目次
1. グレコとは?味わいや香りなどの基本的な特徴をご紹介

グレコ(グレーコ)は、南イタリアでとても重要なワイン用ブドウ品種だ。イタリア語で「ギリシャの」を意味するグレコは、一説にはギリシャが起源といわれてる。白ブドウにも黒ブドウにもグレコという名前のつくブドウ品種は存在するが、一般的に「グレコ」というと白ブドウを指す。
ブドウの特徴
長く大きな果房をもち、房の肩の方の部分が長い。果粒は成熟するにつれて琥珀色になる。
香り・味わい
グレコから造られるワインは桃やアプリコットなどの香りに、心地よい酸味と豊かな果実味を感じられる味わいだ。また熟成したワインにはハチミツやナッツ、ハーブの香りもあらわれることがある。
2. グレコの主な産地は?産地ごとの特徴や違いを解説

グレコはイタリア南部で特に重要視されている品種だ。特にカンパーニア州で造られるグレコ・ディ・トゥーフォは古代ローマ時代から銘酒といわれてきた。それでは主な産地を紹介しよう。なお、カラブリア州で栽培されるグレコ・ビアンコという白ブドウ品種があるが、グレコとは種類が異なるとされている。
カンパーニア州
イタリア南西部に位置するカンパーニア州はグレコの主要産地だ。このグレコは、イタリアワインの最上位D.O.C.G.に格付けされるグレコ・ディ・トゥーフォという辛口の白ワインを生み出す。トゥーフォとは火山灰などからなる凝灰岩土壌のことだ。ここで育つグレコの果皮は厚く、ミネラルを豊富に含んでいる。ワインの味わいは凝縮した果実味としっかりした酸味のバランスが素晴らしく、後味にわずかな苦みを感じる。また、辛口のスプマンテ(スパークリングワイン)も生産されている。
その他
グレコはカンパーニア州以外でも上級ワインに使用されている。栽培地域はイタリア南部のプーリア州、中部のモリーゼ州やラツィオ州、トスカーナ州だけでなく、北部のリグーリア州にまで広がっている。
3. グレコに合う料理は?おすすめの飲み方も合わせて確認

グレコと相性のよい料理を知ると、より一層ワインを楽しめるだろう。またワインはタイプによって飲み頃の温度やワインのよさを引き出すグラスが存在する。そのため、おすすめの飲み方もよく確認しておこう。
グレコに合う料理
グレコのワインはシーフードとの相性がバツグンだ。カルパッチョ、白身魚のグリルやフライ、シーフードパスタやリゾットまで幅広い料理に合わせやすい。また、サラダやフレッシュチーズにも合わせてみよう。しっかりしたボディをもつグレコ・ディ・トゥーフォであればラム肉と豆の煮込みとも相性がよいだろう。
おすすめの飲み方
グレコのワインは10℃前後に冷やして飲むのがおすすめだ。グラスは白ワイン用の縦長で大きめの形状のグラスを選ぶとよいだろう。
4. グレコで造られたおすすめのワインは?

それでは、これからグレコのワインを飲み始めるならぜひ知っておきたい生産者のワインを紹介しよう。グレコは普段あまり見慣れないブドウ品種かもしれないが、通販サイトでは良質なワインが手軽に入手できるので、ぜひ一度購入してみてはいかがだろうか。
フェウディ ディ サングレゴリオ「クティッツィ グレコ ディ トゥーフォ」
カンパーニア州を代表する生産者がグレコを100%使用して造る辛口白ワイン。ブドウ栽培から最大限にこだわっている。グレコが植え付けられている区画の標高はイタリアの高品質ブドウ栽培地のなかでも随一であり、また土を耕せないほど急斜面でもあるという。味わいはしっかりとボリューム感がありながらもエレガントで、世界的に高く評価されている。
マストロベラルディーノ「グレコ・ディ・トゥーフォ」
非常に長い歴史をもつ老舗ワイナリー、マストロベラルディーノ。カンパーニア州の土着品種で高品質なワインを造り続けている。こちらのグレコ・ディ・トゥーフォは、洋ナシや柑橘のアロマにハチミツのニュアンスが感じられ、ほどよい厚みのあるミディアムボディだ。
ヴェゼーヴォ「グレコ・ディ・トゥーフォ」
栽培環境やブドウの素晴らしさを引き出すための最新技術を導入しているヴェゼーヴォ。ワイナリー名のヴェゼーヴォとは、ラテン名で「ヴェズーヴィオ火山」を意味する。硫黄が混ざる火山岩質の土壌で育ったグレコはミネラル豊富なワインとなり、長期熟成にも耐えられるポテンシャルをもっている。洋梨やパイナップルの香りに、フレッシュで果実味と酸味がバランスよく感じられる味わいだ。
結論
グレコはとても長い歴史をもつブドウ品種で、質の高いワインを生み出してきた。シーフードに合わせたり、軽食やパーティーにはスプマンテを楽しんだりと、さまざまなシーンで活躍させることができるのではないだろうか。