1. キャベツってどんな食べ物?

キャベツの原産はヨーロッパの地中海沿岸や大西洋沿岸地帯といわれ、数千年前から栽培されていた。そのキャベツが日本に輸入されたのは800年くらい前と、とても長い歴史を持つ野菜である。ちなみにその当時は観賞用の葉ボタンのことをキャベツと呼んでいたようだ。今のような形のキャベツが入ってきたのは江戸時代末期で、明治になってから本格的に導入されるようになった。
キャベツの種類

ブロッコリーや大根と同じアブラナ科の野菜であるキャベツは、一年中スーパーなどで目にすることができるが、その種類は季節によって異なる。春から夏の始めに収穫され売られているものを春キャベツといい、水分を多く含んでおり柔らかい。冬に売られているものを冬キャベツといい、寒気から内部を守るために葉は硬めになっている。また、葉の色が紫の紫キャベツもある。スーパーなどではあまり見かけないが、サラダなどに入っていることが多い。
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2. キャベツの栄養と効能

キャベツには、キャベツ特有の栄養素であるビタミンUのほか、さまざまな栄養素が含まれている。特に胃腸を守り、免疫力を高める効果を持つといえる。
ビタミンU(キャベジン)
ビタミンUは、キャベツから発見されたことからキャベジンとも呼ばれている。胃粘膜の修復に作用すると言われており、荒れた胃の粘膜を正常に整える働きがある。胃腸が弱い人はもちろん、脂っぽいものを食べる時にもあわせて摂取したい栄養素である。
ビタミンC(※1)
キャベツには100g中40mg程度と、多くのビタミンCが含まれている。ビタミンCは抗酸化作用をもち、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から体を守る働きがあり病気などいろいろなストレスへの抵抗力を強めたり、鉄の吸収を良くすると言われている。また、意外にも皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須なビタミンでもあるのだ。
ビタミンK(※2)
キャベツのビタミンK含有量は野菜の中でもトップクラスだ。血液を凝固させる作用を持つ成分を作る栄養素で、カルシウムと同様に骨などに作用するし、骨を丈夫にする働きがある。大人のみならず、ケガの多い成長期の子どもたちにとっても必要不可欠な栄養素といえるだろう。
カルシウム(※3)
骨や歯を作る栄養素であるカルシウムも含まれる。特にキャベツはビタミンCやビタミンKをあわせてとれるため、骨を丈夫にする効果が見込めると考えられている。また、カルシウムには血液の凝固を促して出血を予防する働きもする。カルシウムは外側の葉と芯の近くに特に多く含まれている。
また、カルシウムだけでなく、リン・カリウム・マグネシウムなどのミネラル分が多く含まれ、体を助けるさまざまな作用が期待できる。
また、カルシウムだけでなく、リン・カリウム・マグネシウムなどのミネラル分が多く含まれ、体を助けるさまざまな作用が期待できる。
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3. キャベツの食べ方と保存方法

食べ方
キャベツには豊富な栄養素が含まれているが、それぞれの栄養素を効率よく摂取するには食べ方を考えたほうが良いようだ。キャベツを長時間加熱すると水溶性であるビタミンCやビタミンUが溶け出す心配があるので、生のままか、軽く炒める程度が一番である。加熱する場合はスープとして汁も飲むと、溶け出た栄養素をきちんと摂取することができる。また、ビタミンKやβカロテンなどは脂溶性ビタミンなので、野菜炒めなど油と一緒に食べるのがおすすめである。
保存方法
キャベツは冷蔵庫保存で2週間ほどはもつ。けれども、カットされたキャベツは切り口が変色してしまうので、丸ごと買って、必要な分だけ葉を剥がして使う方が良いだろう。
また、芯をくり抜き、キッチンペーパー等を詰めて保存するという方法で更に日持ちする。
また、芯をくり抜き、キッチンペーパー等を詰めて保存するという方法で更に日持ちする。
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結論
手に入りやすく、また使いやすいキャベツは、働き盛りでストレスの多いであろう大人はもちろんのこと、成長期の子どもたちも効率的に栄養を補える野菜である。ぜひ積極的に摂取するようにしたい。
(参考文献)
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