1. レンコンの栄養成分
レンコンは、100gあたり66kcal。主な成分は炭水化物が15.5gで、うち13.5gが糖質、残りの2.0gが食物繊維である。ちなみに糖質はほとんどが、デンプンとされている。そのほか、タンパク質1.9g、脂質0.1gだ。れんこん1節は、ものによっても異なるが180gくらいが一般的。この量でのカロリーは119kcal、炭水化物27.9g、タンパク質3.4g、脂質0.2gである。このような基本栄養成分を踏まえ、ここからはレンコンが有する栄養成分について、詳しく学んでいこう。
ビタミンC
レンコンはビタミンCの含有量が豊富。100gあたり48mg。ビタミンCの代名詞ともいえるレモン果汁が、100gあたり50mgであることを鑑みると非常に多いことがわかる。コラーゲンの生成に欠かすことのできない栄養素でもある。また、体内では生成できないので、日常的な摂取が求められることでも知られている。
タンニン
レンコンを切ってしばらくすると切り口が黒や茶色に変色するのは、ポリフェノールの一種であるタンニンの仕業である。カットしたのち、酢水に放つことで、変色を抑制することができるが、タンニンは水溶性。あまりつけすぎると栄養がすべて流出してしまう。
カリウム
カリウムは、身体から余分なナトリウムを排出する働きをもつ栄養素。ナトリウムとともに細胞の浸透圧の調節を担っている。100gあたりの含有量は440mg。
食物繊維
食物繊維には、水溶性と不溶性に分類されるが、レンコンに多いのは、不溶性食物繊維。100gあたりの含有量は、総量が2.0g。うち水溶性が0.2g、不溶性が1.8gだ。食物繊維は、腸の掃除係という異名をもつ栄養素で、腸内環境を整え、便秘解消の効果があるとされている。
2. レンコンの栄養は調理によってどう変わる?
レンコンは、生の状態と火を通した状態では、栄養素が大きく変化する。とくに顕著なのが、ビタミンCやカリウムの減少。ビタミンCは茹でると18mg、カリウムは240mgになってしまう。この原因は一体どこにあるのだろう?
茹で料理は向いていない?
実はレンコンに含まれるビタミンCやカリウムは、水溶性の栄養素。単に茹でてしまうと栄養素がすべて流出してしまう。このため、スープなど、溶け出した水分も一緒に食べられるメニューにするのがおすすめだ。
レンコンのビタミンCは加熱に強い!
一般的に熱に弱いとされているビタミンC。しかし、レンコンのビタミンCは茹でる以外の加熱調理、たとえば、炒める、焼くといった調理法もビタミンCが壊れにくい。これは、ビタミンCがデンプンに覆われているからである。一般的に、ビタミンCは加熱に弱いことで知られているので、これは大きな利点といえよう。
3. レンコンの選び方
レンコンは葉物野菜と比べれば日持ちの悪い食材ではない。しかしそれは裏を返せば、ぱっと見てすぐに傷んでいることを判別できないということでもある。スーパーなどでは、見ためには問題がなくても、じつはずいぶんと時間が経ったレンコンが紛れている可能性があるのだ。ここからは、そんなレンコンの正しい選び方について学んでいこう。
ずっしりしたものを選ぶ
レンコンの鮮度は、含有している水分量が判断基準。収穫後、時間の経ったれんこんは乾燥して表面がカサカサしていたり、水分が抜けて軽くなることがある。何個か持ち比べてずっしりと重みのあるもの、さらに表面にツヤを感じるものを選ぶようにしたい。
カット野菜は色で判断
カットされて販売されていることも多いレンコン。断面が見えているものであれば、大きな判断基準になる。レンコンの断面は、空気に触れるとポリフェノールが酸化して、変色する。しかも、時間経過とともに変色度合いは高まる。酢やレモンなどをつけて変色を防止していることもあるが、それでも色が変わっていたら、かなりの時間が経っていると考えられる。品質チェックの大きなポイントとして覚えておきたい。
4. レンコンの保存方法
ここでは、買ってきたレンコンの適切な保存方法を学んでいきたい。常温、冷蔵はもちろん、冷凍できるのか否かについても確認していこう。
レンコンの常温保存法
常温保存できるものは、カットしていない一節のレンコンのみ。また、初夏~初秋までの外気温が上がる季節は、冷蔵庫に入れることをおすすめする。レンコンは、沼地で生育するので、乾燥に非常に弱い。冬場であれば、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包んで冷暗所で保存することができる。1週間を目途に使いきろう。
レンコンの冷蔵保存法
こちらも一節のレンコンは、常温保存と同じく湿らせた新聞紙で包んで、ビニール袋に入れ、野菜室で保存するのが正解。泥が付いている場合は、そのまま保存するといい。カット済みのものは、断面が空気に触れるとタンニンの影響で変色してしまうので、ラップでしっかり包むこと。さらにスライス済みのものは、水を張った保存容器などに入れておくとよいが、前述の通り、栄養素は逃げてしまうので、その点を考慮したい。まるごとであれば保存期間は1週間、カット済みは3日が限度だろう。
レンコンの冷凍保存法
レンコンは、冷凍保存も可能。シャキシャキとした食感を維持したまま冷凍するには、薄切りの場合は、酢水につけてザルに上げ、水気を1枚ずつしっかりと拭き取る。金属バットの上に重ならないように並べて、冷凍庫に入れ、きちんと凍ったら、冷凍保存用の袋に移す。こうすると、1枚1枚バラバラの状態で保存できる。厚切りの場合は、数分酢を入れた湯で茹でてから、同じように冷凍しよう。半解凍の状態で使うことができる。
結論
レンコンは、ビタミンCやカリウム、タンニンなど、豊富な栄養素を含む食材。とくにビタミンCは、加熱処理に強いという利点がある。見通しがいいということから、古くから縁起のいい食材としても重宝されてきたレンコン。カット方法で食感が変わるので、そのあたりも楽しみながら食したい。
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