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牛肉を柔らかくする方法11選!硬さの仕組みから理解すれば納得!

牛肉を柔らかくする方法11選!硬さの仕組みから理解すれば納得!

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

監修者:管理栄養士 中山沙折(なかやまさおり)

鉛筆アイコン 2021年1月 7日

肉料理を作る際の悩みの一つに、調理すると肉が硬くなってしまうことがある。しかし、実はこの硬くなる現象は下準備や調理方法を工夫することで防ぐこともできる。今回は加熱調理すると肉類が硬くなってしまう理由や牛肉などを柔らかく調理するためのポイントについて紹介する。

  

1. 肉が硬くなる三つの理由

牛肉などを調理すると硬くなってしまう理由には「たんぱく質変性が起こる」「肉に含まれる水分が流出する」などが関係している。また、そもそも筋組織が発達しており、肉の部位が硬いということも考えられる。まずはそれぞれの理由について確認しておこう。

理由1.筋組織が発達しているから

牛肉などの肉類は部位によって肉質が異なる。例えば、ヒレ・ロース・ランプなどは柔らかいが、肩バラ・すねなどは筋組織が発達していたり、コラーゲンが多かったりするため硬い。部位によって柔らかさに違いが出る理由は、成長する際によく使われたかどうかなどが関係している。たくさん使われている部位は筋線維が発達しており、ほかの部位に比べると「硬い」と感じることが多い。

理由2.たんぱく質変性が起こるから

たんぱく質変性とは、加熱などによりたんぱく質の構造が変化することをいう。肉の調理においてはまず50℃以上に熱することでたんぱく質の「ミオシン」に変性が起こる。この変性は、生のままでは柔らかすぎる肉をかみ切れるようにするために必要だ。しかし、66℃以上になると「アクチン」が変性を始める。アクチンまで変性してしまうと「肉が硬い」と感じるようになってしまう(※1)。

理由3.水分(肉汁)が流出するから

牛肉などの肉類を加熱すると肉に含まれる水分(いわゆる肉汁)が流出してしまう。この水分の流出は、丁度アクチンの変性が始まるときに起きるとされている。この理由はアクチンが収縮してしまった結果、アクチン内の水分が外に押し出されてしまうからだ(※1)。部位や調理方法などにより異なるが、肉類を加熱した場合は20~30%程度も重量(主に水分)が減ってしまうそうだ(※2)。

2. 肉をやわらかくする下処理

硬い牛肉などを柔らかくする方法には、「熟成」「粉砕」「pH値の変化」「調味料の添加」「たんぱく質分解酵素」などがある。まずはそれぞれのやり方の特徴について確認しておこう(※3)。
  • 熟成:肉に含まれる酵素の働きにより、ゼラチン化しやすいなどたんぱく質に変化が起こる
  • 粉砕:包丁の背や肉叩き器を使って筋線維を壊すことで、たんぱく質の収縮が起こりにくくなる
  • pH値の変化:マリネなどでpH値を酸性に傾けると、肉の保水率が高まるため柔らかくなる
  • 調味料の添加:塩コショウをすることで肉の水和性が高まり、加熱中の水分減少を防げる
  • たんぱく質分解酵素の使用:プロテアーゼなどを含む食品に浸けることで肉類が柔らかくなる
硬い肉を柔らかくするには上記のような方法があるが、例えば、熟成のように実際に自宅で行うには難しいものもある。また、pH値の変化、調味料の添加、たんぱく質分解酵素の使用は、作りたい料理によっては合わないこともある。そのため、料理に合わせてこれらの方法を使い分けるのが重要だ。

3. 肉を柔らかくするための下処理のコツ

牛肉などの肉類を柔らかくするためにできる下処理のコツを七種類紹介する。作りたい料理や食材の状態などに合わせて必要な下処理を行うようにしよう。

コツ1.筋線維とスジを断つように切る

ブロック肉を使う際は筋繊維に対して直角に包丁を入れる。これにより長い筋繊維が断たれて、加熱調理しても硬くなりにくくなる。牛肉や豚肉の筋繊維はほぼ一定方向に流れているが、鶏肉は流れが一定でないため少し難しい。まな板の上に広げて流れを確かめよう。また、切り分けたら筋線維と脂肪の間にある白いスジを切るのがコツ。わかりにくければ2cm程度の間隔で切れ目を入れればよい。

コツ2.筋線維を壊すために叩く

肉を叩くことで筋線維が壊れるため加熱調理しても硬くなりにくくなる。専用のミートハンマーを使ってもよいが、麺棒や包丁の背でも行うことができる。やり方はまな板の上に肉を広げ、肉の中心から外側に向かって叩くというものだ。もし衛生面が気になるなら、肉に食品用ラップをかけてから叩くとよい。なお、叩きすぎると肉の食感や風味が失われてしまうため注意しておこう。

