1. 普通のワインと酒精強化ワインとの違い
酒精強化ワインはフォーティファイドワインとも言われ、ワインの醸造中にアルコールを添加してアルコール度数と保存性を高めたワインのことだ。酒精強化ワインのアルコール度数は18度前後と普通のワインよりやや高い。アルコール添加によって発酵が止められブドウの糖分が残るため甘口のものが多いが、最近では辛口の酒精強化ワインも増えてきている
2. 酒精強化ワインの三大産地【ポルトガル】
ポルトガルでは二種類の有名な酒精強化ワインが造られている。ひとつはドウロ地方で造られる甘口の酒精強化ワイン、ポートワイン。もうひとつはポルトガルの南西部に位地するマディラ島で加熱して熟成される酒精強化ワイン、マデイラだ。それぞれのおすすめ商品をみていこう。
テイラー「テイラー ファイン ルビー」
テイラー社は1600年代に設立された老舗ワイナリーで、今でも創業者の一族が経営している。ルビーポートは短期間の熟成後に出荷されるため、フレッシュ感やフルーティさのある味わいだ。アルコールは20度と高めだが、ナチュラルな甘口で食前酒におすすめしたい。
ブランディーズ「マデイラ ブアル 5年」
ブランディーズ社は伝統的な製法にこだわった正統派のマデイラを造るワイナリーだ。ブアル(ボアル)は白ブドウ品種の名前で、バランスの取れた中甘口の味わいのマデイラを生み出す。フルーツやチョコレートと合わせて食後酒に飲むのがおすすめだ。
3. 酒精強化ワインの三大産地【スペイン】
スペインの酒精強化ワインといえばシェリーだ。シェリーは独特の香りとコクを持つことからワインとは関係のないお酒のように思われがちだが、白の酒精強化ワインである。次は味わいがさまざまで奥が深い、シェリーのおすすめをいくつかみていこう。
ゴンザレス・ビアス社「ティオペペ」
フィノと呼ばれるスッキリ辛口タイプのシェリーで、酒精強化ワインのなかではアルコールも低めだ。ナッツを思わせる香ばしい香りと軽やかでドライな味わいが特徴で、ソーダやトニックで割っても美味しい。
バルデスピノ社「イザベラ クリーム」
1300年代に創業した歴史あるワイナリーが造る品のある甘さが特徴のシェリーだ。17年の長期熟成後に出荷されており、レーズンなどの落ち着いたドライフルーツの香りが楽しめる。甘すぎないので食中にも、食後のデザートにもおすすめしたい。
4. 酒精強化ワインの三大産地【イタリア】
イタリアで有名な酒精強化ワインといえばマルサラだ。イタリアの南部に浮かぶシチリア島のマルサラで造られている。最後にティラミス作りにも使われる酒精強化ワイン、マルサラのおすすめをみていこう。
フローリオ社「グランシェフ マルサラ・フィーネ」
マルサラメーカーのなかでもトップのシェアを誇っているフローリオ社の銘柄だ。ラベルや名前にシェフが出てくる通り、料理やデザートに多用されている。ほのかなスパイシーさが感じられる味わいで、料理の味を変えることなく香りや風味をアップしてくれる。
フローリオ社「フローリオ マルサラ スペリオーレ ドルチェ」
30か月以上の樽熟成後に出荷される甘口の酒精強化ワインだ。樽熟成由来のナッツやバニラの香りとまろやかな味わいが楽しめる。デザート作りに使ったり食後酒として楽しんでほしい。
結論
酒精強化ワインは造られる国も製法もさまざまで、味わいも楽しみ方も多岐に渡る。食後酒として、または食中に楽しめるものからカクテルや料理に使えるものまであるので、ぜひ自分の用途に合わせてお気に入りの一本を見つけてほしい。