1. 消費期限とは?

消費期限とは、安全に食べられる期限のことを指す。野菜などの生鮮食品や砂糖などの加工食品などを除けば、多くの商品には消費期限か賞味期限のいずれかが記載されている。いずれも食品に関する期限のことではあるが、消費期限は「安全に食べられる期限」、賞味期限は「美味しく食べられる期限」を指している。なお、肉類の場合は生肉か加工肉かなどにより消費期限が異なる(※1、2)。
食肉の消費期限の表示方法
食肉ごとの詳しい消費期限は後述するが、表示方法のルールは「加工日を0日目として、食肉ごとの日数を加算して消費期限(賞味期限)を表示する」となっている(※2)。たとえば、その食肉の消費期限が3日となっており、1月1日に加工した場合には、1月1日に3日を加えた「1月4日」が消費期限となる。
2. 生肉の消費期限はどれくらい?

スーパーや精肉店では羊肉や馬肉などが売られていることもあるが、ここでは普段目にすることが多い牛肉・豚肉・鶏肉の3種類の消費期限を紹介する。なお、消費期限の目安は冷蔵庫の保存温度によって変わってくるが、日本では市販の冷蔵商品は10℃以下で保存すればよい(※3)。そのため、ここでも10℃以下を目安に生肉の消費期限について解説する。
生の「牛肉」の消費期限
牛肉の消費期限は、一般的に2~3日程度となっている。これらは販売時の形態によって異なり、肉塊(ブロック肉)やスライス肉なら3日、ひき肉なら2日とされている。また、小腸・レバー・ハツ・タン・ミノ・テールなどのホルモン類は、一般的に4~5日程度とされている。
生の「豚肉」の消費期限
豚肉の消費期限は、一般的に1~3日程度となっている。販売形態別に見ると、肉塊(ブロック肉)やスライス肉は牛肉同様で3日、ひき肉なら1日とされている。また、大腸・レバー・ハツ・タンなどのホルモン類はいずれも2日と定められており、牛肉のホルモン類に比べると短めに決められている。
生の「鶏肉」の消費期限
鶏肉の消費期限は、肉塊(ブロック肉)・スライス肉・ひき肉いずれも1日程度と非常に短くなっている。また、ガイドライン上で鶏ホルモンに関する目安は定められていないため、食肉販売業者などが適切な試験などを行い、消費期限を表示している。
3. 正しく保存して美味しさ長持ち

スーパーなどでは、冷凍保存された食肉も販売されている。冷凍保存された食肉は生肉よりも腐りにくいため、消費期限が長めに設定されている。例えば、真空包装された牛肉は過食期間が24か月であり、包装形態を問わず豚肉と鶏肉は24か月となっている。冷凍保存中には「冷凍焼け」を起こすこともあるが、生肉に比べるとかなり長期間保存することが可能となっている。
4. 消費期限切れの食肉の特徴とは?

鮮度のいい食肉は色味がキレイで、肉に弾力があり、ニオイもしない。しかし、時間が経ち劣化が始まると、色味・弾力・ニオイなどに変化が生じてくる。特に消費期限から数日経ち、以下のような明らかな変化が見られる場合には、傷んでいる可能性が高いので食べるのは控えるようにしよう。
- 色味:灰色や緑色のようなくすんだ色になっている
- 弾力:ヌルヌル感やネバネバ感を伴う
- ニオイ:酸っぱい臭いや、アンモニア臭がする
なお、食肉の劣化は消費期限を1日過ぎたときから突然始まるものではない。そのため、1日過ぎている程度なら、上記のような変化は見られないかもしれない。しかし、前述のとおり消費期限はメーカーが定めた「安全に食べられる期限」のことなので、できる限りこの期限中に食べるようにしよう。
結論
食肉は水分とたんぱく質が豊富であることから、細菌が繁殖しやすく劣化が早い。そのため、生肉の消費期限は全体的に短いので、スーパーなどで買ってきたら早めに食べ切るようにしよう。また、長期保存が必要な場合は、食肉を冷凍保存するのもおすすめだ。食肉の種類ごとの冷凍保存のやり方は別の記事で解説しているので、合わせて確認してみよう。
【参考文献】
- ※1:農林水産省「消費期限(しょうひきげん)と賞味期限(しょうみきげん)」
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html - ※2:全国食肉事業協同組合連合会「お肉の表示ハンドブック」
https://www.ajmic.or.jp/kumiai/2019pdf/2019handbook.pdf - ※3:厚生労働省「スーパーマーケットにおけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000213322.pdf