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ベネンシアドールってどんな人?職業の特徴や資格試験について紹介

ベネンシアドールってどんな人?職業の特徴や資格試験について紹介

投稿者:ワインエキスパート 白川茜(しらかわあかね)

鉛筆アイコン 2021年5月30日

ベネンシアドールという言葉を聞いたことがある人は少ないかもしれない。でもお酒が好きな人であればスペインの酒精強化ワイン、シェリーを飲んだことがある人は多いだろう。ベネンシアドールとは華麗にシェリーを注ぐ技術を持ったシェリーの専門家のことだ。ベネンシアドールがどういった人たちなのか、男女比や試験の内容とその対策などについて紹介する。

  

1. ベネンシアドールとは?

まずはベネンシアドールがどういった人たちなのか、その詳細を解説する。

ベネンシアドールの役割

元をたどるとベネンシアドールは、シェリーの産地であるスペイン・ヘレス地方に古くからある職業である。ベネンシアと呼ばれる特別なひしゃくを使い、シェリーを樽から汲み出す技術を持った人たちをベネンシアドールと呼ぶ。現在ではシェリーのプロモーション活動に携わる有資格者を幅広くベネンシアドールと呼んでいる。

ベネンシアとは

ベネンシアドールと切り離せないのがシェリーを汲むためのツール、ベネンシアだ。1メートルほどの長い柄の先に50ccの容量を持ったカップがついている。横に寝かせられた樽からこのベネンシアでシェリーを汲み出し、腰辺りに持ったグラスへ1メートルほどの高さからシェリーを注ぐ。こうやって注ぐことでシェリーはほどよく空気と接触し、さまざまな香りや味わいが引き出されるのだ。

2. ベネンシアドールの人数は男女比は?

日本では2002年から、ベネンシアドール公式資格称号認定試験が日本ソムリエ協会などにより実施されている。試験はかなり難易度が高く例年10名前後しか合格者がいない。男女比は公開されていないが2019年までの合格者は183名(2020年はコロナの影響で試験未実施)であり、まだまだ日本では資格保持者の少ない試験であると言える。

3. ベネンシアドールになるにはどうしたら良い?

ベネンシアドールになるには前述したベネンシアドール公式資格称号認定試験を合格しなければならない。受験資格は二点あり、試験受験時に20歳以上であり、シェリーを扱う飲食店や輸入、小売り業などシェリーの啓蒙活動に携わることのできる職種に就いている必要がある。違う職種に就いている場合は、20歳以上であれば誰でも受験できるシェリー・アンバサダーを受験する選択肢がある。こちらの資格は実技試験がないためベネンシアドールに比べると難易度が低い。

4. ベネンシアドールの試験に出る問題やその対策

最後にベネンシアドールの試験について解説する。

ベネンシアドールの試験に出る問題

ベネンシアドールの試験問題は過去問が公表されていないことから推測が難しい。試験に申し込みをすると教本が届くので、その内容を端から端まで理解、記憶することが必要だ。試験は答案を郵送する筆記形式の一次試験、会場で行われる筆記、利き酒、実技の二次試験がある。筆記は選択問題だけでなく記述形式もあり、利き酒の試験はどのタイプのシェリーであるかを問われる内容となっている。

ベネンシアドールの試験対策

郵送形式の筆記試験である一次試験は通過しやすいが、二次試験の合格率は1割ほどである。シェリーに関する深い知識を問う筆記試験に加えて、テイスティング試験やベネンシアを使った高い技術も求められるので、しっかり勉強時間を確保することが必要だ。ワインスクールのアカデミーデュヴァンやシェリー委員会などがベネンシアドールの試験対策講座を開催しているため、こちらで有資格者の授業を受けることをおすすめする。

結論

ベネンシアドールは決して簡単な試験ではないが、シェリーの世界は奥が深く実に勉強しがいのあるお酒だ。シェリー・アンバサダーから勉強して、シェリーへの造詣を深めてからベネンシアドールに挑戦するのもよいだろう。機会があればぜひベネンシアドールのいる店を訪ねて、彼らの技術や知識に触れながらシェリーの魅力を楽しんでほしい。
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  • 更新日:

    2021年5月30日

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