目次
1. 水切りヨーグルトとは?

水切りヨーグルトとは、水分(ホエー)を取り除いた硬めのヨーグルトのことである。ギリシャヨーグルトに代表されるように、ヨーロッパでは伝統的なヨーグルトとして知られている。その特徴は水分を取り除いているため、フレッシュチーズのような食感と濃厚な味わいを楽しめること。また、一般的なヨーグルトより水分量が少ないため、栄養がギュッと詰まっていることなどがある。
2. 水切りヨーグルトの主な栄養価

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」には(※1)、水切りヨーグルトの栄養価は収録されていない。そこで、雪印メグミルクが紹介している「ナチュレ 恵 megumi」を使った水切りヨーグルトのカロリーや三大栄養素の含有量を参考程度に確認しておこう(※2)。
水切りヨーグルト(約300g)の主な栄養価
- カロリー:232kcal
- たんぱく質:14.0g
- カルシウム:310mg
- 食塩相当量:0.3g
ホエー(約100g)の主な栄養価
- カロリー:20kcal
- たんぱく質:0.4g
- カルシウム:130mg
- 食塩相当量:0.1g
3. 水切りヨーグルトの基本的な作り方

水切りヨーグルトは、ヨーグルトさえあれば家で作ることも可能だ。また、家で作る場合は水切り時間によって食感を調整できるため、お好みの水切りヨーグルトを作ることができる。滑らかな食感を楽しみたいなら1~2時間程度、硬めの食感を楽しみたいなら6時間~1晩程度水切りを行おう。
水切りヨーグルトの作り方・手順
- ボウルにザルとキッチンペーパーを敷く
- (1)の上にヨーグルトを乗せる
- ヨーグルトに軽く食品用ラップを被せる
- お好みの時間、冷蔵庫に入れておけば完成
- 水分(ホエー)は料理に使えるので捨てない
水切り時間の目安と仕上がり具合
- 1~2時間:ヨーグルト約300g/ホエー約100g
- 3~4時間:ヨーグルト約250g/ホエー約150g
- 6~8時間:ヨーグルト約200g/ホエー約200g
(ヨーグルト400gを水切りした場合)
4. ヨーグルトの「水切り」時短テクニック

前述の作り方でも水切りヨーグルトはできるが、最低でも1~2時間程度の水切りが必要になる。しかし、以下で紹介しているテクニックを試せば、水切りヨーグルトを短時間で作れるようになる。
テクニック1.重しを乗せる
水切りする際に「重し」を乗せることで、通常よりも水切り時間を1/3程度まで短縮できる。やり方は簡単で、食品用ラップを被せたヨーグルトの上に「重し」を置くだけだ。重しは、市販のものを使ってもいいし、チャック付きの保存袋に水を入れて作った簡易的な重しを使ってもよい。
テクニック2.電子レンジで加熱する
ヨーグルトを電子レンジで加熱する方法なら、すぐに水切りヨーグルトを作れる。やり方は、まず耐熱容器にヨーグルトを入れてから、600Wの電子レンジで6分程度加熱する。それから、キッチンペーパーを敷いたザルにヨーグルトを移して漉せば完成だ。
5. 水切りヨーグルトの美味しい食べ方

自家製水切りヨーグルトはそのまま食べても美味しいが、デザート・おかず・おつまみなどの材料として使うのもおすすめ。特にしっかりと水切りしたヨーグルトは、濃厚なクリームチーズの代わりとして使うこともできる。ここではそんな水切りヨーグルトの美味しい食べ方について紹介しておこう。
食べ方1.デザート
水切りヨーグルトにフルーツやジャムなどをトッピングするだけでも、オシャレなデザートとして楽しめる。また、水切りヨーグルトを使って、チーズケーキ・ヨーグルトケーキ・ティラミスといったスイーツを作るのもおすすめだ。水切りヨーグルトならではの爽やかな味わいを楽しめる。
食べ方2.おかず
濃厚な味わいの水切りヨーグルトを使って、ヘルシーサラダを作ってみよう。サラダのアイデアとしては、グリーンサラダの上にトッピングする、スライストマトでサンドしてカプレーゼにする、きゅうりやカニかまと一緒に和えるなどがある。
食べ方3.おつまみ
水切りヨーグルトを使って、おつまみを作るのもおすすめだ。定番はクラッカーに水切りヨーグルトを乗せたものだが、ほかにも生ハムで巻いたり、ディップソースに使ったりしても美味しい。クリームチーズとは違った味わいを楽しんでみよう。
6. 水切りヨーグルトの正しい保存方法

