目次
1. スワリングとは?回す意味などの基本的な情報をご紹介

まずはスワリングという用語の意味や効果など、概要を説明しよう。
スワリングとは
スワリングとは、ワインの入ったグラスをクルクル回す動作を指す用語だ。ワインを飲む前にワイングラスを回転させてからグラスに鼻を近づけてワインを香っている人を見たことがある人もいるだろう。「スワリング」という言葉は、英語で「渦巻く」や「回転させる」などを意味するSwirlの動名詞Swirlingからきている。
スワリングをする意味
スワリングをする目的は、ワインの香りや味わいをより楽しむことだ。ワインの種類や状態によってはボトルを開けたばかりの段階ではまだ本来のよさを発揮できていないものがある。その場合はスワリングしてワインを空気に触れさせるとより豊かな香りが広がったり、味わいがまろやかになったりするのだ。
2. スワリング禁止のワインもある?回さないものについても紹介

ワインにはスワリングしすぎない方がよいものや、スワリングの必要がないものもある。すべてのワインを同じようにスワリングしてしまうと、せっかくのよさを台無しにしてしまいかねないので注意が必要だ。ここではスワリングをおすすめできないワインやシチュエーションを紹介する。
スワリングしない方がいいワインは?
グラスに注いだ状態ですでに本来のポテンシャルを発揮し、素晴らしい香りが感じられて味わいも楽しめるワインはスワリングの必要がない。また、スパークリングワインは強くスワリングすると泡が飛んでしまう。そのためスパークリングワインの場合は美しい泡とともに立ちのぼる香りを静かに楽しんだり、グラスをそっと傾けてゆっくりひと回しする程度にしたりするのがよいだろう。白ワインもスワリングによって香りを感じにくくなったり、温度が上がりすぎたりすることがあるので注意しよう。
スワリングをする必要がないシチュエーション
レストランではワインをボトルからデカンタに移し替える「デカンタージュ」が行われてからグラスに提供されることがある。その場合、デカンタージュでワインが空気に触れることはスワリングと同じ効果をもっているため、グラスの中で改めてスワリングする必要はない。またマナーとして、レストランではあまりスワリングしすぎない方がよいと考えられていることも覚えておこう。
3. スワリングはどうやってやる?回す方向やコツなど正しいやり方を解説

スワリングについての基本情報や注意したいことが分かったところで、実際にスワリングをやってみよう。よりスマートにスワリングするためにもグラスを回すときのポイントやコツを覚えておいてほしい。
スワリングのやり方
まずはスワリングをする前にグラスを持ち、ワインを香ってアロマを感じてみよう。それからグラスを数回回転してスワリングする。慣れないうちはグラスをテーブルに置いたまま行うとやりやすいだろう。あまり勢いをつけすぎるとワインが飛び散るので丁寧に回すのがポイントだ。このとき、グラスを回転させる方向は右手なら反時計回り、左手なら時計回りと覚えておこう。これは万が一ワインがこぼれても人にかからないようにするテクニックだ。そしてスワリングの後にもう一度ワインを香ってみて、スワリング前との違いを探してみよう。
4. スワリングはワイン以外でも行うことはある?種類別の回し方まで紹介

スワリングするのはワインというイメージがあるかもしれないが、実はほかのお酒でもスワリングをすることがある。ここではワイン以外でスワリングをするお酒やその方法を紹介しよう。
ウイスキー
ストレートのウイスキーはスワリングすると香りをさらに楽しむことができる。まずはスワリングする前に香りを嗅いでおき、その後ゆっくりとスワリングして違いを感じてみよう。繊細な香りを感じ取るためにも、最初からグラスに鼻を寄せるのではなく、少しずつ鼻をグラスに近づけていくのがポイントだ。
ビール
造り手によって香りから味わいまで多種多様なクラフトビールは、スワリングすることでそれぞれの個性をよりしっかりと感じられる。グラスは一般的なタンブラー型のグラスやビアジョッキよりも、香りを逃がしにくい丸い形状のクラフトビールグラスがおすすめだ。あまり強く回転すると炭酸が抜けやすいので、スワリングは軽めにするのがよいだろう。
日本酒
日本酒はぐい吞みやおちょこなどの酒器を使うことが多いが、スワリングしやすい形状の日本酒専用グラスも販売されている。ワインのようにスワリングすることで、そのまま飲むだけでは気付けないような日本酒の香りが引き出される。グラスに注ぐ日本酒の量はグラスのふくらみの少し下あたりまでに留めるとスワリングしやすく、香りが広がる空間もつくることができるだろう。
結論
ワインのテイスティングをするときに便利で、見た目もエレガントな雰囲気のスワリング。一方、どんなワインやシチュエーションでも使えるテクニックではないという一面も持っている。シーンに合わせてワインやほかのお酒を味わうときに応用してみてはいかがだろうか。