こなれたタンニンが心地よく、メルローならではのふくよかな味わいだ。なにより高品質なワインを低価格で肩ひじ張らずに飲めるのが一番の魅力だろう。
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ダックホーン・ヴィンヤーズ「ダックホーン デコイ メルロー ソノマ・カウンティ」

「ダックホーン デコイ メルロー ソノマ・カウンティ」は、カリフォルニアのソノマで造られるメルロー主体のワインだ。ダックホーン・ヴィンヤーズはナパ・ヴァレーのメルローを大成功させたことで有名だが、もうひとつの銘醸地ソノマでも多彩なワインを生み出している。メルローらしい熟した黒い果実やダークチョコレート、スパイスの香りに樽由来のバニラの香りも感じられる。のびやかな酸味とシルキーなタンニンのバランスが良く、凝縮感はあるがエレガントな味わいだ。そして値段は3,000円台というコストパフォーマンスのよさなので、ストック用に飲み疲れないワインを探している人にもおすすめしたい。
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バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド・マイポ・チリ「マプ メルロ」

「マプ・メルロ」をチリで手がけるのは、メドック格付け第1級のシャトー・ムートンを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社だ。気候にも土壌にも恵まれたマウレ・ヴァレーの自社畑で育ったブドウを100%使用している。赤や黒系果実の香りに、味わいは豊かな果実味とやわらかいタンニンでバランスがよい。すき焼きなどの和食との相性も抜群だ。飲みごたえがあり、テーブルワインとしてカジュアルに楽しめるだろう。
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シャトー・メルシャン「桔梗ヶ原メルロー」

シャトー・メルシャンの「桔梗ヶ原メルロー」は、国内外で高く評価されている赤ワインだ。黒い果実やスパイス、ハーブなどの香りに加え、空気に触れるにつれて熟成による複雑な香りが現れる。口に含むとほどよい酸味と心地よいタンニンがバランスよく調和し、余韻も長い。繊細さと力強さを兼ね備えたエレガントなワインだ。特別な記念日に、食事とともにゆっくり味わうのワインとしてもぴったりだろう。ワイン好きな人へのお祝いや贈り物としてもおすすめしたい。
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結論

メルローは国際品種として世界中で栽培されている。日本でもメルロー栽培は成功しており、メルローのワインは和食との相性もよい。味わいは果実味豊かで口当たりもよいで、渋みの強い赤ワインが苦手な人にもぜひトライしてほしい品種だ。
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    2020年10月 4日

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