1. ワインに賞味期限の表示がない理由

ワインだけでなく日本酒やウイスキーなど、高アルコールの酒類には賞味期限が表記されていない。アルコールが含まれていることによって腐食が起こりにくく、数年以上の保管が可能なため賞味期限の表記義務がないのだ。ワインは商品によって飲み頃が大きく違い、長いものでは数十年後といわれるものもある。またワインのラベルには2019など年数が書かれているが、これはワインの原料となったブドウが収穫された年であり賞味期限ではない。
2. 未開封ワインの賞味期限

ワインには賞味期限の表示がないが、おいしく飲める期限はワインのタイプによって決まっている。まずは未開封ワインの賞味期限についてみてみよう。
手頃な価格のデイリーワイン
2000円以下のデイリーワインは買ってすぐ飲むことを前提に造られている。保管しておいたら熟成して味が向上するかも、といった期待はせずに早めに飲むようにしたい。またボジョレーヌーヴォーのような新酒は、その魅力であるフレッシュさを楽しむためにも価格に関わらず早めに飲む方がよい。
白ワイン
白ワインは購入後1、2年のうちに飲むのがベストだ。一部の高級白ワインはより長期の保管で花開くものもあるので、購入時に専門店などで確認しておくとよい。また白ワインでも甘口のものはその糖度の高さから、長期の保管でも味が劣化しにくいという特徴がある。
赤ワイン
赤ワインは購入後2、3年のうちに飲むことをおすすめする。ただし高級ボルドーやブルゴーニュなどでは10年以上熟成してようやく飲み頃を迎えるものもあり、個体差が大きい。長期熟成を目的としている場合は、やはり専門店で飲み頃についてプロに相談してほしい。
スパークリングワイン
スパークリングワインは買ったらすぐに飲むことをおすすめする。長期の保管には向いておらず、ガスが抜けてしまったりコルクが劣化するリスクもあるためだ。1、2年以内には飲み切ってしまうようにしたい。
3. 開封後のワインの賞味期限

次に、開封後のワインの賞味期限についてみていこう。
白ワイン
辛口ワインであれば2、3日以内に飲み切るようにしたい。甘口ワインであれば甘さの度合いにもよるが、1週間から4週間までおいしく飲めるものもある。
赤ワイン
赤ワインのタイプによって変わってくるが、3日から1週間以内に飲み切るようにしよう。ライトボディの赤ワインは時間とともに酸味が強く感じやすくなるため、できるだけ早く飲む方がよい。逆にフルボディの赤ワインは数日経ったあとの方が味がまろやかになり、おいしく飲めることもある。
スパークリングワイン
ガスが抜けることで味の劣化を感じやすいため、可能であれば開栓したその日のうちに、遅くとも翌日中には飲み切りたい。飲み切れない場合はワインセーバーなどガス抜けを防止するグッズを使うことをおすすめする。
4. 賞味期限切れワインの見分け方

最後に賞味期限切れのワインをどうやって見分ければいいのか、またそういったワインを有効利用する方法を紹介しよう。
賞味期限切れのワインの特徴
賞味期限切れのワインは、その香りや見た目で判断できる。赤ワインも白ワインも極端に酸化が進むと、本来の色を失い茶色く変色する。まだ若いワインなのに茶色くなっていたら不適切な酸化が起きたと思ってよい。全く香りがしなくなっていたり、マニュキュアの除光液のような香りがする場合も賞味期限切れなので飲むのは諦めよう。
賞味期限切れのワインの利用方法
賞味期限が切れてしまったワインもまだ活躍できる場面が残っている。白ワインであれば魚介の蒸し料理に、赤ワインであればお肉の煮込み料理などに使ってみよう。デザートの材料に使ったり、普通のお酢と混ぜてワインビネガーとして使うこともできる。
結論
ワインの賞味期限はボトルを見ても分からないので、ワインの値段やスタイルに応じた保管期間の目安を意識することが重要だ。賞味期限の一般的な目安だけでなく、開けたてが好き、少し酸化した味わいがおいしいと感じるなど、自分好みの飲み頃を見つけてよりベストな状態のワインを楽しんでほしい。