1. 調理法の「煮る」とは?
「煮る」とは、食材をだし汁などの調味液に入れて火を通す調理法のことを指す。また、煮て作られた料理は「煮物」や「煮物料理」などと呼ばれる。世界中でも非常にポピュラーな調理法であり、日本料理ではだし汁・味噌・生姜汁などを使って煮ることが多い。ただし、この煮方には煮込み・煮詰める・含め煮・煮切る・煮浸しなどの種類があり、それぞれ茹で方のポイントが異なっている。
調理法の「茹でる」との違いは?
煮ると似ている調理法の一つに「茹でる」がある。茹でるも煮ると同じように食材に火を通す調理法ではあるが、一般的には水(お湯)で行う調理法を指す。また、煮る場合には煮汁を盛り付けたり食べたりするが、茹でる場合には基本的に茹で汁を盛り付けることはない。
調理法の「湯がく」との違いは?
煮るや茹でると似ている調理法に「湯がく」というものがある。こちらは葉物野菜などをしんなりとさせるために、短い時間サッとお湯に入れる調理法である。また、アク抜きや臭み取りなどにも使われる。なお、地域によっては「湯がく=茹でる」という意味で使っているところもある。
2. 煮詰めると煮込むの違いとは?
「煮る」という調理法にはいくつか種類があるが、特に多く目にするのが「煮詰める」と「煮込む」の二つ。これらはそれぞれ調理の目的やポイントが異なるという。そこでレシピ本などにもよく出てくる煮詰めると煮込むの違いについても確認しておこう。
煮詰めるは「煮汁の水分を飛ばすこと」
煮詰めるとは、中火ほどの火加減で煮汁の水分を飛ばしながら煮る調理法である。煮詰めることで煮汁の水分が減るため、煮汁の味を凝縮させることが可能だ。また、煮汁にとろみなどを付けることができる。煮詰めるはさまざまな料理に使うが、主なものにトマトソースやミートソースなどがある。
煮込むは「時間をかけてじっくり煮ること」
煮込むとは、弱火(とろ火)ほどの火加減でじっくりと煮る調理法である。じっくりと煮ることで食材のうま味が煮汁に浸み出し、また浸み出したうま味が食材に吸収されるため一体感のある料理に仕上がる。煮込みもさまざまな料理に使われるが、主なものにカレーやシチューなどがある。
3. 煮詰めるときの3つのポイント
煮詰めると煮汁の水分量が減ってしまうため、鍋やフライパンが焦げ付いてしまう可能性がある。また、煮詰めすぎて味が濃くなりすぎてしまう失敗もある。そのため、煮詰めるときにはこれらに注意しながら行う必要がある。以下のポイントを参考にしながら美味しく調理するようにしよう。
その1.中火程度で煮詰める
煮詰めるときには、火加減が強すぎるとすぐに焦げ付いてしまう。一方、火加減が弱すぎると煮詰めるのに時間がかかってしまう。そのため、おすすめは中火程度で煮詰めること。また、煮詰めている間は鍋をゆすったり、かき混ぜたりすることで焦げ付きを防止できる。なお、みりんなどを使うときには特に焦げ付きやすいので、中火よりもやや弱めの火加減にしておくのがおすすめだ。
その2.煮詰め過ぎたらお湯を足す
煮詰める調理は難しいため、食材に火が通る前に水分が飛んでしまうこともある。そのときは、お湯を少量加えるようにすれば問題ない。そのときお湯を加えすぎると煮汁の味が薄まってしまうため、少量のお湯を足すのがポイントになる。
その3.水分が多いなら煮汁だけ煮詰める
具材に火が十分通ったのにまだ水分が残っている場合は、具材を取り出して煮汁だけを煮詰めるようにしよう。煮汁だけの状態にしておけば、具材への火の通り過ぎを防げるし、煮汁を丁度いいくらいまで煮詰めることも可能だ。煮汁の水分が少なくなってきたら、改めて具材を戻して完成させよう。
結論
「煮る」という調理法には「煮詰める」「煮込む」などいくつか種類があり、それぞれ特徴ややり方などが異なる。また、「茹でる」「湯がく」のように「煮る」と似ている調理法もある。そのため、調理法の意味を正しく理解して、レシピ本どおりに美味しい料理を作るようにしよう。
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