自家製の水切りヨーグルトは、2~3日で食べ切るなら「冷蔵保存」、3日以上保存するなら「冷凍保存」がおすすめだ。冷蔵保存をする場合は、乾燥を防止するために密閉容器に入れて冷蔵庫に入れよう。また、冷凍保存をする場合は、食品用ラップなどに包んでから冷凍用保存袋に入れて保存するとよい。冷凍した水切りヨーグルトは、冷蔵庫に移して自然解凍してから食べるようにしよう。
7. 市販のおすすめ水切りヨーグルト3選

日本では、2011年に森永乳業から発売された「ギリシャヨーグルト パルテノ」を皮切りに、さまざまな食品メーカーから「ギリシャヨーグルト(水切りヨーグルト)」が販売されるようになる。ここでは、数ある市販の水切りヨーグルトの中から、特に人気のものを3種類紹介しておこう。
おすすめ1.森永乳業「ギリシャヨーグルト パルテノ」
「ギリシャヨーグルト パルテノ」は、大手食品メーカーの森永乳業が製造している水切りヨーグルトである。ラインアップが数多くあり、プレーン・ブルーベリーソース入・はちみつ付などの定番フレーバーに加え、オレンジソース入・レモンジンジャーソース付といった季節フレーバーも販売されている。ちなみに発売日である9月1日はパルテノの日となっている。
おすすめ2.国分フードクリエイト「ギリシャヨーグルト」
「ギリシャヨーグルト(Greek YOGURT)」は、国分フードクリエイトの水切りヨーグルトだ。ギリシャで使われているサーモフィラス菌を使っている本格ヨーグルトであり、滑らかな舌触りともっちりとした食感が楽しめるという。また、たんぱく質とカルシウムが普通のヨーグルトよりも2倍入っているのが特徴だ。
おすすめ3.ダノン「オイコス」
「オイコス(oikos)」は、大手ヨーグルトメーカーのダノンが販売している水切りヨーグルト。たんぱく質の含有量が10g以上となっている一方で、カロリーは100kcal未満であるのが特徴だ。そのため、トレーニングやダイエットなどに取り組んでいる人にもおすすめとなっている。オイコスのフレーバーには、プレーン・ストロベリー・ブルーベリーなどがある。
8. 水切りヨーグルトのよくある質問

ここまで水切りヨーグルトについて詳しく説明してきたが、まだ水切りヨーグルトについて知りたいこともあるだろう。そこで最後に水切りヨーグルトに関するよくある質問に回答する。
Q1.水切りヨーグルトの歴史を教えて!
ヨーグルトの水切り製法は、紀元前のギリシャで誕生したといわれている。当時は劣化しやすいミルクを長期保存するために使われていたそうだ。その後、1990年代に入ってからヨーロッパで注目を集めて、2004年のアテネオリンピックを機にアメリカでも認知度が高まる。その後、日本では森永乳業がいち早く目を付け、2011年に「ギリシャヨーグルト パルテノ」を発売した(※3)。
Q2.余ったホエーはどんな料理に使える?
水切りヨーグルトを作ると、ホエー(水分)が余ってしまう。このホエーにはほのかな酸味があるため、ドレッシングやマリネ液などに使うことが可能だ。また、ハチミツと一緒に炭酸水で割れば、さわやかな酸味が美味しいドリンクが完成する。このほか、ホエーには肉を柔らかくする働きがあるため、肉料理の下ごしらえに使うこともできる。料理・ドリンク・下ごしらえなどに使ってみよう。
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結論
普通のヨーグルトを一晩水切りするだけで、「水切りヨーグルト」として濃厚な味わいが楽しめるようになる。そんな水切りヨーグルトは、そのまま食べても美味しいが、デザート・おかず・おつまみなどに使うことも可能だ。たんぱく質やカルシウムが豊富なのにヘルシーなので、トレーニングやダイエットなどをしている人もぜひ試してみよう。
【参考文献】
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/ - ※2:雪印メグミルク「水切りヨーグルトの作り方」
https://www.meg-snow.com/recipe/detail/10653.html - ※3:森永乳業株式会社「森永乳業のヨーグルト開発」
https://www.morinagamilk.co.jp/learn_enjoy/research/story/yogurt/
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