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空になったワイングラスと少しこぼれたワインの写真

ワインは腐る?賞味期限は?劣化した状態と飲めないワインの使い方も

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年3月17日

ワインは腐るものなのだろうか?そもそも腐るとはどういった状態なのだろうか?ワインが劣化する原因や状態について解説するとともに、上手な保管方法や飲み頃、劣化したワインを料理などに使う方法などについてもお伝えする。

  

1. 「ワインの「腐る」は「劣化する」という意味

真っ暗な背景と、グラスに入った赤ワインの写真
ワインは腐るのかどうか?そもそも腐るとはどういった状態を指すのかなど、基本的なところから解説していこう。

そもそも「腐る」とはどういった状態なのか

「腐る」とは、微生物のはたらきでアミノ酸や糖が分解される現象のうち、我々の価値観において「悪くなった」と感じられるものを指す。たとえば日本酒では、乳酸菌が活発になってしまった状態を「火落ち」といい、腐ったものとして扱われる。だが乳酸菌が活発になった牛乳はヨーグルトとして食べられる。「腐敗」と「発酵」の分類は難しい側面を持つのである。

【ワインは腐るのではなく劣化する】

ワインは瓶詰めされたあとも熟成する。「20年モノ」や、中には「100年モノ」といったワインが存在することからもわかるように、賞味期限そのものがないと思ってよい。

【ワインには賞味期限がない】

賞味期限がないワインには「腐る」という概念もない。つまりワインボトルに賞味期限が刻印されていないのは、ワインが腐らないからである。とはいえ熟成期間中、あるいは保管中など、なんらかの原因で「劣化」することはある。

ワインが劣化するとどんな状態になる?

ワインは腐ることはないが、腐ったようなにおいがしたり、味が低下したりすることはある。たとえば「ブショネ」はコルクが劣化した結果発生するものだ。濡れた段ボールのにおいと表現されることもあるなど、我々にとっては不快なにおいがする劣化の状態である。
また開栓後急激に酸化することで、酸味や渋みが強くなることもある。あえて酸化させるケースもあるが、それはまろやかな味わいにするためのものだ。開栓前に空気が入ったり、高温下での保管中に酸のバランスが崩れたりすることで酸化する、あるいは振動や温度、光、湿度の影響を受けても劣化する。
なおワインから硫黄のようなにおいがすることもあるが、これは酸欠によって発生するもので腐るとはやや違う現象だ。この場合はグラスに入れて回し、あえて酸化させることでにおいが消える。

酸化防止剤入りのワインは急激な酸が抑制される

酸化防止剤は亜硫酸塩とも表記される。ドライフルーツなどによく使われる物質だ。したがって酸化防止剤が入っているワインを買えば、急激な酸化は抑えられる。

2. ワインは開封後や保管状態などにより腐りやすくなる

開封後、飲みっぱなしの赤ワインの写真
ワインは開栓後に雑菌が繁殖してしまうことがある。ワインが劣化して飲めなくなるということはつまり「腐る」のと同じような状態だ。

開封後や保管状態次第でワインが飲めなくなる原因は?

基本的に、ワインは劣化しても不味くなるだけである。だが中には食中毒の原因となり得る雑菌が入り込み、繁殖することもある。その雑菌とは「黄色ブドウ球菌」だ。「腐る」とはやや異なるが黄色ブドウ球菌が作り出す毒素により健康被害を招くおそれがある。たとえば黄色ブドウ球菌が100個ワインボトルに入ってしまった場合、22時間後には数十万個に膨れ上がる。したがって開栓後は早めに飲み切ることが大切だ。
ワインは酸化しても腐るわけではないが、発癌性の高いアセトアルデヒトの生成が増加するともいわれている。過度な酸化は不味いだけでなく体にもよくないため、可能な限り酸化させない工夫を取り入れたい。

黄色ブドウ球菌を増殖させないためにできることとは?

