1. キャベツの旬と賞味期限について

保存方法の前に、まずはキャベツの基本からおさらいしておこう。通年手に入るものの、春・夏・冬それぞれのキャベツがあり旬が異なる。またキャベツの状態により賞味期限も変わってくる。
キャベツの旬
- 春キャベツ:3〜5月頃
- 夏キャベツ:6〜9月頃
- 冬キャベツ:11〜2月頃
ご覧のように、いつスーパーや八百屋に行っても、その時期が旬のキャベツを買える可能性が高い。それはうれしいことだが、たとえば春キャベツは、冬キャベツと比べて甘く柔らかいが傷みやすいため保存期間が短くなる傾向にあるなど、やや特徴が異なる。自分が購入したのがどの時期のキャベツなのか、把握しておくことが大切だ。
美味しく食べられる期間の目安
もうひとつ、キャベツは状態によっても美味しく食べられる期間が異なる。個体差があるため明確な「賞味期限」があるわけではないが、一般的に丸ごとであれば2週間ほど、カット済みのものであれば1週間ほどが目安となる。また千切りキャベツはその日のうちに消費するのが基本だ。
2. 新鮮なキャベツの選び方と栄養について

キャベツを保存するなら、できるだけ新鮮なものを買ってきて長く鮮度を保ちたいところだろう。選ぶときのポイントや、どういった栄養が摂れるのかも解説する。
新鮮なキャベツの見分け方
まずは手に取ってみよう。しっかり重さを感じられるものは、中まで葉がぎっしり詰まっていると考えてよい。またその際、外葉も一緒にチェックしておこう。緑色が濃くツヤがあり、ある程度硬さのあるものは水分が抜けていない、つまり新鮮な証拠だ。しなびていたり、外葉が取られて白くなっていたりするものは鮮度が落ちている。なお、芯の直径は500円玉程度が目安だ。それよりも芯が太いキャベツは成長しすぎており、葉が硬い可能性がある。
半分や1/4などにカットされたキャベツを買う場合は、断面に着目するとよい。黒ずんでいるものはカットしてから時間が経っている。キレイな白色をしており、みずみずしさが残っているものを選ぼう。
半分や1/4などにカットされたキャベツを買う場合は、断面に着目するとよい。黒ずんでいるものはカットしてから時間が経っている。キレイな白色をしており、みずみずしさが残っているものを選ぼう。
キャベツに含まれる主な栄養
キャベツ100gあたりには、活性酸素を抑制する抗酸化ビタミンのひとつ「ビタミンC」が41mg含まれている。免疫力の向上や疲労回復などにも役立つ栄養素だ。また、脂溶性ビタミンのひとつで骨や血液の健康など、体のさまざまな機能を正常に保つ働きをもつ「ビタミンK」も78mg含まれている(※1〜3)。
そのほか、いわゆるキャベジンと呼ばれる「ビタミンU」や、胃の健康を保つのに欠かせない「ジアスターゼ」と呼ばれるでんぷん分解酵素、レッドキャベツに多いポリフェノール「アントシアニン」などもキャベツに豊富に含まれる栄養素だ。
そのほか、いわゆるキャベジンと呼ばれる「ビタミンU」や、胃の健康を保つのに欠かせない「ジアスターゼ」と呼ばれるでんぷん分解酵素、レッドキャベツに多いポリフェノール「アントシアニン」などもキャベツに豊富に含まれる栄養素だ。
3. キャベツ丸ごと1個を保存する方法

