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みょうがの栄養素の効能とは?豊富な栄養でさまざまな効果が!

みょうがの栄養素の効能とは?豊富な栄養でさまざまな効果が!

投稿者:ライター 井澤佐知子(いざわさちこ)

監修者:管理栄養士 黒沼祐美(くろぬまゆみ)

鉛筆アイコン 2023年7月13日

日本で最も古くから食されてきた野菜のひとつがみょうがである。わずかな辛味と独特の香味が魅力的なみょうがは、薬味などに使用することが多い。その栄養をよく見ると、みょうがは積極的に摂取したい要素があふれているのである。本記事では、みょうがの栄養について総括的に紹介する。

  

1. みょうがの種類

みょうがといえば、つぼみのような形状をした野菜を頭に浮かべる人が大半だろう。実際のみょうがには、花の部分を食するタイプと若い芽立ちの部分を指すものがある。あまり知られていないみょうがの種類について説明する。

花みょうが

我々がみょうがと聞いて思い浮かべるものは、花みょうがといわれる種類である。花みょうがは花序を利用するものであり、夏に収穫する早生から秋みょうがである晩生が市場に出回ることが多い。何層にも重なった花弁が特徴で、独特の苦みは夏場の料理の香味としてことのほか愛されている。

みょうがたけ

一方、冬場を中心に出回るのがみょうがたけである。若い芽立ちを軟白し、60~75cmほどの高さになるまで育てたものを指す。栽培に手間がかかるため、市場に出回る量は多くない。花みょうがと同じように、漬物や薬味として使用されることが多い。その昔は、固くなったみょうが丈で縄を編んだという慣習も存在していた。

2. みょうがの栄養と効能

年齢を重ねていくと実感できるみょうがの滋味。古来日本で愛されてきた野菜であるだけに、独特の苦みにもかかわらず舌になじむ美味である。そのみょうがには、いったいどんな栄養がありどのような効能をもたらしてくれるのだろうか。みょうがのもつ栄養に注目してみよう。
みょうがの主な栄養素一覧(可食部100gあたり)
花みょうがとみょうがたけ、それぞれの栄養を食品成分データベースで見ると、いずれも95%以上が水分で構成されている。特筆すべき栄養は以下である。
花みょうが可食部100gあたり(※1)
  • カリウム 210mg
  • カルシウム 25mg
  • マグネシウム 30mg
  • リン 12mg
  • マンガン 1.17mg
  • βカロテン 27μg
  • ビタミンK 20μg
  • 葉酸 25μg
  • ビタミンC 2mg
  • ビタミンB1 0.05mg
  • ビタミンB2 0.05mg
  • アントシアニン
  • α-ピネン
生のみょうがの100gあたりのエネルギーは11kcal。成分の9割以上が水分で占められ、ビタミンCやミネラル成分のカリウム、頭をスッキリさせる芳香成分α-ピネンや色素成分のアントシアニンも含まれている。(※2)

ビタミンC(※3)

皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須な水溶性ビタミンの一種。抗酸化作用をもち、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から身体を守る働きがある。また、病気などいろいろなストレスへの抵抗力を強めたり、鉄の吸収をよくする働きもあるといわれている。

カリウム(※4)

人体に必要なミネラルの一種。ナトリウムを排出する作用があることから、塩分の摂り過ぎを調節する働きがある。また、高血圧の予防にも役立つ一方で、不足すると、精神障害や不整脈の症状が見られることがある。

ビタミンB1(※3)

水溶性ビタミンの一種で、グルコース代謝と分枝アミノ酸代謝に関与しており、糖質をエネルギーに変える働きをする。過剰摂取すると、頭痛や苛立ち、不眠、かゆみなどの症状が現れるといわれている一方で、不足すると脚気になるといわれている。

ビタミンB2(※3)

水溶性ビタミンの一種で、エネルギー代謝や物質代謝に関与しており、糖質や脂質、たんぱく質を体内でエネルギーにするなどの代謝を支える働きをしている。不足すると、成長抑制や口内炎、口角炎、舌炎などが起きるといわれている。

葉酸(※5)

水溶性ビタミンの一種で、ほうれん草やモロヘイヤなど緑の葉に多く含まれることからこの名がついた。胎児の正常な発育に役立ち、妊娠初期の女性が十分な量の葉酸を摂取すると、胎児が神経管閉鎖障害という発育不全になるリスクを減らすことがわかっている。また、赤血球の細胞の形成を助ける働きもあるといわれている。

アントシアニン(※6)

花や果実などに広く分布する色素成分であるアントシアニンは、抗酸化作用や視機能改善作用があるといわれている。

α-ピネン

みょうが独特の香りとは、α-ピネンと呼ばれる精油の成分である。α-ピネンは大脳に作用し、覚醒作用をもたらすとされている成分なのである。

3. 新鮮なみょうがの選び方

みょうがを購入する際に注目する点はどこだろう。みょうがの旬は、早生から晩生の相違があるとはいえ、夏から秋である。高知県が主な産地となっている。近年は、ハウスもののみょうがも増加して通年で楽しむこともできる。新鮮で美味しいみょうがを選ぶ際のポイントを見てみよう。

