1. ミントの種類

ミントはシソ科の多年草で、世界中に広く分布している。大きく分けるとスペアミント、ペパーミント、和種ハッカ(ニホンハッカ)の3タイプ。ただ非常に繁殖力が強く交雑しやすいため種類が多く、品種として認定されているものだけでも100種以上、変種も含めれば数千もの種類があるといわれている。
以下にミントの主な種類を紹介しよう。
以下にミントの主な種類を紹介しよう。
■代表的なミント3種
- スペアミント
古くから薬草として用いられた歴史があるミント。スーッとする香りの主成分は、メントールではなくカルボンとリモネン。ほのかに甘く柔らかい香りはハーブティーをはじめジュース、カクテル、アイスクリームの飾りにぴったりだ。タイやベトナム等の東南アジアでは肉・魚料理や麺料理、サラダ等によく使われる。 - ペパーミント
スペアミントとウォーターミントの自然交雑種で、こちらの主な香り成分はメントールやメントフラン。スペアミントより清涼感や刺激が強く、ハーブティーやデザート類、カクテル、料理などの定番フレーバーの1つである。またペパーミントを蒸留して採る精油成分は食品、オーラルケア用品、湿布薬などにも幅広く使われている。 - 和種ハッカ(ニホンハッカ)
さまざまなミントの中でメントールの含有量がもっとも多く、主に高純度のハッカ脳(メントールの結晶)や精油(エッセンシャルオイル)を採るために栽培される。苦みや樟脳臭があり食用にはあまり向かないようだ。
■フルーツ系の香り
- アップルミント
青リンゴのような香りで人気のミント。ヨーロッパ原産。葉が柔らかい産毛に覆われているためウーリーミントとも呼ばれる。 - パイナップルミント
アップルミントの変種で、パイナップルのような香りがする。葉の縁に白い斑(ふ)が入っているのが特徴で観賞用としても使われる。 - グレープフルーツミント
ペパーミントとアップルミントの交雑種。ミントの中では大型で草丈が50cm~60cmに達する。グレープフルーツのような香り。 - ベルガモットミント
オーデコロンミントとも呼ばれるペパーミントの1種。柑橘系の甘く強い香りはリキュールの香り付けやポプリに向く。
上記のほか、フルーツ系だけでも、バナナミント、オレンジミント、レモンミント、ストロベリーミントなどたくさんのフレーバーが。
また、スペアミントの原種といわれユーラシア大陸に広く分布するホースミント、沼沢や湿地を好むウォーターミント、食用ではなく主に虫除けに使われるペニーロイヤルミントなど、ミントはとにかく多種多様だ。
また、スペアミントの原種といわれユーラシア大陸に広く分布するホースミント、沼沢や湿地を好むウォーターミント、食用ではなく主に虫除けに使われるペニーロイヤルミントなど、ミントはとにかく多種多様だ。
2. ミントの特産地

スーパーのフレッシュハーブコーナーで見かけるスペアミントやペパーミントの主な産地は千葉、沖縄、茨城など。ハーブ専門、ミント専門といった農家は少なく、ほかの野菜を育てながら畑やハウスの一角で栽培するケースが多いようだ。一方、自宅栽培・園芸用ミントの苗を生産・販売する農家や農園は日本全国にある。
世界的な規模で見ると、スペアミントの主な産地はアメリカ、カナダ、中国など。ペパーミントはアメリカやインド。和種ハッカの大産地はインドとなっている。
世界的な規模で見ると、スペアミントの主な産地はアメリカ、カナダ、中国など。ペパーミントはアメリカやインド。和種ハッカの大産地はインドとなっている。
■和種ハッカこぼれ話
和種ハッカはかつて、日本が世界に誇る農産物の1つだった。1930年代後半、日本産のハッカ(ハッカ脳や精油)はその高い品質が評価され、世界市場のほぼ9割を占めていたという。当時の大生産地は北海道の北見地方。その後戦争やさまざまな社会情勢の変化を経て和種ハッカの生産は衰退した。現在純国産和種ハッカの栽培~蒸留が行われている主な産地は北海道紋別郡滝上町で、日本全体の約95%を占めている。
3. ミントの旬と選び方

ミントの開花時期は6月~9月。5月~6月の花が咲く前、その年最初に刈り取る葉のことを「初摘みミント(ファーストカット)」といい、雑味がなくフレッシュな旬の香りを楽しめる。
フレッシュハーブとしてのミントを選ぶなら、ほかの葉物野菜と同じく、葉がみずみずしく全体にハリがあるものをチョイスしよう。使い切れなかった分はコップなどの水にさして常温で保存可能。毎日水を換えれば1週間以上鮮度を保てる。
ミントの苗を買うときは、株の根元から何本も茎が出ているものがよい。根元に近い方の葉の裏側を見て斑点のような変色がないかどうかもチェック。ネットショップ等を通じて購入する場合は、無農薬やオーガニックなど各ショップのこだわりポイントをよく見極めよう。
フレッシュハーブとしてのミントを選ぶなら、ほかの葉物野菜と同じく、葉がみずみずしく全体にハリがあるものをチョイスしよう。使い切れなかった分はコップなどの水にさして常温で保存可能。毎日水を換えれば1週間以上鮮度を保てる。
ミントの苗を買うときは、株の根元から何本も茎が出ているものがよい。根元に近い方の葉の裏側を見て斑点のような変色がないかどうかもチェック。ネットショップ等を通じて購入する場合は、無農薬やオーガニックなど各ショップのこだわりポイントをよく見極めよう。
4. 旬の美味しい食べ方

フレッシュなミントがたくさん手に入ったら、文豪ヘミングウェイも愛したというハバナのカクテル「モヒート」を家で思う存分、楽しむチャンス!
まずはグラスにフレッシュライムとブラウンシュガーを入れ、ライムを軽く潰してブラウンシュガーと馴染ませる。次にミントの葉を好きなだけ入れ、こちらも軽く叩くようにして香りを出す。さらにラムと氷を入れてよく混ぜ、最後にソーダを注いで全体を軽く混ぜれば完成。ラム抜きのヴァージンモヒート(ノンアルコールのモヒート)ならアルコールが苦手な人も一緒に楽しめる。グラスも材料もキンキンに冷やしておくのがキリッと喉に染みるモヒートのコツだ。
ミントはどんな種類でもOK。より強い清涼感を求めるならペパーミントがおすすめだ。
まずはグラスにフレッシュライムとブラウンシュガーを入れ、ライムを軽く潰してブラウンシュガーと馴染ませる。次にミントの葉を好きなだけ入れ、こちらも軽く叩くようにして香りを出す。さらにラムと氷を入れてよく混ぜ、最後にソーダを注いで全体を軽く混ぜれば完成。ラム抜きのヴァージンモヒート(ノンアルコールのモヒート)ならアルコールが苦手な人も一緒に楽しめる。グラスも材料もキンキンに冷やしておくのがキリッと喉に染みるモヒートのコツだ。
ミントはどんな種類でもOK。より強い清涼感を求めるならペパーミントがおすすめだ。
結論
スーパーで生鮮食品として売られているのはほぼスペアミントとペパーミントのみだが、最近はネットショップ等で実に多彩なミントの苗が手に入る。たとえば「キューバで飲んだモヒートの味が忘れられない」という御仁は、現地でモヒートに使われる品種「イエルバブエナ」の苗を取り寄せ、本場の味を極めてみては?