それでは、キャベツの具体的な保存方法を紹介していこう。まずは丸ごと1個を保存する方法からだ。この場合は「芯取り」をしてから保存すると長持ちする。
芯を取る方法
キャベツは中心から育つ野菜だ。収穫後であっても、芯が付いていると成長しようとして葉の水分や栄養分が消費されてしまう。その結果、傷んだり乾燥したりして味が落ちるのだ。芯の横から斜めに包丁を入れ、向きを変えながら5~6回差し込み、最後に芯をくるりと回して抜き取ろう。果物ナイフのような、小さめの包丁の方がやりやすいだろう。
包丁での芯取りが難しい場合は、スコップのような形をしたキャベツの芯取り専用グッズを使ってもよい。ちなみにレタスも芯を取ることで長持ちするが、レタスは金属に触れると変色するため、包丁を使わず素手で芯をねじり取るほうがよい。
包丁での芯取りが難しい場合は、スコップのような形をしたキャベツの芯取り専用グッズを使ってもよい。ちなみにレタスも芯を取ることで長持ちするが、レタスは金属に触れると変色するため、包丁を使わず素手で芯をねじり取るほうがよい。
保存方法
- キッチンペーパーを水で濡らす
- 芯取りをしたあとのくぼみに詰める
- 新聞紙を水で濡らし、全体を包む
- ポリ袋に入れ、軽く口を閉じる
- 芯があった部分を下に向けて、冷蔵庫の野菜室に入れる
新聞紙がなければキッチンペーパーでもよい。またポリ袋の口は、キャベツが呼吸できるように軽く閉じておくのがポイントだ。そのほか、芯があった部分に詰めたキッチンペーパーは、定期的に交換しよう。丸ごと1個保存した場合、使うときは外葉から剥がして使うとより長持ちする。
保存期間の目安
保存前の状態や時期などによって異なるが、2週間を目安にできるだけ早く使い切ろう。
4. カットしたキャベツの保存方法

続いて丸ごと1個をカットして余ったものや、カット済みのキャベツを買ってきたときの保存方法を解説する。
同じく芯取りをする
丸ごとのときと同じように、まずは芯取りを済ませよう。断面が見えているので、丸ごとのときよりも処理は簡単なはずだ。ケガに気をつけて芯取りをしたら、以下の手順で冷蔵庫で保存しよう。
保存方法
- 新聞紙を水で濡らし、キャベツ全体を包む
- ポリ袋に入れ、軽く口を閉じる
- 芯があった部分を下に向けて、冷蔵庫の野菜室に入れる
丸ごとではないため、バランスの問題で芯があった部分を下に向けるのは難しいかもしれないが、可能であれば下に向けよう。また使うときも、丸ごとと同じように外葉から剥がして使うと長持ちする。断面は時間が経つと酸化して黒ずむため、使うときは切り落とすとよい。
保存期間の目安
やはり保存時の状態などによって変わってくるが、丸ごとよりはかなり短くなる。できれば3日、長くても5日を目安にできるだけ早く使いきろう。
千切りキャベツは冷蔵保存できる?
千切りキャベツは空気に触れる断面が多いため傷みやすい。できれば当日中に使い切ってほしいところだが、もし余ってしまったときは保存容器に水をはり、レモン汁や酢などを少量混ぜて冷蔵庫に入れよう。ただし日持ちはしないため、翌日には使い切ることだ。
5. キャベツを冷凍保存する方法

キャベツは冷凍保存もできる。より長く保存したいときは最初から冷凍保存するのもおすすめだ。
保存方法
- ざく切り、細切り、串切りなど使いやすい大きさにカットする
- ペーパータオルなどを使い、キャベツの水気をよく切る
- フリーザーバッグに小分けにして詰めて薄く平らにする
- 空気をしっかり抜いて封をしたら冷凍庫で保存する
ポイントは、いかに時間をかけずに凍らせるかだ。急速冷凍モードがあればぜひ使おう。あわせて、アルミなど金属製のバットにのせたり、保冷剤で挟んだりするのもよい。
千切りキャベツの冷凍保存方法
冷蔵保存にはあまり向かないとお伝えした千切りキャベツだが、冷凍なら長く保存できる。千切りしたキャベツをサッと水にさらし、水気をよく切ってから上述の手順にしたがって冷凍保存しよう。
保存期間の目安
冷凍なら1カ月ほどは使える。いろいろな切り方をして、1回分ずつ小分けにパッケージしておくと使いやすい。
解凍方法
ざく切りしたものは、ザルに入れて熱湯をサッと通す、あるいは流水にあてて解凍するなどし、サラダや和え物などに使おう。千切りしたものは自然解凍させてから絞るとしんなりし、ドレッシングなどが絡みやすくなる。ただしシャキシャキ感は損なわれるので覚えておこう。また炒めものやスープなどに使う際は、凍ったままでOKだ。
結論
キャベツは冷蔵保存も冷凍保存もできる野菜だ。とくに「ざく切り」「千切り」「串切り」「細切り」などいろいろな形にカットして、1回分ずつ小分けにして冷凍保存すれば、使いたいときにサッと使えて便利である。ぜひ本稿を参考に上手に保存してほしい。
(参考文献)
- 1:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm - 2:厚生労働省「抗酸化ビタミン _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html - 3:厚生労働省「ビタミン _ e-ヘルスネット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html