黄色ブドウ球菌は手のひらや傷口に多く存在する菌だ。そのため手指の消毒は欠かさないようにしよう。ワインを扱う際、とくに飲み口を触る際は清潔な手で触れるのが基本である。なお黄色ブドウ球菌は、10℃以下で増殖が鈍化する。保管の際は10℃以下をキープしよう。

ワインの劣化を防ぐ上手な保管方法とは?

ワインは腐るわけではないが、劣化によって不味くなるうえ、ブドウ球菌などが入りこんでしまうことも考えられる。そのため保管、とりわけ飲みかけのワインの保管は慎重にすべきだろう。酸化を防ぐため真空パックに入れて保管したり、小瓶に分けて保管したりするとよい。

3. ワインは腐る前に飲みきるべし!「飲み頃」はいつ?

ボトルに入った赤ワインのイメージ写真
お伝えしているようにワインは腐るという概念がないため、賞味期限もない。だが「飲み頃」というものは存在する。「美味しく飲める期間=賞味期限(消費期限)」とする見方もあるだろう。具体的に、ワインの飲み頃とはいつなのかを解説する。

未開封のワインの飲み頃(賞味期限)

たとえばコンビニなどで買えるお手頃価格のワインなどは、すでに飲み頃というタイミングで陳列されることが多い。したがって「すぐ」が飲み頃といえるだろう。他方、熟成モノではない赤ワインは2〜3年、同・白ワインは1〜2年程度が飲み頃とされている。
逆に熟成モノは産地やブドウの品種などで飲み頃が変わるため見極めが難しくなる。たとえば赤ワインは時間をかけて熟成するものが多いため、飲み頃もやや遅めだ。ブルゴーニュ地方の白ワインなども10年以上など、飲み頃が遅いものがある。なおボージョレ・ヌーヴォーは1年以内が飲み頃といわれているのであわせて覚えておこう。

開封済みのワインの飲み頃(賞味期限)

ワインは開栓後、何日間飲めるのだろうか?もっとも寿命が短いのはスパークリングワインとされている。炭酸が命のスパークリングワインは長くても3日が限度と思っておこう。なおシャンパンなど、瓶内で発酵させているものの方が長持ちする。
一方、赤ワインやフルボディの白ワインは3〜5日程度、ライトボディの白ワインやロゼワインは1週間程度が飲み頃の目安となる。とはいえあくまで目安なので、冷暗所で栓をした状態で保管しよう。腐ることはないとはいえ、劣化しないよう工夫したほうが長い間美味しく飲めるのは間違いない。

4. 腐ったワインの活用方法とは?

放置されて劣化した赤ワインのイメージ写真
ワインは腐ることがないので、たとえ劣化して飲めなくなったとしてもほかの用途がある。劣化したワインを活用する方法を紹介しよう。

飲める状態であればサングリアを作る

劣化したがまだ飲めるというワインであれば、サングリアにしてみてはいかがだろうか。サングリアは直前にフルーツと混ぜる必要がある(作り置きすると酒税法違反となるおそれがある)ため気をつけよう。サングリアの作り方は簡単だ。たとえばオレンジジュースを製氷皿に入れてキューブ状に凍らせ、オレンジ氷をワインに入れるだけで作れる。

劣化したワインを料理に使う

ワインは腐ることがないとはいえ、あまりにも長期間放置したワインをそのまま飲むのは抵抗があるだろう。そこでおすすめなのが料理に使う方法だ。ワインと塩を煮詰めて「ワイン塩」にしたり、牛肉を漬け込んでビーフシチューにしたりなど、工夫次第で劣化したワインを無駄に廃棄せず美味しくいただくことができる。

結論

ワインは腐ることこそないが、劣化はする。黄色ブドウ球菌の繁殖により食中毒といったリスクも生じるため、とにかく保管方法には細心の注意を払いたい。真空ボトルに入れたり冷暗所で保管したりしよう。それでも劣化したワインはサングリアにしたり、料理に加えたりといった使い方もできるので覚えておこう。
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  • 公開日:

    2021年2月 4日

  • 更新日:

    2022年3月17日

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