1. 霜降り肉とは何か?

霜降り肉とは、ピンク色の筋肉の間に白い脂肪が網目状に入っている食肉のこと。「サシ」と呼ばれる筋肉の間に入った脂肪が細かいほど上質で美味しいとされている。牛肉の霜降りのランクは5段階で決まっており、1等級が最も低く、5等級が最も高くなっている。(※1)特に優れたA5の霜降り肉は非常に美味しいとされており、高級食材のひとつとしても知られている。
2. 霜降り肉が美味しい理由

霜降り肉が美味しいといわれる理由は、加熱することで脂肪が溶け出してうま味やコクがアップしたり、とろけるような柔らかさになったりするからだ。また、その味わい以上に見た目の美しさも霜降り肉の魅力といわれることが多い。ただし、食肉の美味しさは「霜降りの程度」だけでは決まらないため、「霜降り肉よりも赤身肉のほうが美味しい」といった意見も存在する。
3. 霜降り肉の部位と食べ方

「霜降りといえば牛肉」と思うかもしれないが、実は豚肉や馬肉の霜降り肉も存在する。また、牛肉や豚肉など、肉の種類によって霜降りの入りやすい部位が異なる。ここでは主な霜降り肉とそれぞれの食べ方について確認しよう。
牛:サーロインやリブロースなど
牛肉の場合は、サーロインやリブロース、肩ロース、バラ(カルビ)、トモサンカク、イチボなどさまざまな部位の霜降り肉が楽しめる。牛の霜降り肉は主にステーキをはじめ、しゃぶしゃぶやすき焼きなどに使われることが多い。柔らかくてとろけるような食感が非常に人気となっている。
豚:ネックや肩ロースなど
豚肉の場合は、ネック(首周り)や肩ロースなどが霜降り肉として知られている。首周りは「トントロ」としても知られており、1頭から数百グラムしか取れない部位となっている。焼肉やネギ塩焼きなどでも親しまれている。味は比較的さっぱりしていて、噛み応えのある食感が特徴的だ。近年になりジューシーで柔らかい霜降り豚肉を生み出すための技術も誕生している。(※2)
馬:肩バラや肩ロースなど
馬肉の場合は、肩ロースや肩バラ、バラ肉などが霜降り肉として知られている。歯ごたえが良くコリコリとした食感と、「くどさ」を感じにくいあっさりとした味わいが魅力的だ。馬の霜降り肉は馬刺し(中トロ)として親しまれているほか、しゃぶしゃぶやユッケとして食べられることも多い。
4. 下ごしらえの「霜降り」とは?

肉類や魚類の下ごしらえの一種に「霜降り」と呼ばれるものがある。この霜降りとは肉類や魚類の臭みやヌメリを取り除くために、あらかじめ熱湯をかけて食材の表面を白っぽくする工程を指す。加熱した食材の表面が白くなり、「霜が降りたように見える」ことから霜降りと呼ばれるようになった。
結論
霜降り肉とは、「サシ」と呼ばれる白い脂肪が網目状に入っている食肉のことである。そんな霜降り肉の魅力は、脂肪に含まれるうま味やコク、美しい見た目を楽しめることだ。高級食材でありなかなか普段はお目にかかれないが、記念日やイベントなどで霜降り肉を楽しんでみるのも良いだろう。
(参考文献)
- ※:日本食肉科学会「食肉用語の解説霜降り」
https://jmeatsci.org/column/%E9%9C%9C%E9%99%8D%E3%82%8A - ※1:日本食肉格付協会(JMGA)「牛枝肉取引規格」
http://www.jmga.or.jp/standard/beef/ - ※2:農研機構「《こぼれ話15》低リジン飼料で霜降り豚肉の誕生」
https://www.naro.go.jp/laboratory/brain/contents/fukyu/episode/episode_list/136818.html
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