1. 馬肉と日本

日本人が馬肉に出会ったのは、縄文時代だと言われている。モンゴルから、家畜として馬が持ち込まれたのがこの頃。その後、675年になると天武天皇により、肉食禁止令が出される。当時、すでに食肉として食べられていたからこそ、禁じられたと推測ができる。その後は、公には馬肉を食べる人は、あまりいなかったようだ。
加藤清正と馬刺し
馬肉が食肉として、再び注目を浴びたのは、熊本藩主、加藤清正がルーツといわれている。彼が朝鮮に出兵した際、食料が底をつき、やむ負えなく軍用の馬を食したことから、その美味しさに目覚め、帰国後も好んで馬刺しを食べたと伝えられている。このことから、現在でも馬刺しといえば、熊本というくらい知名度が高い。ちなみに熊本では、ごく普通にスーパーや肉屋に馬刺しが並び、ごく当たり前に普段の食卓で食されている。
通称・桜肉
馬刺しは、桜肉と呼ばれることがある。この語源にはさまざまな説があるが、どれも江戸時代以降に生まれた説であることから、江戸時代頃から一般的に食されていたことがうかがえる。江戸時代は獣肉の食用が禁じられていたので、猪肉をぼたん、鹿肉をもみじというように、隠語としての側面もあるのかもしれない。
2. 馬肉の栄養

高タンパクで低カロリー
他の食肉と比べると馬肉は、カロリーがとても低い。それでいて高タンパクなので、ダイエット中にもぴったり。メタボが気になるオリひと世代にもぜひおすすめしたい食肉なのだ。鉄分が多く含まれているので、貧血気味の人にも◎。
亜鉛含有量も多め
免疫力の向上やタンパク質の合成に欠かせない亜鉛。味覚を司る味蕾にも影響するほか、男性の生殖機能の改善にも大きく関係している。亜鉛は、とても重要な栄養素であるが、体内では生成できないので、積極的に取り入れたい。その点でも馬肉は好都合なのだ。
即エネルギーに
馬肉は滋養強壮にいい、と聞いたことがある人もいるかもしれない。これはグリコーゲンという多糖類の一種が含まれていることによるもの。体内で素早く吸収されるため、体が温まり、即座にパワーになりやすいのだ。
3. なぜ生食できるのか?

肉の生食は原則、禁じられているものが多い。例えば、近年では牛肉のユッケやレバ刺しなどが、食中毒の危険が高いことから禁じられた。それにひきかえ、馬肉といえば、馬刺し。そう、生食が定番だ。もちろん検査は厳重に行われており、菌が発見されていないことが生食可能の条件。そのほか、ガイドラインにそって、衛生管理がなされているものだけが生食できる。
冷凍がキモ
加工後、-20度で48時間以上、冷凍して出荷されるものが多い。この工程により、仮に寄生虫がいたとしても死滅する。これがほかの肉類と異なり、生で食べることができる所以。ただ、すべての可能性がゼロとはいえないので、信頼できる業者から買い求めるのがおすすめだ。
結論
高タンパク質で低カロリー、それでいて栄養豊富な馬肉は、オリひと世代にもってこい。馬刺しが基本だが、もちろん火を通しても食べることができる。また、部位によっても味わいがさまざま。口の中でとろける味わいは、病みつきになるはず。
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