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ワインの澱は美味しさの指標?ボトルの底に溜まった沈殿物を紹介

ワインの澱は美味しさの指標?ボトルの底に溜まった沈殿物を紹介

投稿者:ライター 岡本優美(おかもとゆみ)

監修者:管理栄養士 水島知美(みずしまともみ)

2021年2月 5日

ワインの澱をご存知だろうか。赤ワインや白ワインの底に溜まるものだ。澱は一見カビや劣化にも見えるが、美味しさの指標と呼ばれているものである。上質なワインには澱が多いといわれるほどだ。本記事では、ワインの澱とワインとの関係性、また澱の部分の利用法についても紹介する。

  
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1. ワインの澱ってどんなもの?

赤ワインをしばらく静かに置いておくと、底の方にゆらゆら、ふわふわしたものが溜まっていることがある。カビのように見えてしまうので、このようになったワインは飲んでも大丈夫なのか不安になることもあるだろう。そこで、まずはワインの底に溜まったものの正体から紹介しよう。

ワインの澱とは?

冒頭で紹介した、赤ワインの底に溜まるゆらゆらしたもの。これがワインの澱と呼ばれるものだ。主成分はタンニンや酒石、ポリフェノールなど、ワインの成分だ。長い時間をかけてボトルの中でワインが熟成することで、これらの渋み成分が抜けて上澄みのワインはまろやかになるのである。すべてのワインではないが、澱があるワインは上質なものが多いといわれるのは、澱があることで味わいがまろやかになっていることが予想されるためだ。

白ワインにも澱がある?

買ってきた白ワインの底に、白い結晶が沈んでいた経験はないだろうか。この白い結晶が白ワインの澱に相当するものである。名前を酒石といい、先程紹介した赤ワインの澱にも含まれる成分のひとつだ。白ワインの場合はポリフェノールなどを含んでおらず、また赤ワインの色の成分であるアントシアニンも含まれていない。そのため、きらきらした白い宝石のような結晶ができるのだ。赤ワインにも酒石はできるのだが、アントシアニンが含まれるので色合いは赤錆のようになり、棒状の結晶になるのが特徴だ。

ワインの澱や酒石は飲んでもいい?

澱はタンニンやポリフェノールからできており、酒石もワインの酸味成分である酒石酸とカリウムでできている物質だ。すべてワイン由来のものなので、飲んでも体に害はない。ただ飲んでしまうとざらざらとした舌触りと強い渋みが邪魔をして、美味しいワインにはならないのである。そのため、澱は飲まないほうがいいだろう。ワインのボトルは底が上部に張り出しているが、これは底上げのためではなく澱を沈ませておくためのものだ。澱は美味しくないので、沈殿させておくのがよいのである。

2. 澱が発生したワインの飲み方

澱の入っているワインは、ひと工夫で澱を除去して飲むことができる。ここではデキャンタを使う方法と、デキャンタを使わない方法をワインの特性とともに紹介しよう。

デキャンタを使う方法

デキャンタとは、ワインの酸化を促し香りを立たせるための器具だ。移し替えて空気に触れさせることで酸化させることができるのである。しかし、これはワインの澱を除去するためにも使われる。空気を触れさせるだけでなく、静かに注ぐことでワインの澱をそのままに上澄みだけを取り出せるのである。こちらのワインは熟成しきっていない赤ワインに使うことができる方法だ。

デキャンタを使わない方法

デキャンタは、空気に触れさせて酸化させるものでもある。この方法を用いると、逆に美味しくなくなるワインがある。それはそのままで美味しい、熟成が終わった赤ワインや、酸化させると酸味が増してしまう白ワイン、炭酸が抜けてしまうスパークリングワインなどだ。これらのワインの底に澱が溜まっている場合は、そっと静かにグラスに注ぐことが重要である。デキャンタを使う方法の場合もだが、飲む数時間前には横たわらせていたワインも立てて保存しておき、なるべく底に澱が沈澱するようにするのである。

3. ワインの澱は料理に利用できる!?

ワインの澱は料理に使うこともできる。ワインの澱が残ってしまったら、捨てずに料理に使ってみよう。

ワインの澱でドレッシング作り

ワインの澱はワインの成分と同じなので、料理に使っても問題ない。むしろフランスではソースの材料として使われるほどだという。ここでは簡単なドレッシングを紹介しよう。

レシピ
1. 澱の残ったワインボトルにお酢を大さじ3杯入れてよくふる。
2. 1をパンにあけて胡椒を少々かける。
3. ひと煮立ちしたらオリーブオイルを大さじ3杯入れて、とろみがつくまで混ぜる。
好みでレモン汁やケチャップ、醤油などの材料を加えてもいい。

そのほかの使い方

基本的には澱の残ったワインの使い方は、赤ワインの使い方と一緒だ。肉の煮込み料理に使ったり、トマトやオリーブオイルとともにイカを煮込んでもいい。またブリやウナギ、鯉など少しクセのある魚を煮込むのにも使うことができるし、カレーライスやハヤシライスなどのルーを作る際に入れてもいいだろう。澱の粒子が気になる場合は濾過すれば気にならないので、気軽に使ってみよう。

4. ワインの澱引きについても確認

澱のことを紹介してきたが、生産者は澱に対して何の対策もしていないのだろうか?実は、生産者はワインの風味を壊さないように澱の処理を考えているのである。最後に、生産者と澱引きの関係について紹介しよう。

澱引きとは?

澱引きは、ワインを作る際に必要な工程である。タンクに入ったワインを静かに置いておくことで、澱と上澄みに分かれるのである。上澄みをなるべく取り、澱は沈澱させることが澱引きと呼ばれる工程である。また、赤ワインを作る際はタンニンなどを吸着する卵白を入れて澱を作り、澱引きをすることもある。このように、製造の時に澱は除去されているのである。

フィルターは使わないの?

最近では、澱引した上澄みのワインをフィルターにかけて濾過する生産者もいる。フィルターにかけることで澱がさらに取り除かれるのである。しかしフィルターをかけると、香りや風味も減ってしまう。優秀といわれるワイナリーがあまりフィルターをかけて澱を取らないのはそのせいである。もちろんフィルターをかけても美味しいワインもあるのだが、風味をそのままにしたいと考える生産者は澱引きのみをして出荷するのである。

結論

ワインの澱について紹介した。澱自体はそのまま飲むと美味しくないが、ワインの美味しさをある程度保証してくれるものである。澱のあるワインだからと警戒せずに、静かに注いで澱がグラスに入らないようにすれば、美味しくワインを飲むことができる。また、ワインの澱が残ってしまった場合にはドレッシングやソースなど、料理に使ってみるのもよいだろう。
  • 更新日:

    2021年2月 5日

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