葉が閉じていて丸みがある

みょうがの形状は、ふくよかであることが好ましい。みょうがの大半は、花の部分を食する花みょうがである。そのため、上部が開きすぎているものは成長しすぎて風味が低下していることが多い。上に向かってキュッとしまりのある形のものを選ぶのが無難である。また、密に詰まった重厚感のあるみょうがが美味しいことも頭に入れておこう。

みずみずしくピンクがかっている

みょうがの特徴に、下部から上部に向かって優しいピンク色を呈していることが挙げられる。みょうがを選ぶ際には、このピンクがみずみずしくかつ艶があるものを選ぼう。

4. みょうがの正しい保存方法

スーパーなどで購入すると決して安価とはいえないみょうが。すぐに食べてしまうぶんには問題ないものの、どのくらい保存できるかが気になるところである。みょうがは、香味や風味が命の野菜であるから、正しい保存方法で最後まで美味しく食べきりたい。その保存方法を紹介する。

冷蔵保存する場合

みょうがは鮮度が落ちやすい野菜である。そのため、冷蔵保存する場合にもひと工夫することで風味やシャキシャキ感を維持できる。花みょうがは花の部分であるから、汚れやぬめりを落としたあとに水を張ったボウルに入れて冷蔵庫に保管するのである。通常の花同様に、毎日水を変えると多少風味は落ちるものの3週間ほどはもつ。ボウルを入れるスペースがない場合は、みょうがを洗ったあとに湿らせたキッチンペーパーなどにくるんで乾燥を防ぐようにし、ポリ袋に入れて冷蔵庫へ。1週間はこれで鮮度を保てる。

冷凍保存する場合

みょうがを1ヶ月以上保管したいという場合には、冷凍保存一択である。冷凍する場合には、みょうがをよく洗い水分をしっかりと除去する。洗ったみょうがは1つずつラップにくるみ、さらに専用の保存袋に入れて冷凍庫に保管する。ただし、解凍後のみょうがは水分を多く含んでいるため、独特のしゃきっとした食感は失われることが多い。

5. みょうがの効果的な調理方法

みょうがは使う直前に刻むのがよい。刻んだあとは水にさらしてアクを取る。切り方としては縦半分に切り、それを斜めに刻む方法と繊維を断ち切るように輪切りにする方法を使い分けるとよい。
みょうがの調理方法としては、薬味として使う以外には、軽く茹でたみょうがを出汁と塩、砂糖が入った酢に漬ける「みょうがの甘酢漬け」や、刺身などと和えたり、サラダに加えたり、汁物に入れて食すとよいだろう。

6. みょうがの栄養を効率よく摂取できるおすすめレシピ3選

みょうがは、栄養面におけるメリットが多い。そうめんなどの薬味として使うことがよく知られているが、より効率的に気軽にみょうがを食べるにはどのような調理法があるだろうか。料理初心者でもカジュアルに使用できるみょうが活用法を紹介する。

ごはんと

みょうがの香味を心ゆくまで楽しむには、ごはんとの組み合わせがおすすめである。切ったみょうがに塩をまぶしてしばらく置き、しそや白ごま、しらすなどと一緒に炊き立てのごはんにまぶすのである。ごはんは酢飯にするとより夏らしく楽しめる。

サラダに

みょうがのシャキシャキとした食感はサラダにも向いている。たとえば、塩昆布の塩味を活用して、キャベツとともにみょうがをサラダとして食べてはどうだろうか。ごま油で味付けをすれば、食欲を刺激してくれるサラダとなる。また、きゅうりやにんじんなど、冷蔵庫にある常備野菜を千切りにしてみょうがを加え、好みのドレッシングで楽しんでも食べやすい。

汁物に

日本古来の野菜であるみょうがは、味噌汁などの汁物とも美味しく食べることができる。また、魚介類のつみれの吸い物に、みょうがをアクセントとして入れるのも乙な味わいである。みょうがの苦みが好みであれば、トマトなどの洋野菜との相性も試してみてはどうだろう。洋風のかきたま汁などに、みょうがを加えて大人の味を堪能してほしい。

7. 栄養豊富なみょうがにはいろいろな効果・効能が期待できる

夏から秋にかけて旬となるみょうがは、夏バテの予防にもなりそうな豊富なビタミンやミネラルを内包している。多量に食べる食材ではないが、薬味としてだけではなく日常的なメニューにアクセントのようにして加えると、効率よく健康や美容に有益な栄養を摂取できる。夏の暑さに対抗できそうなその滋味を、どんどん食卓に取り入れていこう。

結論

古くは平安時代の延喜式に登場し、日本では古来愛されてきたみょうが。独特の苦みや香りは、現代も薬味をはじめとしてさまざまな食べ方で食卓に登場する。みょうがはビタミンやミネラルの栄養を有しており、率先して摂取したい夏の食材といえるだろう。食感や風味を失わないよう工夫をして、家族で楽しめるメニューにもみょうがを加えて楽しんでほしい。
(参考文献)
1:文部科学省「食品成分データベース」
2:文部科学省 食品成分データベース

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06280_7
3:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
4:厚生労働省「カリウム _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
5:葉酸 _ ビタミン _ 栄養成分百科 _ グリコ
https://jp.glico.com/navi/dic/dic_24.html
6:森北出版デジタル化学辞典(アントシアニン)
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  • 公開日:

    2017年4月28日

  • 更新日:

    2023年7月13日

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