1. カニかまとは?

カニかまとは「カニかまぼこ」の略称であり、カニのような見た目・風味をしたかまぼこである。かまぼこであるため、原材料には主にスケトウダラなどの魚肉が使われている。ただし、見た目はビニールに包まれたスティックタイプから、形が不均一でカニの身そっくりのカニ足肉タイプまでさまざま。また、味わいや食感もかまぼこに近いものからカニそっくりのものまで色々な種類がある。
2. カニかまの歴史を紹介!

カニかまは1970年代初頭に日本の水産加工品メーカーによって作り出された。そして、1980年代以降は日本だけでなく、海外でも食べられるようになっている。そんなカニかまの歴史を見ていこう。
カニかまの誕生
「スギヨ説」「マルハ説」など諸説あるが、一般的にカニかまは1974年に水産加工品メーカーの大崎水産によって作り出されたと考えられている。当時、大崎水産の大崎勝一氏はさまざまな珍味かまぼこの製造に携わっており、そのときにカニそっくりの味のかまぼこを偶然作り出す。それがきっかけで「カニスチック」の製造に着手。その後、1974年から一般向けへの販売を開始させたそうだ。
カニかまの現在
1970年代に誕生したカニかまは、現在は日本だけでなくフランスやスペインなど欧米諸国でも多く食べられている。この理由は、国外ではカニかまがヘルシー食品として知られているからだ。また、生産に関しても日本だけでなく、リトアニアなどで多く作られているそうだ。そのほかにも、より本物志向のカニかまや高級志向のカニかまが作られるなど、新商品の開発も活発となっている。
3. カニかまには3つの種類がある

原材料や風味などで見るとカニかまには数多くの種類があるのだが、製造方法で分けると主に「刻みタイプ」「チャンクタイプ」「スティックタイプ」の3つがある。それぞれの特徴は以下のとおりだ。
- 刻みタイプ:カニの身をほぐしたような繊維状の見た目をしているタイプ
- チャンクタイプ:刻みタイプをすり上がり身で繋げた本物そっくりのタイプ
- スティックタイプ:かまぼこを棒状にまとめてから赤く着色したタイプ
4. カニかまの基本的な栄養価

カニかまの栄養価は商品によって異なるが、文部科学省の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」には「かに風味かまぼこ」という名前で基本的な栄養価が収録されている(※1)。これによればカニかま(かに風味かまぼこ)100gあたりの栄養価は以下のようになっている。
かに風味かまぼこ100gあたりの栄養価
- エネルギー:90kcal
- たんぱく質:12.1g
- 脂質:0.5g
- 炭水化物:9.2g
- 脂肪酸
・飽和脂肪酸:0.11g
・一価不飽和脂肪酸:0.1g
・多価不飽和脂肪酸:0.16g - ビタミン
・βカロテン:0μg
・ビタミンD:1μg
・ビタミンE:0.9mg
・ビタミンK:0μg
・ビタミンB1:0.01mg
・ビタミンB2:0.04mg
・ナイアシン:0.2mg
・ビタミンB6:0.01mg
・ビタミンB12:0.7μg
・葉酸:3μg
・パントテン酸:0.08mg
・ビオチン:0μg
・ビタミンC:1mg - ミネラル
・ナトリウム:850mg
・カリウム:76mg
・カルシウム:120mg
・マグネシウム:19mg
・リン:77mg
・鉄:0.2mg
・亜鉛:0.2mg
・銅:0.04mg
・マンガン:0.02mg
・ヨウ素:0μg
・セレン:0μg
・クロム:0μg
・モリブデン:0μg - 食物繊維:0g
(・水溶性食物繊維:0g)
(・不溶性食物繊維:0g)
5. カニかまの美味しい食べ方3選

カニかまはそのまま食べるのもありだが、料理の具材に使っても美味しい。そこでおすすめのカニかまの使い道を3種類紹介しておこう。
その1.カニかまサラダ
定番はカニかまをサラダに使うというものだ。カニかまはグリーンサラダ、コールスロー、コーンサラダ、オニオンサラダなど、さまざまなサラダに加えることができる。細長く千切ったカニかまを加えたら、マヨネーズなどを加えてサッと和えるだけ。それで簡単にカニかまサラダを楽しめる。
その2.カニかまチャーハン
本物志向のカニかまをチャーハンに使うのもおすすめだ。本物志向のカニかまを使うことで、見た目だけでなく味や香りも本物そっくりなカニかまチャーハンを作ることができる。作り方はいつも通りでいいので、味付けしたご飯を炒めてから、カニかま・炒り卵・小ネギを加えてパッと炒めよう。
その3.カニかま天ぷら
少し変わった食べ方に、カニかまの天ぷらがある。スティックタイプでもできる料理で、白い面に小麦粉をふってから円柱になるよう2つのカニかまをくっつける。それから衣をまぶして、170℃程度の油でカラっと揚げれば完成だ。衣はサクッと、中は柔らかくて新しい感覚の天ぷらを楽しめる。
結論
カニかまは日本発の水産加工品ではあるが、今ではヨーロッパをはじめ世界中で食べられている。そして、そんなカニかまはそのまま食べる以外にも、さまざまなおかずに使うことが可能だ。魚のすり身を使っているため、低カロリー・高たんぱく質なのも見逃せないポイント。もし何か副菜などに困っていたら、カニかまを取り入れてみてはいかがだろうか。
【参考文献】
- ※1:文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365419.htm