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テリーヌとは?パテのような見た目をしたフランス料理の特徴や作り方

テリーヌとは?パテのような見た目をしたフランス料理の特徴や作り方

投稿者:食生活アドバイザー 吉田昌弘

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2022年10月 2日

フランス料理の一種で、四角い見た目が特徴的な「テリーヌ」。従来は料理として見かけることが多かったが、現在はスイーツとして見かける機会も増えた。そのことからどれが本物のテリーヌなのか分かりづらいと感じている人もいるだろう。そこで今回は、テリーヌの基本、パテやリエットとの違い、ゼラチンで固めるテリーヌの作り方などを詳しく解説する。

  

1. テリーヌとは?

テリーヌとは
テリーヌ(Terrine)とは、フランス料理で使われる、陶器製の蓋付きの土鍋のこと。蓋付きの土鍋なら形状は問わないため、長方形・楕円形・丸形などさまざまな形がある。また、本来の意味では蓋つきの土鍋であるが、現在ではテリーヌを使った料理も「テリーヌ」と呼ばれている。テリーヌ料理は古くから保存食として食べられており、現在でもフランス料理の前菜として食べられている。

テリーヌの現在

テリーヌは、蓋付きの容器を使って作られる料理のことも指す。当初は肉料理がメインであったが、現在では魚類・野菜類などを容器に詰めて焼いたものもテリーヌと呼んでいる。また、昨今はオーブンで焼いたものだけでなく、ゼラチンで固めたものもテリーヌと呼ばれている。なお、テリーヌで作られたパテは、正確には「テリーヌ・ド・パテ(terrine de pâté)」という名称である。

2. パテやリエットとの違いは?

テリーヌとは
テリーヌと似た見た目をしているフランス料理に、パテやリエットなどがある。そこでこれらの料理とテリーヌの違いついても紹介しておこう。また、シャルキュトリについても解説しておく。

1.パテとは?

パテ(pâté)とはフランス料理の一つで、細かくした食肉や野菜類をパイ生地で包んで焼いたものである。そのため、テリーヌと似ている料理ではあるが、パイ生地で包んで焼いている点が大きく異なる。ただし、近年はパイ生地に包まずに野菜や背脂で包んだものも「パテ」と呼ぶようになっているほか、練り物全般やスプレッドを「パテ」と呼ぶことも増えており定義が曖昧になりつつある。

2.リエットとは?

リエット(Rillettes)もフランス料理の一つで、肉類と脂(ラード)を合わせてからじっくりと加熱して作るペースト状の料理である。前述したパテに似ているが、本来の作り方で比較すると全く異なる。しかし、近年はパテが練り物全般を意味するため、リエットも同義として扱われることもあるようだ。なお、本来のリエットは肉類を使うが、近年はマグロ・イワシ・サケなどの魚類も使用する。

3.シャルキュトリとは?

シャルキュトリ(Charcuterie)とは、ハム・ソーセージ・テリーヌ・パテ・リエットなどの食肉加工品の総称である。そのため、テリーヌのように特定の調理法・料理を指す言葉ではない。また、このような食肉加工品を販売するお店のことも、同様にシャルキュトリと呼んでいる。サラダや総菜などと一緒に販売されることが多く、フランスの日常には欠かせない存在となっている。

3. ゼラチンで固めるテリーヌの作り方

テリーヌとは
本来のテリーヌは長方形のテリーヌ型に具材を詰め込み、オーブンで加熱して作る。しかし、近年は粉ゼラチンを加えて長方形に固めるような作り方もある。ここではより簡単なゼラチン粉を使った「野菜のテリーヌ」の作り方を紹介する。以下の手順を参考にテリーヌを作ってみよう。

野菜とエビのテリーヌの下ごしらえ

・ニンジン:1cm幅に切り、下茹でしておく
・ズッキーニ:1~2cm幅に切り、下茹でしておく
・オクラ:ヘタを取り板ずりしてから下茹でしておく
・ヤングコーン:塩茹でしておく
・モロッコインゲン:塩茹でしておく
・エビ:殻と尾を剥いておく(冷凍エビは解凍しておく)
・キャベツ:水洗いしておく

野菜とエビのテリーヌの作り方

1.鍋に水とコンソメ顆粒を入れて加熱する
2.フツフツしたら止めて、鍋にゼラチンを加える
3.テリーヌ型(長方形の型)にラップを敷いておく
4.テリーヌ型の一番下に殻を剥いたエビを均等に並べる
5.エビが被るくらいまでゼラチンを溶かした液を注ぐ
6.野菜類(キャベツ以外)を段々になるよう敷き詰める
7.型にゼラチンを溶かした液を注ぎ、キャベツで蓋をする
8.容器にラップをして冷蔵庫で固まるまでしっかりと冷やす
※少なくとも30分以上は冷やすようにする
9.固まったテリーヌを切り分けてから盛り付ければ完成

4. テリーヌの正しい食べ方

テリーヌとは
ゼラチンで固めたテリーヌは、味付けされているためナイフでひと口大に切りながら食べるのがおすすめだ。また、スイーツとして出されるテリーヌも同様にナイフで切り分けながら食べよう。一方、パテのようなテリーヌはソースなどがあればそのまま食べてもよいし、パンやクラッカーに塗ってから食べてもよい。提供された料理に合わせて食べるようにしよう。

5. テリーヌに関するよくある質問

テリーヌとは
最後に、テリーヌに関するよくある質問・疑問に回答する。

Q1.テリーヌの名前の由来とは?

テリーヌ(Terrine)には、フランス語で「大きな陶器の容器」という意味がある。また、テリーヌの語源は土や土地などを意味する「Terre」に、女性名詞を表す接尾語「-ine」が付いたものと考えられている。このことからもテリーヌは本来、容器そのものだけを指していたことが伺える。

Q2.スイーツのテリーヌもあるの?

スイーツの中にもチョコレートテリーヌ、ショコラテリーヌ、チーズテリーヌなど、テリーヌと付くものは多くある。これらのスイーツの特徴は、作った生地を型に流し込んでから、蒸し焼きや湯煎焼きなどで仕上げていることだ。濃厚な味わいのスイーツを楽しむことができるだろう。

結論

テリーヌは本来、陶器製の蓋付きの土鍋のことであった。しかし、時代の変化とともにテリーヌ型を使った料理もテリーヌと呼ぶようになり、さらに作り方も多様になっている。フランス料理でテリーヌと見たら基本的には四角い料理ではあるが、お店により異なることもある。詳しくはシェフやスタッフに確認するのもよいだろう。
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  • 公開日:

    2018年6月14日

  • 更新日:

    2022年10月 2日

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