1. 焼酎の歴史

生まれ故郷
焼酎の起源となる蒸留酒が誕生したのは、紀元前3000年ごろのメソポタミア文明の頃と言われている。その後古代ギリシャで発展し、ヨーロッパを経由して東洋へともたらされた。世界各地に広がった蒸留酒は、それぞれの地で独自に発展することとなる。
朝鮮ルートと琉球ルート
日本に渡ったのは、正確な記録はないが、少なくとも500年前には飲まれていたことを記す文書が残っている。そのルートは2つと言われており、その一つが朝鮮からの貢物として対馬に伝来したとするもの。もう一つが現在のタイに当たる国から、琉球へ伝来したとするものである。現在、焼酎の産地である九州へは琉球からもたらされたようだ。
阿刺吉酒
焼酎は江戸時代、阿剌吉酒(あらきしゅ)として親しまれていた。この阿剌吉とは、東アジアで愛飲されていた蒸留酒「アラック」が訛ったものではないかと言われている。江戸時代の文献を遡ると当時は、胃や腸の痛みを治すなど、薬効を期待して飲まれていることもあったようだ。
2. 焼酎の種類

蒸留酒と醸造酒
前述の通り、焼酎は蒸留酒である。ちなみに蒸留酒とは醸造酒を蒸留して作られる酒のこと。スピリッツと呼ばれることもある。ちなみに醸造酒は、酵母によりアルコール発酵させて作る酒で、ワインやシードル、ビール、日本酒などにあたる。一般的に蒸留酒は醸造酒よりもアルコール度数が高いことでも知られている。
甲類(連続式蒸留焼酎)
焼酎は甲類(連続式蒸留焼酎)と乙類(単式蒸留焼酎)に分けられる。これは、蒸留方法による分類である。連続式蒸留機を使用した純度の高いアルコールを水で薄めたものを甲類(連続式蒸留焼酎)と呼ぶ。ほとんどの場合、透明で焼酎独特の香りも薄く、炭酸やサワーで割るのにも向いている。口あたりもさっぱりしている。甲類という呼び方がしっくりくる方も多いと思うが、平成18年度より、正式な名称は連続式蒸留焼酎に変更されている。
乙類(単式蒸留焼酎)
対して単式蒸留機を使用して、伝統的な製法で作られるものが乙類(単式蒸留焼酎)である。原料となる芋、麦、米などの旨味を引き出し閉じ込めるので、香りが高く、味わいが深い。その手間暇かかる工程と古来より変わらない製法から、本格焼酎と括られることもある。こちらも平成18年度に乙類から単式蒸留焼酎へと正式に名称が変更されている。
3. 乙類焼酎(単式蒸留焼酎)の種類

代表的な原料
代表的な原材料は、米、麦、芋あたりだろう。この主原料に麹を合わせることで、味が決まる。麹は黒麹、白麹、黄麹の3種類が代表的なもの。組み合わせ次第で幅広い味わいになるが、基本的な味わいは次のようである。米焼酎は、芳醇でまろやかな味わい。タイ米を原料とした泡盛は、独特の香りとキレのある味わいが特徴である。一方麦焼酎は、どこか甘味を感じる軽やかな味わい。芋焼酎は、高い香りと強い甘みが癖になる。
変わり種の原料
実は焼酎の原材料として法律で認められている食材は、実に50種類以上ある。アロエや紅茶、栗、抹茶、レンコン、牛乳、トマトなど。調べてみると驚くほど多くの焼酎が存在する。紫蘇やそば、ゆず焼酎などは、スーパーでも売られているかもしれない。
飲み方
焼酎は幅広い飲み方ができるところも魅力。そのものの味わいを楽しむのなら、ロックで。すっきりと味わいたいなら水割り。まろやかさと香りを楽しむのなら、お湯割り。そのほか、ソーダやレモンと合わせたり、梅干しなどを加えたり、とアレンジは自在だ。日本の家庭料理に合わせやすいところも嬉しいポイントだ。
結論
焼酎はコストパフォーマンスもよく、家飲みの強い味方。作られている場所や原料によって、味わいがまるで異なるので、ぜひ自分好みの焼酎を見つけて欲しい。
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