コツ3.調理前に常温に戻しておく

冷蔵庫から取り出したばかりの肉は、常温に戻した肉よりも加熱に時間を要する。その結果、肉に火が入りすぎて硬くなってしまう。また短時間で仕上げようとすると、生焼けの状態になってしまう可能性もある。これらを防ぐには調理する30分~1時間前には冷蔵庫から取り出し常温に戻しておくのがコツ。常温に戻しておくことで、中まで均一に火が通り美味しく仕上げることも可能だ。

コツ4.たんぱく質分解酵素を含む食品で浸ける

牛肉などのお肉を柔らかくしたいなら、プロテアーゼに代表されるたんぱく質分解酵素を含む食品と一緒に調理するのがおすすめだ。たんぱく質分解酵素を多く含む食品はパイナップル・パパイヤ・玉ねぎなどが有名である。例えば玉ねぎを使う場合は、調理前に15~30分ほどおろした玉ねぎに浸けておくだけで肉が柔らかくなる。すりおろした玉ねぎはそのままソースに使うこともできる。

コツ5.ヨーグルトや牛乳に浸け込む

肉の臭みを消しつつ柔らかくしたいならヨーグルトや牛乳に浸け込むとよい。乳製品にはたんぱく質分解酵素の一種である「ペプシン」が含まれているため、浸け込むことで肉質が柔らかくなる。ただし乳製品を使って柔らかくしたい場合は半日程度・一晩程度は浸け込む必要があるそうだ。また、乳製品のニオイ移りが起こりやすいため、料理や味付けなどによっては向かないものもある。

コツ6.コーラや重曹などに浸け込む

pH値を調整するためにコーラや重曹に浸け込むのもおすすめだ。コーラの場合は酸性に偏り、重曹の場合はアルカリ性に偏るため、肉の保水率が変化し加熱調理しても柔らかいままをキープできるようになる。コーラの場合はそのまま30分程度浸ければよく、重曹の場合は400mLの水に食用重曹小さじ1と塩小さじ1を混ぜたものに30分程度浸す。浸けたあとは軽く水洗いをしてよく拭いておこう。

コツ7.肉類を冷凍保存しておく

肉類を冷凍すると冷凍中に細胞が壊れるため、肉質が柔らかくなる。本来、細胞が壊れるのは品質の低下であると考えられているが、肉類などの場合は肉質が柔らかくなることに役立つ。買ってきたままの状態(発泡トレー)で保存するのは衛生的な観点からよくないので、一度キッチンペーパーで水分を拭いてから冷凍用保存袋に移し替えて冷凍庫に入れるようにしよう。

4. 肉を柔らかくするための調理方法のコツ

牛肉などの肉類を柔らかくするためには下処理も重要だが、実際の調理方法も重要になる。そこで調理方法のポイントについても確認しておこう。作りたい料理に合わせて参考にするとよいだろう。

コツ1.塩コショウのタイミングを調整する

肉の調理に欠かせない塩コショウのタイミングも重要だ。脂分の多い霜降り肉の場合は加熱の5分前くらいでよいが、脂肪の少ない赤身肉の場合は加熱の直前に塩コショウをするのがよい。直前に塩コショウをする理由は早くかけてしまうと、水分(肉汁)が出てきてしまうからである。なお、塩コショウ以外の醤油や砂糖などにもpH値を調整したりたんぱく質を分解したりする働きがあるそうだ。

コツ2.小麦粉などをまぶしておく

調理中の水分の流出を防ぐために、肉類に小麦粉や片栗粉をまぶしておくのもおすすめだ。小麦粉や片栗粉を使うことで水分の流出を防ぐことができ、さらに調味料を吸うので美味しく仕上がる。これらは揚げ物では当然使うことになるが、炒め物などでも使ってみるとよい。また、それぞれの特徴から小麦粉はサクッと仕上げたいときに、片栗粉はしっとりと仕上げたいときに使うようにしよう。

コツ3.余熱で中まで火を通す

ステーキなど肉類を焼いて調理する場合は余熱を上手に使うのがポイントになる。強火で表面を加熱したら、そのあとはアルミホイルなどに包んで肉を休ませるとよい。それにより中まで十分に火が通るし、たんぱく質変性も起こりにくくなる。さらに肉汁も落ち着くのであふれ出てくるのを防げるようになる。アルミホイルの中で休ませる時間は、加熱時間と同じくらいを目安にするとよい。

コツ4.硬いお肉は煮込み料理に使う

カレーやシチューなど肉類を煮込む場合は時間をかけることがポイントになる。肉類は加熱しすぎるとたんぱく質変性により硬くなるが、一定時間加熱し続けるとゼラチン化が起こり柔らかくなる。ステーキなどの焼き物では難しいが、煮込み料理であればゼラチン化を起こすことは可能である。料理が70℃以上になるようキープししつつ、じっくりと時間をかけて煮込むようにしよう。

結論

牛肉などの肉類を柔らかくするためには、熟成・粉砕・pH値の変化・調味料の添加・たんぱく質分解酵素の使用などの方法がある。また、これらの具体的なやり方には数多くの方法がある。作りたい料理に合わせて必要な柔らかくするための方法・コツを取り入れるようにしよう。
【参考文献】
  • 公開日:

    2017年11月 3日

  • 更新日:

    2021年1月 7日

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